コーディネイター(Coordinator)とナチュラル(Natural)は、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』および『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の人種概念。「コーディネイター」とは「遺伝子を調整された」ということに由来する。それに対して遺伝子調整されていない通常の人類は「ナチュラル」と呼ばれるようになった。『機動戦士ガンダムSEED』シリーズにおける「コーディネイター」とは、「遺伝子調整によってあらかじめ強靱な肉体と優秀な頭脳を持った新人類」と定義される。ただ、本来の「コーディネイター」とは「新たに生まれるであろう新人類と人類の架け橋となる調整者となるように」と、最初のコーディネイターのジョージ・グレンによって命名されたものであった。ところが、その後のコーディネイター作出が「高い金を出し」て「他者より強く!他者より先へ!他者より上へ!」といった社会的勝利の先約を動機とする優生学的なものであったため、必然的にコーディネイター自身が選ばれた新人類であるとする選民思想に取って代わられていき、やがてそれがプラント在住者の中心的イデオロギーとなる。その一方、ナチュラル側も自分たちに比べると能力面における優秀な人材である事実を妬むがゆえに差別意識が生じ、両者の間で確執が生じてゆく。C.E.以前。度重なる宗教・民族的テロリズムはB・C兵器や放射性物質テロにまで踏み切り、その終息後は遺伝子汚染という爪痕を残した。特に健康な次世代を残せない人々は総人口の20%にも達し、彼らへの救済措置の為、本格的な遺伝子治療技術が解禁される 。両親となる男女の遺伝子をパッチワークのように無傷な部分で繋ぎ合わせ、受精卵に移植するこの技術は当初、遺伝子損傷を次世代に引き継がせない目的で行われていたが、同時に遺伝子操作によって生まれながらに能力を強化された人類を生み出せる事も意味した。C.E.15年、人類初のコーディネイター、ジョージ・グレンが遺伝子操作による自らの出生を告白すると共に、全世界へネットワークを通じてコーディネイター技術を伝えた。「彼らは自然に生まれた者達より、多くの力を持てる肉体と、多くの知識を得られる頭脳を持っている。そしてその創造者の意図は、我々人には、まだまだ可能性がある。それを最大限に引き出すことができれば、我等の行く道は、果てしなく広がるだろう」というものであった。しかし、遺伝子操作によって超人を造る技術であるコーディネイター技術は、世論から多くの反発を受けた。C.E.16年、国連遺伝子資源開発会議にて、出生前の人間に対する遺伝子操作の一切を禁ずる「人類の遺伝子改変に関する議定書」が可決された。これにより、合法的にコーディネイターを誕生させることは不可能になったが、一部富裕層をはじめとする人々の欲望を制御しきることはできず、その後も多くのコーディネイターが違法に誕生し続けることになる。C.E.30年のパレスチナ公会議の失敗により伝統宗教の権威が著しく失墜すると、「コーディネイター寛容論」や「遺伝子操作アレルギー論」が広まり、誕生するコーディネイターの数が増加していく。当初、コーディネイター技術はその莫大な費用から富裕層を中心に恩恵を受けていたが、需要が増大するにつれコストダウンが起こり、先進国の一般的な家庭であれば十分可能なレベルまでその敷居は引き下げられる 。コーディネイターを誕生させることを目的とする企業まで現れ、C.E.45年にはその人口が1000万人を突破したとみられる。しかし、この頃より学術・スポーツ・芸術等の各方面でコーディネイターの成果により「ヒトとしての能力」に歴然の差がある事が大きく世界に示されてしまい、更にコーディネイター同士の子供にも能力が引き継がれる事も明らかになったため、ナチュラルのコーディネイターへの感情は徐々に悪化を始める。結果、各地で反コーディネイター感情が再発し、C.E.53年にはジョージ・グレン暗殺、翌年のS2インフルエンザの大流行がコーディネイターのジョージ・グレン暗殺報復とナチュラル殲滅作戦との噂が流れるとナチュラルの反コーディネイター感情は決定的なものとなった。