歌川 芳藤（うたがわ よしふじ、文政11年〈1828年〉 - 明治20年〈1887年〉）は、江戸時代から明治時代の浮世絵師。歌川国芳の門人。姓は西村、名は藤太郎。歌川を称し、万延元年（1860年）頃からよし藤と号す。一鵬斎とも号す。始めは本郷春木町に住でいたが、後に浅草小島町、明治16年から明治20年には浅草北三筋町58に移り住んでいた。嘉永（1848年-1854年）から文久（1861年-1864年）年間に横浜絵のほか美人画、「武者両面合わせ」のような武者絵、はしか絵を描いた。また子供向きの組上絵、玩具絵、双六「東京築地ホテル館図」といったものや、明治開化絵も数多く描いているが、何といっても芳藤の丁寧な作業ぶりが玩具絵の工夫に向いていて、「玩具絵の芳藤」として最も良く知られている。但しこの玩具絵は、子供たちが使用して使い終われば捨てられるという運命のものであったことにより、大半は消失して現在まで残されているものは極めて少ない。また、安政3年（1856年）刊行の人情本『貞操絞朝顔』（金水作）の挿絵も知られている。享年60。

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