東武6050系電車(とうぶ6050けいでんしゃ)は、1985年(昭和60年)に6000系の車体更新によって登場した、東武鉄道の2ドアセミクロスシートの電車。伊勢崎線・日光線の快速・区間快速と一部の区間急行・普通で運用される。1991年までは有料の快速急行にも使用されていた。本項では、スカイツリートレインの愛称を持つ634型電車、野岩鉄道・会津鉄道が所有する同型車である野岩鉄道6050系電車(100番台)および会津鉄道6050系電車(200番台)についても併せて記述する。また、個々の編成を表す場合は634型を除き、浅草方先頭車の車両番号の末尾に「F」(「編成」を意味する英語Formationの頭文字)を付して表記する。6000系の車体更新によって、1985年10月から翌1986年10月にかけて2両編成(モハ6150形 (Mc) - クハ6250形 (Tc))22本の計44両が登場した。更新途上において運用車両が不足することから1編成 (61101F) が完全新造され、後に野岩鉄道に譲渡された。その後1988年には完全新造車が7編成14両増備され、2012年には2編成が634系に改造されたことから、2012年10月現在27編成54両が在籍する。全長は20 mで、両開き式ドアを前後2か所に備える。前面は大型ガラスを使用した三面折妻構造で、窓周りをくぼませ(いわゆる「額縁」スタイル)、貫通扉の上に急行灯を装着する。なお、この前面のデザインは、細部の差異はあるが、8000系の1987年度以降の更新修繕車に、また排障器を省略して10030系に採用されている。塗色は、ジャスミンホワイトを基調に前面はパープルルビーレッド、側面はパープルルビーレッド2本とサニーコーラルオレンジのラインを巻いている。後にこの車両塗色は塗り分けこそ異なるが100系「スペーシア」(1990年 - 2012年のオリジナルカラー)、300・350系にも採用され、日光方面優等系車両のイメージカラーとなる。2011年頃に転落防止用幌がモハ6150形とクハ6250形の連結面に設けられた。座席配置はドア間固定クロスシート、車端・戸袋部ロングシートのセミクロスシートとした。ボックスシートは座席間隔(シートピッチ)が6000系の1,480 mmから1,525 mmに拡大された。また、折り畳み式テーブルを設置している。車内の乗務員室側の妻面上部の中央には、分割運転時の誤乗防止のため、行先表示器を設置している。また長距離運用が前提のため、クハ6250形にトイレを設置している。客室側窓は一枚下降式を採用している。また、蛍光灯にはカバーが取り付けられている。冷房の冷気吹き出し口はラインフロー式で、扉部分には補助送風機も設置してある。車内保温のためのドアカット機能(連結面寄のみ)はあるが、西武鉄道4000系のような開閉ボタン機能は装備していない。更新に際して6000系より主電動機・台車・抵抗器・電動空気圧縮機 (CP) などを流用しているが、制御器等の主要機器は新製されている。ただし、制御シーケンスやブレーキシステムの仕様は6000系とほぼ同一であり、更新途上においては両系列の併結運転も行われた。制御器は電動カム軸式の日立製作所製MMC-HTB-10Lである。6000系が搭載したMMC-HTB-10Dと制御段数およびシーケンスは同一で主電動機4個永久直列回路構成であるが、野岩鉄道乗り入れを考慮して耐寒耐雪設計とされたほか、無接点制御方式を取り入れメンテナンス軽減を図っている。電動発電機 (MG) も冷房装置が搭載されたことからブラシレス式の大容量のものが新製され、容量75 kVAのCLG-703をクハ6250形に搭載する。1996年には、増解結時の省力化を図る目的で自動連結器から電気連結器付き密着連結器への交換が行われた。その後、2001年3月28日のダイヤ改正より日光線普通列車でも運用されることとなり、5編成に霜取り用パンタグラフが搭載された。一部の電動台車には当初から撒砂装置が設けられている。6050系の完全新造車は、前述の通り1985年に100番台1編成 (61101F) が製造されたことに始まる。1986年には61102Fが新造され、野岩鉄道開業に合わせて2編成とも同社へ譲渡された。新造車と更新車の大きな相違点は、台車が更新車の住友金属工業製ミンデンドイツ型FS357・057(東武形式TRS-63M・63T)に対して、住友製SUミンデン型に変更されたことである。当初は、メンテナンスの関係からFS357・057が採用される予定だったが、メーカー側の製造上の問題によりSUミンデン型が採用された。1988年には、1986年の開業時から予想以上の人気で混雑し、定期快速列車用の6050系に加えて臨時快速列車として8000系を追加投入し、会津高原駅(現:会津高原尾瀬口駅)まで直通運転していた野岩鉄道会津鬼怒川線の状況を解消するため、また会津鉄道会津線の会津田島電化開業に備えるため、完全新造車が7本(および野岩鉄道車1本)製造され追加投入された。