この事態を受け、C.E.55年には再度コーディネイター出生の禁止を定めた「トリノ議定書」が採択された。その後、ブルーコスモス思想が定着したことや、物理的居住空間がナチュラルは地球、コーディネイターはプラントにほぼ分断固定化したことも重なり、C.E.70年代では第一世代のコーディネイターはほとんど生まれなくなっている。コーディネイターは、ナチュラルよりも先天的に堅牢な肉体と優れた運動能力、優秀な頭脳を持っており、過酷な環境や重篤疾病に対する抵抗力も高い。とはいえ、遺伝子操作により先天的にナチュラルより各種機能の平均的水準が高いだけで、根本的にはナチュラルと同じ“人間”である。そのためナチュラルとの混血も可能。老衰、あるいは著しい損傷を身体に被った場合はもちろん死に至るが、その能力差は総じてナチュラルより高く、身体能力や学力が成人年齢に達するのもナチュラルのそれより約5年ほど早いとされる。年端の往かない彼らが陸海空軍海兵隊の役割を総合したザフト軍の厳しい訓練や任務に耐えられるのも、コーディネイターの優秀な能力ゆえとされている。また、D.S.S.Dの一級管制官の資格試験には、コーディネイターはナチュラルのおよそ1/3の平均学習時間で合格できる。こういったコーディネイターの知的能力、身体能力の優越性は、学業、労働、芸術、スポーツといった社会競争の場面で全体的傾向として彼らを勝利させるため、ナチュラルにとっては生活を脅かす脅威となっていった。コズミックイラの優生学であるともいわれるデスティニープランについても、プラントのコーディネイターたちからは自分たちに有利な制度であるがゆえに反対意見が少なかったという。アニメの劇中では、コーディネイターは致死性の疾病に罹病することがなく、知的身体的成長速度、耐寒耐暑能力といった身体の優越性は、後天的訓練を必要とせずに発現する。だが一方、コーディネイターでも技能的な側面では、適切な訓練や学習を行わなければ、その才能を完全に発揮することはできないとされる。また、母胎の不均一性などの原因から、すべてのコーディネイターの全能力が、出生前の遺伝子操作時に意図した通りに100%生まれてくる訳ではないため、ナチュラルより高い水準での差異ではあるにしろ、個体差も存在する。他にも例外的な障害としてだが、出生後の生活環境や本人の生活習慣などの後天的理由で、視力などが低下する可能性もあれば、運動を怠れば肥満にもなる。また、最小限度の遺伝子調整しか受けていなかったため、ナチュラルと大差ないコーディネーターも存在する。またこれも例外的希少個体の例ではあるが、ナチュラルの中にも、遺伝子操作なしに関わらず、先天的に天賦の才に恵まれた、またコーディネーターに匹敵かそれ以上の能力を持つ者がいる。またこれも一部の例外であるが、後天的な高度技術や知識の習得、英才教育ないし特殊訓練を受けたナチュラルのパイロットで、コーディネイターのパイロットを相手に圧倒する戦闘を行えるだけの実力を持つ者もいる。コーディネーター国家であるプラントの技術力は、地球連合やオーブなどのナチュラル主体の勢力を上回るが、総人口ではナチュラルに圧倒的に劣るため、全ての分野で優位というわけではなく、特にコーディネイターは元々頑健な肉体を持っているためにあまり必要とされていない医療や薬学などの分野では、ナチュラルの社会の方が優れている(ただ、これらは両人種個人の知的身体的能力とは直接関係がない、結果的な社会傾向である)。複雑な操作が必要なモビルスーツ(以下MS)の操縦もナチュラルと比べれば短期間で習得することが可能で、一方ナチュラルは、その大多数が「ナチュラル用OS」が開発されるまでは満足に操縦を行えなかった、そのため、ザフト以外の勢力では戦闘用MSの実戦配備は遅れた。しかし、「ナチュラル用OS」完成後は一転してナチュラル陣営においてもMSが普及し、こと戦闘においては「スーパーコーディネーター」や「ブースデットマン」等の極一部の例外を除き、パイロットの身体能力差よりもMS自体の性能と数的差異で優劣が決まるようになった。なお、本編劇中では外見上の容姿に大差がなく、またストーリー上主要なキャラクターとそうでないキャラクターの能力差の方が大きく描写されるため、両者の明確な差異は描写されていないばかりか、主要ナチュラルキャラクターの方が圧倒しているシーンも見受けられる。