『星のカービィ』(ほしのカービィ)は、任天堂・HAL研究所のゲームソフト『星のカービィシリーズ』を原作とし、2001年10月6日から2003年9月27日まで放送された中部日本放送製作のテレビアニメ。任天堂のゲームのテレビアニメとしては唯一TBS系列で放送された。原作であるゲーム版の設定を大きく変更し、大半の登場人物をアニメ独自のキャラクターが占めるなど独特の世界観を構築。ゲーム版出身のキャラクターに関しても設定が変更されている場合が多い。登場人物のほとんどが1頭身から2頭身のキャラクターであり、劇中にバトルシーンが存在するなど、低年齢層向けのアニメに近い体裁をとっている。しかし、環境問題などの寓話的な話やシリアスな話、社会風刺や大人にしか到底分からないようなネタやパロディなども挿入している。これは、「子供でも大人でも楽しめるように」というゲーム版『星のカービィ』のコンセプトをアニメでも踏襲しているためである。また、「星のカービィ 20周年スペシャルコレクション」に本作の以下の3話が、OPとEDを含めて収録されている(次回予告、及び後述の「プププつうしん」は省かれている)。任天堂とHAL研究所がゲームソフトの開発で培った高度な合成技術をアニメ制作に応用することにより、手描きと3DCGの合成による違和感をなくしている。多くの作品がデジタル技術を主に経費の節約や制作期間の短縮のために用いている中、この作品はデジタルによって新しく得られた表現方法を最大限に生かした制作を行っている。3DCGパートは、softimage3Dで制作され、ア・ウンエンタテインメント(現:ダイナメソッド)が担当。また、オーヴァーロードの社員がア・ウンに出向き、制作協力をしていた。なお、スタジオコメットがアニメーション制作協力として制作に参加した一部の話については、スタジオコメットCG部が独自に3DCGパートの一部を制作していた。最終回のエンディングテロップでは、それまで3DCG制作に携わったア・ウン関係者のほとんどの名前が3DCG関係のスタッフ欄に表示された。番外編「星のカービィ 〜特別編〜 倒せ!! 甲殻魔獣エビゾウ」では魔獣エビゾウ・戦闘シーンをオーヴァーロードが担当している(以上、星のカービィ TVアニメCG監督 村山氏その他スタッフから取材)。本作の世界観はゲーム版のそれとは大きく異なる。ゲーム版では地球から遥か遠くの惑星「ポップスター」(特にその中に属する国「プププランド」全域)及びその周辺の惑星などが舞台だが、本作ではプププランドのさらに中の「ププビレッジ」(アニメオリジナル)という村が主な舞台であり、やや限定的である。初期の数話こそ魔獣とのバトルや星の戦士の秘密に関する話が多くを占めているが、第4話以降でカービィがププビレッジの日常を過ごしながら星の戦士としての力を付けていく形となるため、実質的に前述の社会風刺やパロディが主体の、ナイトメアとの対決という番組の本筋は直接関係ない話が増え始める。作中のプププランドにはコンビニ、自動車、テレビなどが存在し、これらが作品の世界観を現実世界に近づけている。また、話によっては社会風刺を活かすために食糧不足、温暖化、オゾン層破壊、環境問題、不法投棄、教育への不安、テレビ番組の情報捏造、観光客のモラルの欠如、捨てられたペットの野生化、リストラ、 箱物行政、旧石器捏造事件など様々な問題がプププランドでも起こっているという設定になっている。作中で取り扱うパロディのジャンルは多岐にわたり、映画「サイコ」「ローマの休日」「モダン・タイムス」「生きる」「ジュラシックパーク」「風と共に去りぬ」「モスラ」「キングコング」、文学作品「ドン・キホーテ」「1984年」「ハリー・ポッターと賢者の石」といった有名どころの作品は余すところなくオマージュされている。また、社会風刺と共にメタフィクション要素が非常に多いのも特徴である。