その後1990年には同年10月12日の会津田島電化開業用として会津鉄道車6050系200番台1編成 (61201F) が製造された。これは会津鉄道が所有する唯一の電車である。野岩鉄道・会津鉄道所属の本系列は書類上は東武鉄道からの譲受とされている。これは各鉄道会社ごとの新造車の扱いにすると、たとえ同一図面で設計されたものであっても各社ごとの形式取得などの許認可手続きが必要となり、このための費用も発生することから形式的にまず東武車として籍を入れた後に改めて譲受することで、手続きの簡略化やコストダウンを図ったものである。なお東武60000系電車の登場により、60000番台が当系列と重複することになるが、2016年現在では車両番号そのものの重複は発生していない。野岩鉄道・会津鉄道の所有車両も運用上の区別はされておらず、3社の保有車両が南栗橋車両管区新栃木出張所に配置され、完全に共通運用されている。2012年現在は、伊勢崎線・日光線・鬼怒川線・野岩鉄道会津鬼怒川線・会津鉄道会津線を直通する快速・区間快速を中心に充当されており、下今市で東武日光/会津田島方面列車の連結・切り離し作業が行われる。その他にも、日光線(栃木 - 東武日光間)・鬼怒川線の普通列車や、下今市で特急に連絡する特急連絡列車、さらには出・入庫の関係から早朝・深夜の浅草 - 新栃木間区間急行、野田線(東武アーバンパークライン)と伊勢崎線(東武スカイツリーライン)を結ぶ臨時快速にも使用される。東武634型電車(とうぶむさしけいでんしゃ)は、6050系のうち6177Fと6178Fを総合車両製作所横浜事業所で改造され、車内の高床化やトイレ・腰掛のバリアフリー対応化を行い、展望窓を設置した観光用車両である(種車の2編成は東急車輛製造で製造)。愛称は「スカイツリートレイン」。文献によっては東武634形や東武634系の記述も見られる。形式名の「634」は東京スカイツリーの高さ634 mにちなんでいる。。通常は2編成併結の4連で運転されている。車体構造は6050系時代と同じであるが、外観塗装は白をベースに634-11編成が「青空」をイメージした青系、634-12編成が「朝焼け」をイメージした赤系の水玉模様と東京スカイツリーのデザインに変更された。水玉模様は地上で放たれた風船が、スカイツリーを中心として沿うように舞いあがる様子をイメージしている。前面部の行先表示器・列車種別表示器と側面の行先表示器については,改造に際して東武の優等列車としては初のフルカラーLED式に取り替えられた。客室の側窓はスカイツリーの眺望を考慮して、既存の側窓の上部に曲面ガラスを用いた天井窓を追加設置している。スカイツリーの眺望を考慮して、腰掛設置の床面が出入台・通路に対して150mm高くした高床式に改造された。腰掛はフリースペースを除き、改造車種である6050系のセミクロスシートからリクライニングシートに変更されており、モハ634-01形が山側は窓側を向いたペアスイート席・海側は1列配置のシングル席になっている一方、クハ634-02形は1列配置のシングル席(山側)と2列配置のツイン席(海側)の組み合わせに変更された。ペアスイート席以外は回転(前後方向のみ)も可能で、1人旅から2~4人の組み合わせに対応している。出入口は1両当たり片側2か所だったが、改造により運転室背後にサロン席や荷物棚を配置したため運転席寄りの出入り口2か所が撤去された。また、1編成に1か所存在するトイレのバリアフリー化に伴い、トイレ近くの出入り口が移設されている。車内照明が蛍光灯からLED照明に変更され、通路上の天井には1両あたり2か所の液晶式の車内案内表示装置を設置した。Mc車のイベントステージには収納式のAVカラオケ設備を設置しており、使用時にはステージに引き出して使用する。天井にはステージを撮影する専用カメラを設けられており、1両あたり2か所の32インチモニターや専用スピーカーを使って各車に配信することが出来る。外観塗装と同じく、腰掛モケットをそれぞれ青系・赤系で区別し、東京スカイツリーのマスコットキャラクターのソラカラちゃん・テッペンペン・スコブルブルのシルエット柄を採用している。
室内の座席配置変更に伴い、従来セミクロスシートの脚台に配置していた機器やAV関連機器を高床や荷物置き場・バックヤードの床中に設置し、腰掛部のヒーターについて、はリクライニングシート脚台に550W(2人掛用)・250W(1人掛用)のヒーターを設置したほか、販売カウンターや荷物置場にも温風ヒータを設置して、冬期や山間部での運用に備えている。編成は浅草側からモハ634-11・21とクハ634-12・22となっている。6050系時代の番号との新旧対照は次の通り。
出典:wikipedia
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