鳥羽市営定期船(とばしえいていきせん)は、三重県鳥羽市で運航されている公営の定期航路である。鳥羽市本土の鳥羽港と伊勢湾口に浮かぶ4つの離島を結ぶ。鳥羽市の人口の2割に相当する4,500人の離島住民の生活を支える交通機関であるとともに、離島を訪問する観光客の主要な交通手段でもある。乗船客数は年間およそ100万人で、市営の定期航路としては日本一であるが、乗客の減少等により1億数千万円の赤字を生み出している。この記事において「鳥羽」とは中之郷桟橋(近鉄中之郷駅前)と佐田浜桟橋(JR・近鉄鳥羽駅前)を指すものとする。愛知県田原市の伊良湖岬から観光船の就航している神島を除き、鳥羽市の離島と本土結ぶ唯一の公共交通である。このため住民や観光客の足としてだけでなく、食料品、新聞、郵便物など生活必需品のほとんどがこの定期船で輸送される。かつては鳥羽 - 浦村・石鏡間の本土同士を結ぶ航路もあったが、現在は離島航路のみ運航している。航路の総称は「鳥羽 - 神島間航路」である。便数、航路は2010年4月現在。(各航路の便数に循環航路を含む)鳥羽発15便、坂手発16便鳥羽発8便、菅島発10便鳥羽と答志島西部の桃取町(ももとりちょう)を結ぶ航路。鳥羽発10便、桃取発10便鳥羽と答志島東部にある和具(わぐ)地区および答志地区を結ぶ航路。鳥羽発10便、答志発9便鳥羽発4便、神島発4便2009年(平成21年)より運航開始。鳥羽市営定期船は民間の定期船を起源とし、1891年(明治24年)に就航した鳥羽港と本浦港を結ぶ浦村航路が先駆けである。以降、相次いで個人経営による民間航路が就航、第二次世界大戦前後には企業の参入も始まった。以下にその路線を記述する。公営による定期船の最初の運航は、1934年(昭和9年)6月に鳥羽 - 小浜間に就航した「鳥羽町営小浜渡船」である。1950年(昭和25年)から鳥羽 - 坂手間が公営化され「鳥羽町営定期船」となり、翌1951年(昭和26年)8月16日に愛知商船から同航路を譲受し、鳥羽町の単独運航となった。1954年(昭和29年)11月1日、鳥羽町が周辺町村と合併して鳥羽市が発足したことに伴い、鳥羽町営定期船(坂手航路)と神島村営定期船(神島航路)が新市に移管、「鳥羽市営定期船」が開業した。(神島航路の免許が市に下りたのは翌1955年(昭和30年)1月28日で、正式運航は同年3月3日からである。)この後に市営化の流れが加速し、1957年(昭和32年)には答志航路(1月5日市営化、3月13日答和航運合資会社から移管)、菅島航路(4月1日沢田三郎・西村幸三から移管)、石鏡航路(9月1日市営化、10月14日木村春之助・河村喜之助から移管)が、1958年(昭和33年)2月14日には桃取航路と浦村航路が市に移管され、鳥羽と市内各地を結ぶすべての定期船の市営化が完了した。これを受けて鳥羽市は定期船の運航を担当する部署として「公企業課」を1957年(昭和32年)に設置し、業務内容を分かりやすく示すため1967年(昭和42年)「定期船課」に改称した。また鳥羽市や三重県が鳥羽港の埋め立てを実施し、定期船桟橋の整備が行われた。(詳細はこちらを参照。)昭和後期には航路の合理化が計られ、1969年(昭和44年)8月に浦村航路と石鏡航路を統合して「鏡浦航路」とした。航行経路は以下の通り。この航路は1973年(昭和48年)にパールロード(当時は有料道路、現在は無料)が開通し、路線バスが設定されたことにより役目を終えたとして1975年(昭和50年)4月に廃止された。1978年(昭和53年)には、離島航路5路線を「鳥羽 - 神島間航路」に再編した。これにより、一部の便で2つの島に寄港するものが登場したが、基本的には鳥羽と1つの島を結ぶ路線が主であった。離島の過疎化や少子高齢化の流れを受け、1980年度(昭和55年度)に記録した161万人をピークに乗客は減少の一途をたどり、2006年度(平成18年度)には94万人まで落ち込んだ。更に2008年(平成20年)の原油価格の高騰が追い討ちをかけ、経営を圧迫した。これに対し日本政府や三重県は多額の補助金を投入、鳥羽市も停泊中の船舶のアイドリングをやめるなどの対策をしているが、いまだに決定打となる解決策は見つかっていない。こうした中、三重県議会議員の木田久主一の働きかけもあり、三重県の補助を受けて2隻の高速艇が建造された。この2隻は一般公募によって「きらめき」・「かがやき」と名付けられ、前者は菅島・神島航路で、後者は答志・桃取・坂手航路で就航している。ほかにも2009年(平成21年)5月1日には観光客向けに離島間を循環する便を試験的に導入、2010年(平成22年)4月1日から2便の増便を決定した。また、三遠伊勢連絡道路(伊勢湾口道路)の早期着工・開通、離島架橋により定期船を廃止しすべきとの声もある。大人は1人、小人は0.5人で計算している。鳥羽市は2014年4月1日現在、以下の6隻を所有している。
出典:wikipedia
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