中にはアニメ制作を題材として現在のアニメ業界に対する批判を行う回もあり、第49話はアニメ制作現場の過酷さと作画崩壊を、第89話では3DCG技術の発達によるセルアニメの衰退と当時世間にあまり知られていない萌えアニメやオタクなどを風刺している。ププビレッジの日常シーンではほのぼのと落ち着いた雰囲気で描かれているのに対して、星の戦士(銀河戦士団)に関する話ではシリアスになる。作中に人間(地球人)を登場させない方針であるため、ほとんどの人物が1頭身から3頭身のコミカルな姿をしている。ゲーム版からのキャラクター(主に魔獣)は、初代『星のカービィ』・『夢の泉の物語』(および移植版の『夢の泉デラックス』)・『2』・『3』・『スーパーデラックス』からの出典だが、『64』のキャラは一切登場していない。作風・世界観の違いから原作から導入されたもので人物像等が大幅に変えられたものが多い。特に出番の多いカービィやデデデ大王はその傾向が顕著である。カービィは主人公でありながら言葉を話さない(主に「ポヨ」と話す)という設定である。それは本来、遊ぶ人によってイメージが異なるゲームキャラであるカービィに固定的イメージを持たせないための配慮である。ただし、人名や食べ物の名前など簡単な単語なら片言で話すことができる。原作では(主に初代の取扱説明書などで)「若者」と設定されているが、本作では「赤ん坊に近いもの」と設定されている。戦闘中に技の名前を叫ぶことがあるが、これは彼の心の声が伝わっているという設定であり、実際に話しているわけではない。本編においての戦闘方法は殆どコピー能力のみである。能力の種類はゲーム出典が24種類、視聴者考案オリジナルが4種類、後述の特別編(番外編)オリジナルが1種類で合計29種類である。デデデ大王は、原作では単に幼稚でワガママなだけで本質的には善良な人物だったが、本作ではかなりの悪事を平気で犯す人物として描かれている。また基本的に絶対王政を乱用する独裁者として描かれているが、ゲームと同じく根は優しいととれる描写がある。一人称は「ワシ」で、いつも語尾に「ぞい」とつけて話す。なお、ゲーム版のメタナイトがアニメ以降味方寄りになったのに対し、デデデ大王はアニメ以降もゲーム版での性格は変わっていない。メタナイトは、コミカルな容姿のキャラクターが多くを占めるアニメ中で最もかっこいいキャラクターとして描かれている。これ以前のゲーム作品ではどれも敵として登場しているが、本作ではカービィ達の味方となっている(第3話までは、敵か味方か曖昧な人物として描かれている。)。「メタナイト」という名前には「卿」という階級名が追加されている。原作で見せるコウモリのような翼や、仮面の下の素顔は本作では見せない。彼が登場するシーンでは殆どの場合、自身のマントで下半身を包んでおり、原作のようなマントを垂らした姿を見せることは少なめである。戦闘などに必要でない限り下半身や両手、剣を出すことはない。また、原作での性格がクール一点張りなのに対し、本作の彼はお茶目、天然ボケ、ミステリアスな面も描写されている。前述のとおり、アニメ以降は味方寄りのキャラクターとなった。数万年前、邪悪なる闇の帝王ナイトメアが「魔獣」と呼ばれる生物兵器を作り出し、宇宙のいたるところに送り込み宇宙の征服を企てた。しかし魔獣を造るうちにナイトメアに反発するものが出てきた。そしてメタナイト卿をはじめとする自由と平和を愛する正義の心を持つ「星の戦士」達は、ナイトメアを滅ぼすため、「銀河戦士団」を結成して戦いを挑んだ。しかし、無尽蔵に繰り出される魔獣の前に戦士団は崩壊。わずかに生き残った星の戦士たちは宇宙の片隅に追いやられつつもナイトメアを倒す新たな方法を探していた。一方、ナイトメアは企業帝国「ホーリーナイトメア社」を設立し、組織的かつ効率的に魔獣を生み出し、宇宙各地の大から小の悪党や金を持てあます金持ち達に魔獣を売りつけるという方法で自らの勢力を拡大させていった。そんなある日、宇宙のどこかで次世代の星の戦士「カービィ」が生まれた。