ファビアWRC(ファビアダブリューアールシー、Škoda Fabia World Rallycar)は、世界ラリー選手権(WRC)に出場するためにシュコダが製作した競技専用車である。シュコダ・オクタビアWRCの後継として2003年第8戦ドイツでデビュー。初戦はトニ・ガルデマイスターとディディエ・オリオールによりドライブされるが、両者ともメカニカルトラブルでリタイア。第10戦オーストラリアは11位、12位で完走。ベースとなる市販車はWRカー規定の全長4メートルに満たないため、プジョー206WRCと同じく大型のバンパーを装着して規定をクリアしている。エンジンはオクタビアWRCから引き継いだリーマン・チューンの5バルブ ヘッドを持つフォルクスワーゲン製。最高出力は300bhp/5,500rpm、最大トルクは600Nm/3,500rpm。6速シーケンシャル・ギアボックスはX-trac製とカールソン製の2種類がホモロゲを受け、デビュー戦では前者をオリオール、後者をガルデマイスター用と使い分けていたが、第9戦フィンランドからはX-trac製に統一している。後にパドルシフトを採用。ディファレンシャルはフロント・リアともパッシブ、センターデフはハングオンクラッチ。04モデルからトリプルアクティブデフに変更される。サスペンションは前後ともマクファーソン・ストラット。04モデルのショックはレイガー製。車体サイズは4,002×1,770ミリ、ホイールベースは2,642ミリ。車重はWRカーミニマムの1,230kg。2003年中盤から参戦したファビアWRCは予算・開発不足を露呈し、7戦出場でドライバーズポイントは0点、マニュファクチュアラーポイントは3点という、完走するのが精一杯という状況であった。2004年はさらに予算が削減されてしまい、ヨーロッパラウンドのみの限定参戦となった。エンジンチューナーがリーマンからアウディ・シュポルトに代わり、チェコ側が主体であった開発がアウディ寄りになっていく。ディファレンシャルもトリプルアクティブデフへと変更され、2004年のトレンドとなるスペックを得た。フィンランドでは3台目のファビアをスポット起用のヤニ・パーソネンが6位、ドイツでガルデマイスターが7位、ツール・ド・コルスでアルミン・シュバルツが8位とわずかずつながらパフォーマンスを向上していった。04年は特例のヴァリアントオプションで排気系の変更、ウォーターインジェクションの追加など、細かいファインチューンを重ね、05年はフル参戦に復帰。ドライバーはアルミン・シュバルツとヤンネ・トゥオヒノ、ヤニ・パーソネン、アレックス・ベンゲ、ミッコ・ヒルボネンをイベントによって使い分けている。エアロダイナミクスはアウディの実験施設を利用して改善され、ターボチャージャーや排気系、ECUも変更。中盤から6速トランスミッションが5速に変更されている。2005年第3戦から05スペックマシンがデビューし、パフォーマンスの向上はみられたものの、ベストリザルトはツール・ド・コルスでベンゲが刻んだ6位にとどまる。しかし最終戦オーストラリアではコリン・マクレーがステアリングを握り、3つのSSを残しエンジントラブルでリタイアするものの、終盤まで三菱のハリ・ロバンペラと数秒差の白熱した2位争いを演じ、世界中のWRCファンを熱狂させた。ラリージャパンでは初めてワークスとして日本の地を踏み、ほとんど輸入されていないため滅多に見ることのできないシュコダ車が走ることも話題になった。シュコダチームが日本のファンのために、ファビアの車体にカタカナで「シュコダ」と描いたが、「ダ」の濁点が3つになっていた。06年はレッドブルがスポンサーに付き、アルミン・シュバルツがチームをコーディネート。車体のカラーリングも一新した。ドライバーはチェコのアンドレアス・エイグナーがメインとなり、ジル・パニッツィ、ハリ・ロバンペラ、マティアス・エクストロームもチームに加わった。レッドブル以外ではフランソワ・デュバルがベルギーのファースト・モータースポーツのスポンサードを受けて出場。またヤン・コペッキーも自身のチームでプライベート・ファビアを駆り出場している。しかしスペインでコペッキーが5位、デュバルが6位に入賞した程度の成績しか残せず、マシンのパフォーマンスに不満の高まっていたパニッツィは第5戦ツール・ド・コルス直前にチームを離脱。急遽ロバンペラが代役を務めることになるなどの混乱もあり、06年も成績は低迷した。06年はレギュレーションの変更により、前年にドライバーズランキングで上位だったドライバーはアクティブデフなどを使えなくなったため、パニッツィ、ロバンペラ、デュバルはパッシブデフ仕様のマシンでの出場となり、成績不振につながった。しかしモンテカルロやカタルニアではデュバルがSSベストを刻むなど気を吐いている。2007年はシュコダチームがWRCより撤退、次期ファビアはS2000マシンとして開発されることになった。
出典:wikipedia
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