


『STAR DRIVER 輝きのタクト』(スター ドライバー かがやきのタクト)は、2010年10月3日から2011年4月3日までMBS・TBS系列にて放送されたボンズ制作の日本のテレビアニメ。略称は『スタドラ』。本作は毎日放送制作日曜夕方5時枠、通称「日5」枠初となる完全オリジナル作品である。監督の五十嵐とシリーズ構成の榎戸、そしてアニメーション制作のボンズのチームは『桜蘭高校ホスト部』で高い評価を得たが、今回は学園ものにロボットの要素も取り入れられた「学園ロボットもの」を手がける。企画の初期段階から「学園ロボットもの」というアイデアは決まっていたが、これは若者のドラマを描くのに学園ものが一番適していることに加え、シリーズ構成の榎戸が手掛けた『少女革命ウテナ』に監督の五十嵐が携わっていたことや、『桜蘭高校ホスト部』で五十嵐と榎戸が監督とシリーズ構成として組んだことから、学園ものは得意技でもあるという自負によるものである。また、単なる日常学園ものでは新鮮味がないが、完全なファンタジーのロボットものもしっくりこないので、2つを融合させた「学園ロボットもの」にすることで今までにないバランスの作品をやれるかもしれないという榎戸の考えもあった。学園ものには恋愛模様も必須という考えから、作品全編に渡って「キス」がフィーチャーされている。「学園もの」と「ロボットもの」を分離させないことが当初の課題であったが、そのために本作では多くのキャラクターが「表の顔」と「裏の顔」という多重性を持っている。この多重性は学園生活とロボットバトルを同じキャラクターで繰り広げた方が軸がぶれず物語の一体感が生まれるだろうという考えによるもので、「学園ロボットもの」というジャンルに挑む際の考え方の根幹にもなっている。主人公のタクトは、唯一ひとつの人格を貫き通す存在である。企画初期の時点では「銀河美少年」という仮タイトルであったが、この言葉は榎戸が考案したもので、これから連想されるさまざまなモチーフが作品世界の中に散りばめられて作品世界を構築している。「キラキラしたロボットアニメ」をイメージして生まれたこの言葉には『鉄腕アトム』など黎明期の「古き良きアニメのキラキラ感」を今の作品として提示したいという思いが込められており、この言葉を考えた時にアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの『星の王子さま』が思い浮かんだことから、「アプリボワゼ」を筆頭に作中のさまざまなネーミングのモチーフとなっている。銀河美少年とは何かという問いは物語のスタートであり、物語の根幹をなすものである。放送中に過去の日5作品同様にデータ連動放送が行われているが、あらすじやキャラクター紹介を閲覧することが可能になっているほか、本作独自にスタンプラリーが行われており、3話見ることで階級が1つ上がり、QRコードから携帯電話用のオリジナル待ち受け画像がもらえる仕組みになっていた。ただし、視聴ポイントのシーンが存在するため、そこまで見ていないと1話分を見たことにならない。なお、第1話のみ1回で階級が上がり、携帯電話用の待ち受け画像がもらえた。テレビアニメ放送開始に先駆け、『ヤングガンガン』で2010年18号よりコミカライズ版も連載された。作画はKEY by Youn Story labが担当する。ストーリーはアニメに沿ったものとなっている。テレビ放送終了後の2012年1月30日には、MBSの竹田青滋プロデューサーがデジタルハリウッド大学で開かれた講演にて、「映画化の作業が進行中」と発言した。その後、2012年9月に劇場版『スタードライバー THE MOVIE』(スタードライバー ザ・ムービー)の製作が正式に発表され、2013年2月9日に全国主要都市にて公開された。詳細は#劇場版を参照。日本列島の南に位置する南十字島。この島に活発な少年ツナシ・タクトが「青春を謳歌する」ため、本土からやって来た。フェリーに乗り遅れて焦ったタクトは無謀にも泳いで渡ろうとしたが、あえなく力尽き南十字島の海岸に漂着。海岸に倒れていたところを、島の住人であるシンドウ・スガタとその許嫁のアゲマキ・ワコに救助される。その後、2人とはすぐに友人となり、南十字学園高等部入学初日もその明るく前向きな性格から、学園の面々ともすぐに馴染み、学園生活は順調にスタートした。しかし、この島にはある秘密があった。島の地下には「サイバディ」と呼ばれる人型の巨大兵器が安置されており、「綺羅星十字団」を名乗る組織が封印されたサイバディの力を解き放つため、封印を守る4人の巫女を狙っていたのだ。そしてついに巫女の1人である“気多の巫女”が捕らえられてしまい、その封印が破られたことでサイバディは時間の止まった空間「ゼロ時間」内での起動が可能となってしまう。入学初日の夜、タクトは入ってはいけないと注意されていた廃坑跡へ好奇心から潜入を試みる。しかし、そここそがサイバディが安置されている地下遺跡への入口だった。そして偶然にも、巫女の1人であるワコを拉致した綺羅星十字団のメンバーと鉢合わせし、タクトも捕まってしまう。綺羅星十字団の1人レイジングブルは、サイバディ「アレフィスト」を起動させ、ワコを使ってゼロ時間の封印を解こうとする。だが、入ってこられないはずのゼロ時間へタクトが出現し、サイバディ「タウバーン」を召喚してアレフィストを破壊する。彼は、綺羅星十字団が恐れる「銀河美少年」だった。