manaca(マナカ)は、エムアイシーと名古屋交通開発機構が発行し、名古屋鉄道(名鉄)・名鉄バス・名古屋市交通局・名古屋臨海高速鉄道・名古屋ガイドウェイバス・豊橋鉄道・愛知高速交通が発売する、サイバネ規格のICカード乗車券である。エムアイシーと名古屋交通開発機構の両者が商標権を所有(第5349678号ほか)している。なお、前者ではアルファベットで「manaca」、後者および名古屋市では片仮名で「マナカ」と表記しており、相互利用している他の交通事業者でも表記が分かれているが、本記事では原則として「manaca」に統一する。ソニーの非接触型ICカードFeliCaの技術を用いた乗車カードで、2011年2月11日にサービス開始を開始した。同日には記念の特別仕様のmanacaが各社局の主要駅で合計2万枚限定で販売され、日本時間午前7時の発売開始後、午前中までに全取扱駅で完売した。2012年3月末の発行枚数は約221万枚。名鉄の子会社である株式会社エムアイシー(旧・名鉄ICカード株式会社)と、名古屋市の出資する第三セクターである名古屋交通開発機構株式会社が発行する。エムアイシー発行のものは名鉄系の各社(名鉄・名鉄バス・豊橋鉄道)で、名古屋交通開発機構が発行したものは名古屋市が関与する各社局(名古屋市交通局・名古屋臨海高速鉄道・名古屋ガイドウェイバス)で発売されている。実質的には中京圏の磁気式ストアードフェアカードの共通利用システムであるトランパスのIC化であるが、SFパノラマカード(名鉄)・ユリカ(名古屋市交通局)・あおなみカード(名古屋臨海高速鉄道)と各社が別々の名称・仕様で発行していたトランパスと異なり、カードの呼び方・デザインはエムアイシー版と名古屋交通開発機構で同一である。ただし、一部のサービス等で一方のものでしか扱っていないものがある(後述)。名称は、「日本の真ん中」にある中京圏の公共交通機関が協力したことなどから来ており、「日本の真ん中をつなぎ、くらしの真ん中をつなぐICカード」をコンセプトとしている。なお、黄色くて丸いキャラクターが制定されており、券面にも描かれているが、名前は付けられていない。日本のICカード乗車券としては初めて、交通機関の利用金額や利用回数などに応じてポイントが付与される「マイレージポイント」採用した他、電子マネーとしてはエムアイシー発行版では加盟店での利用額に応じて付与される電子マネーポイント「μstarポイントサービス」を導入している。カード裏面右下に記載されている番号は「TP」(Trans Pass〈トランパス〉)で始まる。以下の種類が発売されている。特記なき限り、加盟事業者のうち鉄道駅にある自動券売機・窓口・定期券売り場やバスの営業所・案内所などで購入できる。名古屋市が交付している、敬老パス、福祉特別乗車券が9月1日から敬老パスが11月1日から福祉特別乗車券がそれぞれ、磁気カードからmanacaへ切り替わる。敬老パス、福祉特別乗車券は、市バス、地下鉄、メーグル(なごや観光ルートバス)、ゆとりーとライン(名古屋ガイドウェイバス)、が無料で乗る事ができる。名鉄、JRなども使用は可能であるが、通常運賃での利用となる。manaca導入事業者と利用可能エリアは以下の通り。いずれもサービス開始の2011年(平成23年)2月11日より利用可能となった。
以下は乗合の交通機関のみ記載する。他のICカード乗車券との相互利用については、まずJR東海のTOICAとの乗車券機能に関する相互利用及びIC連絡定期券の発売を2012年(平成24年)4月21日に開始した。2013年(平成25年)3月23日にはmanacaを含む日本全国のIC乗車カード10種の相互利用を開始した。その時点では、名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)、名古屋ガイドウェイバス(ゆとりーとライン)はこの「交通系ICカード全国相互利用」には加わらず、manaca、TOICAの他には個別に相互利用を結んだSuicaのみ相互利用を可能としたが、2016年3月12日よりあおなみ線・ゆとりーとラインも全国相互利用サービスに対応することとなった。