技術的なルーツが遺伝子治療に存在するゆえ、先天的な遺伝子疾患を持つ胎児に対する治療行為は普遍的に行われており、そういった医療用途のみの恩恵を受けた人間はコーディネイターとしては認識されていない。一つ目の問題は、種単体としての永続性が現時点では危ういという点である。遺伝子操作を受けたナチュラルの受精卵から誕生した者を第一世代コーディネイター、第一世代の親から産まれたコーディネイターを第二世代と呼び、以降はそれに続く。第一世代同士の両親から生まれた第二世代にも同様の措置が取られコーディネイターの能力が継承されているのだが、遺伝子配列が個別に複雑化した結果、受精が成立しない組み合わせの存在が発覚する。遺伝子の型が組み合わない者同士での出産は不可能となり、世代が進むにつれて型が複雑化し、第三世代の出生率の低下は現行の深刻な問題になっている。そのため、プラントでは誕生時の遺伝子から適合性を見出しての婚姻統制を取り、生殖が失われない遺伝子技術の開発を至上命令としている。これに関連して、遺伝子の病(コーディネイターの病)は遺伝子の原因が判らないと治療ができない。そのため、適合する遺伝子を持つ孤児などを披検体として確保し、その臓器を遺伝子病の患者に移植している事例が存在している。 二つ目の問題は、遺伝子調整は完璧ではないということ。遺伝子調整によって、知能や身体能力だけでなく、髪の色、肌の色、目の色、身長等、外見のデザインも可能となった。しかし、母体の影響か遺伝子の組み合わせによるものなのかは不明だが、デザイン通りに生まれてこない例が少なくない。そのため希望通りの外見に生まれてこなかったからと言う理由で親権を放棄してしまうケースが多々ある。コーディネイターを作ろうとすると莫大なコストがかかるが、デザイン通りに生まれなかったという理由で引き取られなかった子供は、無料同然で兵士養成機関「サーカス」に引き取られている。時には盲目など、身体的不具合を持って誕生する者もいる。特に二つ目の問題については、劇中におけるラウ・ル・クルーゼが自らの出生も含め、人類全てを憎悪する要因の一つにもなっている。これらの問題点からシーゲル・クラインは「コーディネイターは決して完全無欠ではない」とコーディネイター優生論を戒めていたが、パトリック・ザラは「科学技術の進歩でこの問題も何時か必ず解決する」と主張していた。上記までの詳細はさておき、生物学上では両者は共にホモ・サピエンスとして分類される。よって双方による次世代の誕生(混血)は可能。現時点での総数は双方より少ない彼らは「ハーフコーディネイター」と呼ばれることが多い。該当する人物として、地球連合軍に所属するジスト・エルウェスがいる。『人為的に改良した遺伝子を半分持つ・コーディネーターの所以たる遺伝子改良をしていない』という理由からナチュラルでもコーディネイターでもない亜人類として扱われることが多く、社会的・私生活的にも孤立ないし迫害されるケースが目立つ。特にこの「ナチュラル帰り」をタブー視するコーディネイター側の蔑視感情は苛烈であるため、ほとんどのハーフコーディネイターは自らの素性を隠して生活するか、オーブ等中立国に在住、あるいは自身の存在に疑問を感じてコーディネイターの撲滅を主張するブルーコスモスに協力する者もいる。穏健派のプラント最高評議会議長シーゲル・クラインは「自立して存続しうる新たな種ではない」と、先細る運命にあるコーディネイターの未来を危惧し、上記の出生率の問題に対する解決策として両種を結ばせ、ナチュラルへ回帰(ナチュラル回帰論)させることを考えていた。この考えは「ナチュラル帰り」と呼ばれ、コーディネイターの存在理由を否定するとしてタブー視されているが、秘密裏にコーディネイターの一部を南米へ移住させ、「ナチュラル帰り」を実施している。コロニーメンデルにおいて、ユーレン・ヒビキが「人工子宮」を用いて胎児を発育させた「最高のコーディネイター」を、「スーパーコーディネイター」と呼ぶ。事の発端は、コーディネイター作出のための受精卵へのジェネティックエンハンスメントにおいて、クライアント(親)のオーダーに基づき技術者のデザインした塩基配列(遺伝子型)どおりの形質(表現型)が胚の生育過程で発現しない例が少なからずあったことによる。