ハーコン・シグルザルソン（ホーコン・シグルツソンとも。、。"Haakon II Sigurdsson Jarl"とも。935年ごろ − 995年）は、およそ975年から995年にかけてノルウェーの最高の統治者であった。しばしば〈権勢ある〉とあだ名された。日本語表記としては他に、ハーコン・シグルズソン、ハーコン大公、ヤルル・ハーコン、ヤール・ホーコン、ホーコン・シーグルドソン・ラーデヤールとも。ハーコンは、の（侯）のシグルズ()の息子であった。10世紀のノルウェーの〈剽窃詩人〉エイヴィンド（エイヴィンド・フィンソン。）は、その詩『』において、彼が仕えていたハーコンが、オーディンの息子の神聖な血統につながる家系だと謡っている。父親が961年にの一味に殺されたあと、ハーコンはヤールになった。ハーコンはしばらくの間ハラルド灰衣王と戦い、その後デンマークとハーラル青歯王の元に逃れざるを得なくなった。デンマークではハーコンは、ハラルド灰衣王と対立していたハーラル青歯王に協力した。ハラルド灰衣王は970年に殺された。この後に、ハーコン侯は、ハーラル青歯王の家臣()としてノルウェーを統治した。しかしハーコンは事実上独立した統治者であった。ハーラル青歯王のため、ハーコンはを攻撃し、そこの支配者のを殺害した。ハーコンは、古い北欧の神々の断固たる信奉者であった。そして、ハーラル青歯王が975年ごろにハーコンをキリスト教徒にしようとしたとき、ハーコンはデンマークに対する自身の忠誠を破った。986年のの際には、デンマーク王スヴェン双叉髭王の依頼を受けた、首領シグヴァルディ率いるヨムスヴァイキングがノルウェーに侵攻してきたため、ハーコンは息子のエイリークと共にこれを迎え撃った。当初はノルウェー側が劣勢であったが、ハーコンが息子のエルリングを守護女神であるトルゲルドとイルパ()に捧げたところ、雹の嵐が起こり、ヴァイキング達は撤収した。ハーコンは数十人のヴァイキングを捕らえて処刑した。戦いはハーコン側の勝利となった。やがてハーコンは、若い女性を支配地域の各地から集めては夜を共に過ごして帰宅させるなど、性的に不道徳な行動をみせるようになった。そのため農民達の怒りや反感を買っていったとされている。このことについては、キリスト教徒である人々が異教徒であるハーコンを悪役に仕立てるため創作したエピソードと考えている。995年、ハラルド美髪王の子孫として現れたオーラヴ・トリュッグヴァソンを担いだの人々と、ハーコンとの間に争いが起こった。ハーコンはたちまちすべての支持者を失い、の農場にある豚小屋の中に隠れていた間に、彼自身の奴隷であり友人であるカルク()によって殺された。ハーコンの2人の息子、エイリークとスヴェン、そして数人の仲間が、スウェーデンの王オーロフの元に逃れた。なお『ハルフレズのサガ』によれば、詩人のハルフレズは侯のために賛歌()をつくったことがある。ハーコンはこの詩を非常に喜び、ハルフレズにすばらしい斧を贈り、彼を冬の間自分の元に滞在させている。

出典:wikipedia