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奥サマは小学生

『奥サマは小学生』(おくサマはしょうがくせい)は、松山せいじによる日本のギャグ漫画作品。秋田書店『チャンピオンRED いちご』Vol.1(2006年12月26日発売)からVol.9(2008年8月5日発売)まで連載、単行本は全1巻。2011年10月3日よりJコミプレミアムで成人指定の上でウェブコミック配信している。少子化が進む一方の日本で、労善総理大臣の思い付きにより婚姻可能年齢が引き下げられることになり、法律の本格施行に先駆けて実証データを得るため小学校教諭の安住直人(24歳)とその教え子・一ノ瀬春(12歳)が結婚することになった。ナオトは幼妻のハルに対して様々な妄想を抱くもののハルの心身を気遣って思い留まり、決して手を出すことは無く悶々とした新婚生活を送る。本作は、完結から2年近くが経過した2010年に「表現の自由を侵害する」として漫画家や出版社、インターネット上のコミュニティを中心に大規模な反対運動が起きている東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正を巡る論議に際し、東京都が「いきすぎた性的表現がある」漫画の具体例として実名を挙げたことで知られている。本作ではバナナを男性器に見立てて小学生であるハルに咥えさせたり練乳を精液に見立ててハルの全身に浴びせたりする成人向け漫画のパロディ的な演出が多用されているが、こうした描写は全てナオトの脳内における妄想として処理されている。ハルの夫であると同時に担任教師でもあるナオトはハルの心身を誰よりも気遣っているため、少子化対策として法律上も子作りを認められているにも関わらず、決してそうした性的な妄想を実行に移すことは無く本編中では童貞を貫いている。2009年に東京都知事の諮問機関である青少年問題協議会において、青少年健全育成条例を改正し18歳未満に見える架空のキャラクター(非実在青少年)に対する性行為や性交類似行為を含む出版物の販売規制が議論された際に東京都青少年課は現行の条例で規制が困難な作品として本作を含む複数の漫画・アダルトゲームを例示し、18歳未満の児童との性行為や近親相姦を肯定的に扱う作品の蔓延を防止する為に規制強化が必要であるとする趣旨の答申をまとめ、2010年1月に公表した。作者の松山は飽くまで「成人向け漫画のパロディ」という手法を用いたギャグとして本作を描き上げたものの、都条例改正を巡る論議で本作が名指しで取り上げられたことや国会における児童ポルノ禁止法強化の動き("準児童ポルノ")に対して「ジョークすら通じなくなると言う懸念」を抱き、2010年1月12日に発行元の秋田書店へコミックスの絶版を申し入れた。作家で東京都副知事(当時)の猪瀬直樹は2010年3月23日付のブログ記事で本作を名指しして「セックスシーンが繰り返し出てくる。これはふつうの書店で、ビニールでもなく、誰でも買えるふつうの棚に置いている。18歳未満でも買うことができる。現状の自主規制の対象ではない」と批判している。また、3月29日にBSフジで放送された「BSフジLIVE プライムニュース」において都条例改正に反対を表明している漫画家の里中満智子や明治大学准教授の藤本由香里と討論した際にも本作のコミックスを繰り返し提示しながら「このような過激な表現物を誰でも入手可能な場所に置くべきではない」と主張した。上記のような猪瀬の批判に対し、松山は作中に猪瀬が主張するような「セックスシーン」、すなわち直接的な性行為の描写は存在せず、またバナナや練乳を暗喩として用いた性交類似行為を含めて広範に「セックスシーン」と称しているのだとしても、主人公のナオトが幼妻・ハルの心身を気遣って妄想に留めるのが毎回、お決まりのパターンとなっているため「猪瀬さんはきちんと内容を読んでください」と、作品のテーマを正しく理解せず表面的な描写をあげつらって批判されるのは心外であると反論している。また、秋田書店は夕刊フジの取材に対して広報を通じ「当社の発行物がたまたまそこにあり、内容を見ずにごく一部をとらえて批判の材料に仕立て上げたのでしょう。特に猪瀬氏は発言の影響力が大きい。当社も作者も非常に困惑しております」とコメントしている。

出典:wikipedia

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