そして、カービィはどこからか手に入れた宇宙艇の中で眠りにつきながらナイトメアに対抗する力をつけることになった。しかし、星の戦士の宇宙艇は自動的に魔獣のいる星に向かう機能があり、ポップスターの魔獣の存在をキャッチした宇宙艇はカービィを予定よりも200年早く目覚めさせ、何も知らない未熟な赤子同然のカービィは宇宙艇を操縦できず、そのまま「プププランド」に不時着してしまった。不時着後カービィはプププランドに住むフームや達と友達になり、彼らの助けを借りながらナイトメアを打倒するために魔獣と戦うことになった。登場するコピー能力については、カービィのコピー能力を参照。以下に挙げている声優は、持ち役以外にも魔獣、モブキャラクター、ゲストキャラクターなど他の役として出演していることがある。アニメ本放送開始前に、パイロット版として短編が1話製作され、ゲーム専門雑誌「ファミ通キューブ+アドバンス」(現在のファミ通DS+Wiiのニンテンドーゲームキューブ・ゲームボーイアドバンスバージョン)においてDVDが付録として頒布された。背景や一部エフェクトを除き、全て3DCGで制作されている。内容は本放送に比べて原作のアクションゲームを意識した内容であり、アニメ本編には登場しなかったゲーム版のボスキャラのダークマターが登場したり、メタナイトは敵であったりした。また、カービィのデザインが『夢の泉の物語』時代のものであり、世界観そのものも異なっている。キャラクターは一切声を発しない。日付は全国ネットで放送された際のもの、視聴率は本放送における関東地区のもの(ビデオリサーチ調べ)である。サブタイトルの表記は本編中の題名読みで表示されたものに準拠する。なお、DVDおよびレンタルビデオにおいては、前後編に分かれているエピソードを1本のビデオに収めるため、収録順が変更されている。エンディングテーマの終了直後には「プププつうしん」というミニコーナーがあった。アニメの中で取り上げられた出来事や、ゲームの最新情報、DVDやCDが当たる懸賞、視聴者が作ったカービィの絵や作品の紹介と幅広い内容である。下にはCBC公式サイトのURLが表示。長さは15秒、ナレーションは大本眞基子。まれに大本以外の声優が担当する回もある。レンタルビデオ、再放送版、販売用DVDには収録されていない。番組放送期間中、中部日本放送の『グッデイCBC』と東北放送の『グッデイみやぎ』では占いのコーナーがあり、本アニメのキャラクターを用いた星のカービィ星占いがあった。また、毎週金曜日の占いの後は「星のカービィ」の予告も番組内でされていた。なお、この占いはTBS系列で当時放送されていた『おはよう!グッデイ』及び、その番組の上記2局以外のローカル差し替え枠では放送されなかった。放送話数100話。視聴率は最低3.0%(64話・95話)、最高7.6%(22話・24話)。放送期間・放送話数ともにCBC製作および在名局製作のアニメとして最多・最長で、TBS系列のアニメとしても3番目である。2002年4月13日と2003年4月12日は、ゴルフの「マスターズ・トーナメント」の中継のため、2002年9月7日と2003年9月6日は、「全米オープンテニス」の放送により番組休止となった。同時ネット局は、すべてTBS系列(ただしテレビ山口 (TYS) では放送されなかった)。テレビ高知は全国ネットから15週遅れで放送。関東地区での平均視聴率は5.2%。CBCのこの時間枠(朝7時30分 - 8時00分)で放送されたアニメ・特撮番組の中では、当時もっとも高い平均視聴率、最高視聴率を記録している。第27話(2002年4月)より、CBC製作アニメでは初の字幕放送を実施した。CBCの全日帯アニメでは唯一の例である。再放送とは少々異なるが、Wiiのコンテンツ「Wiiの間」内「シアターの間」において、PPV配信されていた(現在はサービス終了)。1話100Wiiポイント。手続きをすると1週間見放題。サービス開始当初、1話・2話は無料配信されていた。