ベルトランド・マリア・ジョゼ・ピオ・ジャヌアリオ・ミゲル・ガブリエル・ハファエル・ゴンザーガ・デ・オルレアンス・イ・ブラガンサ・イ・ヴィッテルスバシュ（ポルトガル語:, 1941年2月2日 - ）は、ヴァッソラス系ブラジル帝室の一員。現在のヴァソウラス系ブラジル帝位請求者ルイス・ガスタンの弟で、その推定相続人。帝政支持者たちからはブラジル皇太子と見なされている。ブラジル帝室家長ペドロ・エンリケと、その妻でバイエルン王ルートヴィヒ3世の孫娘であるマリア・エリーザベトとの間の三男として、フランスで生まれた。ベルトランドの出生時、ブラジル共和国政府によるブラジル皇帝一族に対する追放処分は解除されていたが、ペドロ・エンリケ一家がブラジルに帰還したのは第2次世界大戦後のことであった。ヴァソウラス系ブラジル帝室は最初にリオ・デ・ジャネイロ州、次いでパラナ州に居を構え、ベルトランドはそれらの地域で成長した。ベルトランドはサンパウロ大学に入学し、1964年に法学の学位を取得した。彼は現在もサンパウロに住んでいる。次兄エウデスは1966年に平民との貴賤結婚に際して継承権を放棄したため、現在はベルトランドが家長である長兄ルイス・ガスタンの相続人となっている。ベルトランドも長兄ルイス・ガスタンも未婚で子供がないため、二人の死後はもう一人の弟で、兄弟の中でただ一人対等結婚をしたアントニオ・ジョアンとその子孫が名目上の帝位を受け継ぐ予定である。伝統的カトリック教徒として、南米では極右と目されているカトリック団体「伝統・家族・財産を守るアメリカ人協会（TFP）」に所属している。帝政支持者らはこれを危惧し、ルイスを廃帝、ベルトランドを廃嫡し、アントニオ・ジョアンを帝位に、と望んでいたが、所詮名目上の帝位であるし兄達を遠ざけたくない、と兄達を退けて相続することを断っている。ベルトランドと兄ルイス・ガスタンはブラジルにおける帝政復活支持を広げる活動を展開している。兄弟は1889年にブラジル帝国が崩壊して以来、これまでで唯一の帝政復古の機会であった1993年のブラジル国民投票を実現させるに当たり、中心的な役割を果たした。この国民投票において、ブラジル人たちは統治形態として大統領制と議院内閣制のどちらをとるか、また国制として共和制か立憲君主制のどちらをとるか、を選ぶことになった。帝政支持票は期待したほど獲得できず13%に止まり、帝政復古は成らなかった。

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