iD PHOTO(アイディーフォト)は記録容量730MB、直径50mmの小型光磁気ディスク。オリンパス光学工業、三洋電機、日立マクセルの3社が共同で開発し、1999年に発表した。デジタルカメラ用の記録媒体として三洋電機のiD-Shot(IDC-1000Z)に採用され、実売されたが普及に至らず、後継機種や新規採用商品も販売されなかったため、市場から姿を消した。iD PHOTOは当時の光磁気関連技術の粋を集めたものといえる。AS-MO(Advanced Storage Magnet Optical)の技術をベースに、デジタルカメラ向けに小型化したメディアとそれを納めるカートリッジ、メディアの論理フォーマット、記録するファイルフォーマットをまとめた規格で、デジタルカメラ用の大容量メディアとして注目された。メディアは、120mmのAS-MOに対し50.8mmと小型化されており、カートリッジを含めたサイズも、MDよりもさらにコンパクト(Clik!と同程度)なものであった。記録方式は、磁界変調方式(MFM~Magnetic Field Modulation)で、トラックピッチやビット長もAS-MOに準拠。小型でありながら、730MBの大容量を実現している。メディアのフォーマットには、DVDにも使われているUDF(Universal Disk Format)を採用。DCF(Design rule for Camera File system)準拠のディレクトリ(フォルダ)構造と、静止画(JPEG、DCF準拠)、音声(Exif2準拠)、動画(QuickTime準拠)の各ファイルフォーマットが規定されている。2001年当時の半導体メモリはコンパクトフラッシュなどで容量が小さく、高価であったため730MBで2000円程度というiD-PHOTOディスクのメガ当たりの単価は半導体メモリーより2桁低いと考えられ、充分な競争力を持っていると思われた。しかしながら、半導体メモリーの大容量化や、PCとの親和性の向上、大幅な価格下落により容量・コストのメリットが薄れ、さらにデジカメの高画素競争により、対応商品であるiD-shotの150万画素のスペックでは競争力を有することができなかった。光磁気ディスクを採用しており、書き換え型である。日立マクセルが製造した。その後、三洋電機のデジカメは半導体メモリーを採用し、OEMを中心に製造シェアを拡大。自社ブランドでも動画デジカメXactiを展開し、大きな成功を収める。三洋電機のH.22のデジカメ部門売り上げは約1500億に達している。この成功の背景には開発当時に圧倒的な大容量を持ったiD PHOTOディスクをデジカメに採用したことにより、高画質動画デジカメに関する開発が先行したが挙げられている。
出典:wikipedia
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