また、同日より愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)にもmanacaが導入され(名古屋市交通局との連絡IC定期も発売開始)、同時に交通系ICカード全国相互利用サービスにも対応することとなった。これにより、manacaエリアの交通事業者は愛知環状鉄道・東海交通事業城北線を除いて交通系ICカード全国相互利用サービス対応事業者となった。2016年4月より、三重交通路線バス、(一部の路線を除いて)でも、三重交通ICカードシステムemica(エミカ)の導入に合わせて、利用可能になった。岐阜バスは独自のICカード乗車券ayucaを導入済みだが、システムの違いと利用者から強い要望がないために相互利用を見送っている。共同運行の高速名古屋線については岐阜バス便がayucaのみ、名鉄バス便がmanacaのみ利用できる形態になっている。なお、JR東日本のおサイフケータイ内蔵型IC乗車券「モバイルSuica」もICカード型Suicaと同じような利用が可能だが、モバイルSuicaはマイレージポイントや乗継割引が適用されず、オートチャージも使用できない(オンラインチャージまたはコンビニなどのタッチ型端末のある場所で行う必要がある)。おサイフケータイアプリ上での履歴の確認は、ログインしていればmanacaエリア内の駅は「TP◯◯◯」と表示され、ログインしない場合は全駅「****」で表示される。manacaでは乗車カードとしての利用に応じてポイントを付与するマイレージサービス「manacaマイレージポイント」を採用している。manacaのストアードフェア(現金チャージ分)を自動改札機またはバスの料金箱で利用した場合に、利用金額や利用回数に応じてポイントを翌月10日に付与する。ポイントのストアードフェアでの利用や自動券売機・自動精算機での利用、電子マネーとしての利用はmanacaマイレージポイント付与の対象とならない。ポイントの付与率は利用事業者によって異なる。また利用金額・利用回数の積算はトランパスの時と異なり利用事業者別に計算する。貯まったポイントは直接manacaには蓄積されず、センターシステムに記録されたポイントを移し替える作業(「還元」作業)が必要になる。還元の手続きはmanaca対応自動券売機、チャージ機、manaca取扱窓口にて行う。この作業を行うと、manacaにストアードフェアとして蓄積され、電車・バスの運賃として利用可能となる。manacaに現金チャージとポイントの両方のストアードフェアがある場合、先にポイント分のストアードフェアが消費される。2011年2月利用で、同年3月10日に還元されるべき約6.3億円分ポイントが還元されないまま3月末で失効する可能性が指摘され、その後利用者の還元が相次いだものの、結局1,100万円分のポイントが失効したと報じられた。鉄道での利用の場合、乗車駅で自動改札機のカード読み取り部にmanacaをタッチし、入場情報を記録させる。降車駅で同様に自動改札機のカード読み取り機にmanacaをタッチする際に、運賃が引き去られる。残高が足りない場合にはチャージ機でチャージを行うことができるが、簡易改札機が設置されている駅ではチャージ機が設置されていない場合がある。名鉄特急・ミュースカイの特別車を利用する場合にミューチケットとmanacaまたは相互利用ICカードは改札内で併用は可能である。manacaを対応の自動券売機に挿入することにより、ストアードフェアを利用して乗車券類が購入できる。ミューチケット、まる乗り1DAYフリーきっぷ等も購入可能だが、名古屋市交通局の一日乗車券やドニチエコきっぷはmanacaで購入できない。以下の組み合わせで90分以内(電車からの乗り継ぎは最初の駅の入場時から、バスからの乗り継ぎはバスでの精算時から)に直接乗り継ぎを行いmanacaのストアードフェアにより決済を行った場合には、乗り継ぎ後の乗車に対して80円(名鉄バス同士の場合は40円)を割り引く制度がある。これはトランパスで採用された乗継割引が引き継がれたものである。