チベット民族(チベットみんぞく、)、蔵族(ぞうぞく)は、ユーラシア大陸中央部のチベット高原上に分布する民族。チベット語を話す。人種的にはモンゴロイドに属する。チベット民族はチベット高原一体に分布し、シナ・チベット語族チベット・ビルマ語派のチベット語を用いる。7世紀、国王ソンツェンガムポの命によってインドに派遣されたトンミ・サムボータによって作られたという伝承を持つ独自の表音文字(チベット文字)を持つ。チベット語では「プーリー」 (bod rigs) と自称する。 「プー」はチベット、「リー」は種族、民族の意。現在「チベット民族=プーリー」は、包含する内実が相違する二つの用法で用いられている。 本記事では2.の用法、すなわち狭義のチベット民族について記述する。1.広義のチベット民族についてはチベット系民族を参照。この民族の分布地域の面積・人口とも、大部分が中国の統治下におかれている。政治・文化の中心ヤルンツァンポ河流域は、現在、中国が設置した行政単位「西蔵」地方の中枢を占める。人口は、中国で5,416,021人、亡命チベット人約15万人など、約600万人。中華人民共和国の弾圧政策により約1/5の人口を失ったとされる。チベット自治区には241万人、青海省には113万人、甘粛省には36万人、四川省には122万人、雲南省には13万人いると言われている。ブータンにおいてはチベット語に近縁なゾンカ語を母語とする(Ngalong)が人口の筆頭を占めるが、狭義のチベット民族(蔵族)は数千人に過ぎない。チベット語を話す。通常、チベット語はウ・ツァンチベット語、アムド・チベット語、カム・チベット語の3語を指す。ラサ方言は標準チベット語と言われる。宗教としては大多数が、8世紀に国教と定められたチベット仏教の信者であるが、近年では世俗化が進んでいる。またボン教やイスラームの信者もいる。Y染色体のDNA塩基配列の国際的分類法(YCC2002)によるAからRまでの18種の大分類のうち、Alu配列と呼ばれる約300個の特定の塩基配列(YAP+因子)を持つのはハプログループDとハプログループEのみであり、DグループとEグループはおよそ6万年前に分化した兄弟グループである。そのうち、ハプログループDが相当な頻度で存在するのは日本とチベットおよびアンダマン諸島のみである(日本では32%前後、沖縄では55%前後、アイヌでは88%前後、チベットでは約30~50%、アンダマン諸島南部では100%)。つまり、Y染色体にAlu配列(YAP+因子)を持つ者が相当頻度で存在する地域は、アジアではチベット(D1a)と日本(D1b)、アンダマン諸島(D*)のみであり、日本人のY染色体の30~40%については、DNA塩基配列が近縁関係にあるものは周辺国等になく、チベット、アンダマン諸島のY染色体と近縁関係にある。またチベット人からはD系統とE系統の祖形DEから直接分岐したDE*もわずかに観察されている。DE*は他にはアフリカでしか見出されていない非常に珍しいタイプである。なお、ヒトは、酸素の薄い環境ではヘモグロビンの量を増加させる遺伝子を持っている。しかし、ヘモグロビンが増えすぎると、高血圧症や、新生児の低体重および死亡の原因となる。しかし、チベット人は、ヘモグロビンの生産量を抑制するようにEPAS1が変異しているとされ、これはデニソワ人と交配した際に獲得したとの説がある。これにより、チベット人は高地での生活に適応したとされる。5世紀頃からホタン方面から入ってきた遊牧民の政権が王国を建設した。トルコ語やモンゴル語ではトベットとよび、漢文では吐蕃と記される。7世紀頃に盛強となる。その後も異民族による直接支配を受けたことがなく、16世紀にはダライ・ラマ政権が成立した。1950年に中華人民共和国に侵攻され、1959年にはチベット政府が解散させられて中国による直接支配を受けている。現在は独立国家としてブータン王国を持っているが、他の地域では支配を受けている。特に中国支配下のチベット本土においては自治拡大を主張している。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。