例えば、青い瞳になるよう塩基配列をデザインしたのに青い瞳の胎児として発生発達せず、金髪になるようデザインしたのに金髪の胎児に育たない、などである。ヒビキ博士は、これらの現象を、生物である「母胎」という“装置”が不均質であり、それが様々な変数となって胚の生育に影響を及ぼすからだと考えた。そこで彼は、胚が母胎からの余計な影響を受けない「人工子宮」を開発し、それを用いて受精卵を発育させ、完全にクライアントのオーダー(=「高い金を出して買った夢」「人類の夢」)通りの形質発現を達成したコーディネイターを誕生させられるように研究をしていた。しかし、いつしかユーレンは自身の子供を身体、頭脳共に極限まで高めた生命体「スーパーコーディネイター」を生み出そうとしていた。人工子宮という装置の機器としての完成度や諸々の問題は依然としてあり、満足のいく個体を誕生させる歩留まりは非常に低かった。ユーレンは研究者としての執念から、妻であるヴィアの反対を押し切り、幾多の失敗例の山を築いたうえで、唯一の成功例として妻が受胎した二卵性双子の子供の内、息子(後のキラ・ヒビキ)をスーパーコーディネイターとして誕生させた。取り立ててスーパーコーディネイターは戦闘能力を重視されており、遺伝子研究の権威でもあるプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルは「当代誰も敵わないキラのやるべき道はモビルスーツパイロット」だと評価し、失敗作の烙印を押されたがカナード・パルスもユーラシア連邦にスーパーコーディネイターとして能力を買われている。また『SEED ASTRAY』の著者である千葉智宏は、森田繁の「叢雲劾はどのようなキャラか」との質問に「SEED世界で一番強いキャラ」と回答したが、それに対して森田繁は「キラより強いのはありえない」と述べている。そして千葉智宏も単純な強さではキラのほうが強いと認めており、スーパーコーディネイターのキラの戦闘能力は戦闘用コーディネイターの劾を超えているという見解が示されている。ブルーコスモス台頭以前のプラント理事国の軍部(後の地球連合軍)が兵器として開発した戦闘に特化した遺伝子調整がなされたコーディネイターである。戦闘能力強化に関して非常に高い完成度を誇る戦闘用コーディネイターであるが、心理コントロールが不完全であったために脱走する者もいた。服従遺伝子によって心理コントロールを施したソキウスシリーズは、「ナチュラルのためになること」を最優先とされている。そのため、ソキウス個人の意思にかかわらずナチュラルに対する行動が抑制されており、一般のナチュラルは無論、ナチュラルに危害を加えたり利益にならない相手でもナチュラルであれば、攻撃や妨害などの行動はできない。また、服従遺伝子を組み込まれていない例外のソキウスもいる(例:フィーニス・ソキウス)。ザフト設立以前から存在していたが、地球連合設立において台頭したブルーコスモスにより、戦闘用コーディネーターの開発、運用は中止され、戦闘用コーディネーターと同レベルに強化したナチュラルであるブーステッドマンやエクステンデットにとって替わられることになる。結果、ごく一部を除き、地球連合が保有していた戦闘用コーディネーターの大半は処分された。集計時期は定かでは無いが、コーディネイターの総人口は地球・宇宙圏を含めて5億人とされる。うち6000万人はプラント在住者で、それ以外の詳細な分布は明らかにされていない。『機動戦士ガンダムSEED VS ASTRAY』に登場する人工生命体。卓越した情報収集力と技術力を誇る「ライブラリアン」が構成員として製造しており、培養した素体に「ライブラリアン」が収集した死んだ人物の遺伝子情報や人格や記憶を注入することで完成する。死んだ人物を完璧に再現できるわけではなく、微妙に差異がある。カーボンヒューマンのほとんどが死んだ人物を再現したものであるが、ND-HE(エヌディ・ヒィ)のように生存する人物の成長期をそのまま再現したケースもある。劇中に登場したカーボンヒューマンは次の通り。
出典:wikipedia
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