乗り継ぎは同一停留所・駅でなくてもいいが、間にほかの交通機関を挟みmanaca決済を行った場合は割引の対象とならない。manacaエリアでの共同利用駅で乗り換える場合は、連絡改札口がある場合とない場合で取扱いが異なる。名鉄広見線の新可児駅 - 御嵩駅間、蒲郡線の全線(吉良吉田駅 - 蒲郡駅間)は基本的にmanaca非対応である(manacaを使用しての直接の乗降が出来ない)が、manaca対応エリアの駅から乗車し非対応区間の駅で下車する場合(あるいはその逆)に限り、非対応区間との接続駅である新可児駅および吉良吉田駅の中間改札でmanacaの精算処理を行うことで実質的にmanacaの利用が可能である。
なお、この区間を含むmanaca定期券(名鉄線内および他社局との連絡定期券を含む)は発行しない。manacaの電子マネー機能については、2011年のサービス開始時点から一部の商業施設等でサービスを開始している。名古屋市交通局関連では駅売店や地下街など88店舗、名鉄関連では名鉄百貨店をはじめとする名鉄グループの商業施設、名鉄駅周辺の名鉄協商パーキングの一部、愛知県内のココストアの一部、名古屋市内でアトムの運営する飲食店(甘太郎など)、名鉄構内の自動販売機・コインロッカーなどが2011年2月のサービス開始当初から、追って3月から愛知県内のサークルKおよびサンクス約1,040店舗と愛知県内のファミリーマート約130店舗でもサービスを開始し、計1,400施設規模でスタートしている。その他の大手商業施設等では、2013年3月23日の交通系ICカード相互利用サービス開始時に使用可能となった施設が多く、セブン-イレブン、ローソン、デイリーヤマザキ、イオングループ(ミニストップ含む)などがこれに該当するほか、愛知県外のサークルKサンクス、ファミリーマートでもこのときに使用可能となっている。また、2013年4月1日にはビックカメラ名古屋駅西店に導入したほか、中京圏を地場とするユニーグループ(アピタ・ピアゴ・ユーホーム)では2013年5月11日よりmanacaやTOICA、Suica、ICOCAを地域別に順次導入し同時期に実施の相互利用により9種の交通系電子マネーが利用可能になった。2014年7月22日からWii Uの支払い決済に、他の交通系電子マネーと共に利用できるようになった。
2015年3月14日から東海道・山陽新幹線の「のぞみ・ひかり・さくら・みずほ」の車内販売の決済で使用可能になった(「こだま」は車内販売の営業がない)。エムアイシー発行の記名式manaca(manaca定期券を含む)には、サービス開始当初から電子マネー利用に対するポイントサービス「名鉄たまルン」を導入した。これは、manaca電子マネー加盟店かつ、「名鉄たまルンポイントサービス」加盟店で、manacaを使用して買い物をした場合に一定額(おおむね200円)ごとに1ポイント付与されるポイントサービスで、貯まったポイントはWebサイトで申し込むことにより郵送で到着した「チャージ券」を取扱窓口へ持っていくことで1,000ポイント単位でmanacaにチャージできる、というものであった。2011年4月1日からはANAマイルポイントと「名鉄たまルン」ポイントの相互交換が開始された。2014年3月17日より、同年から募集開始した名鉄グループのクレジットカードである「MEITETSU μ's Card」(名鉄ミューズカード、三菱UFJニコス発行)のショッピングポイントサービスと統合し、サービス名を「μstarポイントサービス」に変更。クレジットチャージに対応を始めたほか、名古屋鉄道の主要駅や商業施設に設置されたμstar stationでmanacaへの直接ポイント交換が可能となり(従来のチャージ券の交換チャージも可能)、ポイントの有効期限も「利用月の翌年度3月末日まで」から「最終ポイント付与日または利用日の翌年同月末日まで(利用間隔が1年以上空かない限り実質無制限)」になった。なお、「μstarポイントサービス」が利用可能なのはエムアイシー発行の記名式manacaに限られ、名古屋交通開発機構が発行したmanacaには記名式であっても「μstarポイントサービス」を利用できない。