2003年7月26日放送の第92話「ワドルディの食文化大革命」は同日に発生した宮城県北部地震の「JNN報道特別番組」を放送したため、テレビ山口・テレビ高知以外は以下の通りとなった。なお、放送時間の早い順から記載した。アメリカ合衆国へ輸出され、"Kirby Right Back at Ya!"という題で放送された。最終回(日本においての96話から100話)はテレビ放送されずにOVAとしてDVDで発売された。なお、カービィの声優は日本と同じ大本眞基子の声が使われており全世界共通である。上記以外でも中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、韓国語、イタリア語、セルビア語に翻訳されていることから、ヨーロッパでも放送されている模様だが、詳細は不明。台湾ではケーブルテレビのディズニー・チャンネルで放送されている。韓国ではアニメ専門チャンネルTooniverseで放送している。アニメ放送終了後、原作となったゲーム版にもアニメでの設定が活かされるようになった。上記とは別に「CDツイン テレビ・こどものうた〜世界に一つだけの花〜」 (COCX-32241) には少年少女合唱団による「カービィ★マーチ」が収録されている。セル(販売用)DVDは合計13本がavex modeより発売されている。1巻当たり3話ずつが収録され、第1巻から第7巻までは「ファーストシリーズ」、8巻目以降は「セカンドシリーズ」の名で販売されていたが、セカンドシリーズ第6巻を最後に発売が打ち切られてしまった。これにより、DVDで発売されているのは第1話から第39話までの話と後述のまんまるセレクションに収録された第49話の合計40話に留まる結果となった。ちなみに、第13話はファーストシリーズ5巻とまんまるセレクションの両方に収録されている。1巻につき3話が収録され、セカンドシリーズにはそれに加えて特典映像(アメリカ版Kirby、ゲーム版カービィのハイライトシーン集)が収録されている。ファーストシリーズには特典映像はない。また、特別盤として第13話と第49話を収録した「星のカービィ まんまるセレクション カービィ“最強タッグ”編」も発売された。なお、レンタルVHSは「セカンドシリーズ」(全7巻)、「サードシリーズ」(全20巻)と続けて刊行され、全ての話が収録されている。前述のようにセルDVDの発売が打ち切られている、Wiiの間は現在はサービス終了しているため、未収録の話については(再放送や有料放送を除けば)レンタルVHSで視聴するしかない。浜名湖パルパル(期間不明)と東京ドームシティおもちゃ王国で2008年9月20日から2009年1月12日までの期間中に世界初の4Dシアター(3D映像と劇場の椅子の振動を合わせて4Dとされる)「星のカービィ マジカルシアター」が公開されていた。おもちゃ王国は防犯のため小学生までしか入場できないことになっているが、終了する数日前にマジカルシアターを見るだけなら小学生以上でも入場が可能となっていた。また、カービィの声を務めている大本眞基子が終了数日前に来場し大本が描いたカービィのサインが飾られた。タイトルは『星のカービィ〜特別編〜倒せ!!甲殻魔獣エビゾウ』。カービィがデデデ大王にデリバリーシステムで注文された甲殻魔獣・エビゾウと戦う物語。全体のストーリーは番組中期と同じ雰囲気で、主要キャラクターの多くが再登場を果たしている。エビゾウ、およびコピー能力「カブキ」は歌舞伎役者市川海老蔵のパロディである。上映時間は8分11秒。2009年8月9日より、Wiiチャンネル『Wiiの間』でフルCG映像としてネット配信が開始された。また、2011年10月18日からニンテンドー3DSのニンテンドービデオで前編・後編に分けての期間限定配信がされていた。これにより3Dで視聴することが可能になった。
出典:wikipedia
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