両備グループおよび岡山高島屋で利用されているポイントサービス「たまルン」とは関連性はない。2013年1月9日より、南山大学付属小学校でmanacaを利用して児童の登下校を保護者の携帯電話にメールで知らせる名古屋みまもりタッチというサービスが始まった。今後他の学校にも拡大する予定。福岡市交通局が既に導入しているサービスに似ているが、名古屋みまもりタッチには年間「3,600円+消費税」の利用料金が掛かる。中京圏の鉄道・バス事業者においては、接触型の磁気カードシステムであるトランパス(SFパノラマカード、ユリカなど)や名鉄バスカードが導入されている。また、名古屋ガイドウェイバスでは自社カードであるゆとりーとカード(自社専用でトランパス非対応・ユリカは共通利用)が導入されている。名古屋鉄道や名古屋市交通局などのトランパス導入事業者はトランパスIC協議会を組織し、共通利用を前提として、トランパスに代わる新たなICカード乗車システムの導入の検討を始めた。新システムにはトランパスICという仮称が付けられた。導入目標年次を2010年度までとし、対象券種をSFカードおよび定期券とした。名鉄は2007年4月19日にICカード取り扱いの新会社名鉄ICカード(現・エムアイシー)を設立し、名古屋市交通局も同年6月5日にICカード事業の運営会社として名古屋交通開発機構を指定した。また、システム構築は日立製作所が担当することとなった。2011年現在、耐用年数を経過した自動改札機や自動券売機・自動精算機を順次ICカード対応の機器に更新しているほか、ICカード乗車券システム及びICカードセンターシステムについて、9社・局の参加を予定して共同開発が進められている。2010年3月21日、名古屋市交通局主催の市バス開業80周年感謝祭にて、ICカード乗車券の体験会が行われた。そして同年4月16日、カードの名称とデザインが決定したことが発表された。manaca導入に伴い、各種トランパスカード・地下鉄1区特別きっぷ・名鉄バスカード・ゆとりーとカードは2011年2月10日で新規発行を終了した。その後1年間はトランパス・名鉄バスカード・ゆとりーとカードとmanacaの両方を使うことができたが、2012年2月29日にはトランパス・地下鉄1区特別きっぷ・名鉄バスカード及びゆとりーとカードが利用終了となった。また、名古屋市交通局では磁気定期券の発行を終了し、すべてマナカ定期券として発行することとした。さらに、名古屋鉄道が発行する名古屋市交通局との連絡定期券についても、2011年9月1日以降はmanaca定期券でのみの発売となった。その他に、名古屋鉄道が発行する回数乗車券についても、2012年2月29日をもって発売を終了し、現在は、「なごや特割30」、「なごや特割2平日・なごや特割2土休日(名古屋・金山‐豊橋のみ)」、「特殊回数券(特殊割引)」および「蒲郡線 回数きっぷ10・広見線 回数きっぷ10(吉良吉田‐蒲郡間・新可児‐御嵩間の各駅相互間のみ)」、「回数ミューチケット」・「時差・土休回数ミューチケット」が発売されている。名古屋市が発行している敬老パスや名古屋市交通局が発行している福祉特別乗車券については2016年度のmanaca移行を計画しており、敬老パスについては2016年9月以降の誕生日到来者ごとに順次開始、また福祉特別乗車券については2016年11月より開始される。2017年度には名古屋市営地下鉄においてクレジット一体型manacaによるオートチャージの導入が予定されている(その他の加入事業者の動向については不明)。2017年夏ごろに東海道新幹線・山陽新幹線(東京-博多間)でmanacaで乗車するシステムを導入、ただし新幹線はSFではなくネット予約・クレジットカード決済をになる。従来のエクスプレス予約の会員でなくても利用でき、EX-ICと同様な利用方法になる。
出典:wikipedia
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