敗北を喫した綺羅星十字団だったが、トップが不在の内情を変える好機と考え、銀河美少年を倒した者が組織のリーダーとなることを決定したため、ワコだけでなくタクトも彼らに狙われることとなった。一方タクトも、ワコがサイバディの封印を保つために島の外へ出られずにいることを知り、彼女を救うべく綺羅星十字団のサイバディを全て破壊することを決意する。こうしてタクトは、輝かしい学園生活と共に綺羅星十字団との戦いへ身を投じることとなるのだった。本作の登場人物の殆どが在籍する事になる、南十字島唯一の教育機関。一見、穏やかな校風に見えるが、地下組織である「綺羅星十字団」の本拠地も存在し、その構成員達も表向きは生徒・教員として活動している。故に、主人公であるタクト達は、常に敵である綺羅星十字団の拠点のド真ん中にいるという、危険な状態にある。本作の主要メンバーが入部している部活。現在部長はサリナで正部員は6人(と1匹)しかいない(ミズノは途中退部)が、彼ら以外にも多くの準部員が存在しており、必要に応じて裏方などの仕事を手伝ってもらっている。顧問は学園長。正部員は全員、サイバディなどの秘密を知っている。サイバディに施された封印を破り、南十字島の外へ持ち出そうと画策している秘密結社。そのアジトは南十字学園学園寮の裏山の廃坑跡にあり、メンバーは南十字学園の生徒と教職員で構成されている。1〜6の隊に分けられ(第1隊は欠番)、各部隊のエンブレムにはトランプのマークが意匠されている。それぞれコードネームで呼びあっている。右手でVサインをした状態で更に親指を立て、左へ約90度傾け、Vサインが右目の部分に来るようにかざし、「綺羅星!」と宣言することが団員間での挨拶の作法(左手で行う場合は左右逆となる)となっている。この作法を行うと、団員は反射的にこの行為で反応するため、団員であるかの確認も出来る。団員同士でもお互いの正体は知らない場合が多い。彼らが付けている仮面は、お互いの正体を隠す以外にも、ゼロ時間内の活動を可能にしたり、サイバディとアプリボワゼする際に使われる。その目的は、ゼロ時間の封印を破ってサイバディを外に出し、「旅立ちの日(ヘッドはタイムトラベラーになる事と言っている)」を迎える事のようである。キング・ザメクのスタードライバー=スガタを代表に据えるべく用意されていた隊。ベニオやヘッドによるスカウトが失敗していたため実質的には存在していなかったが、終盤において遂にスガタが代表であるキングとして参加した。部隊のマークは王冠。代表はヘッド。ヘッド不在の間はマリノ(マンティコール)が代表代行を務めた。マリノ以外のメンバーはバーのような部屋に集い、謀り事を画策している。メンバー(カタシロ、マリノ以外)は全員本物のシルシを持っている。部隊のマークはスペード。代表はケイト。実行部隊中、スタードライバーは全員女性で構成されており、その人数も少ない。部隊のマークはハート。代表はカナコ。カナコの夫であるレオン・ワタナベが総帥のグラントネール財団を通じて綺羅星十字団に資金援助している。部隊のマークはダイヤ。代表はベニオ。代々「ペー」、「アレフ」、「テト」のシルシを受け継ぐ家系に生まれ、シルシを失った者達で構成されており、シルシが途絶えてしまった家の名誉回復のために結成された隊である。名前には電球のように綺羅星十字団を明るく照らすという意味も含まれている。なお、構成員の3人は幼馴染同士でもある。部隊のマークはクラブ。代表はミドリ。他の実行部隊と違い、技術開発を専門とする。ミドリ以外は大学部の研究員として島に来ている(ミドリは美少年好きなので、高等部の保健医を選んだ)。部隊のマークはジョーカー。南十字島の地下に安置されている、古代銀河文明が残した工学有機結晶体のオリハルコンで構成された謎の人型ロボットをサイバディと呼び、それを操る者をスタードライバーと呼ぶ。そして、サイバディとスタードライバーが一体になった状態を「銀河美少年」と呼ぶ(広義では女性も少年に含まれるため女性も銀河美少年と称される)。サイバディは通常、マネキンのような素体の状態だが、スタードライバーがアプリボワゼ(関係を形成)することによって固有の姿と能力を取得し、自動的にサイバディの持つ古代文明の記憶を共有する。また、スタードライバーになると「第1フェーズ」という特殊な能力を得ることができる。ただし、サイバディが破壊された場合、本物の「シルシ」を持つ者以外は第1フェーズの能力は失われる。なお、アプリボワゼするには胸に輝く「シルシ」が必要で、戦士の「シルシ」は持ち主の意思で他人に受け渡すことが出来る。綺羅星十字団ではタウバーンを含めて22体のサイバディの存在が確認されている。科学ギルドによるとサイバディは核攻撃にも充分耐えられる強度を持つと計算されている。板状のパーツ「パイル」をもつものは上位機種とされ、特殊性が強い。壊されたサイバディは黒く染まった状態になる。破壊されたサイバディを直すためにはスタードライバーがアプリボワゼする必要があるが、それにはスタードライバーのリビドーが必要である。必要な量のリビドーが無ければ、生命力を吸い取られるだけの結果に終わる(綺羅星十字団では、「歴代のキング・ザメクのスタードライバーが死の眠りに就いたこともそれが原因なのでは」と考えている)。サイバディが起動すると、悪用させないために古代文明人が作った仕掛け「ゼロ時間」が発動し、それに伴う異空間が広がり、通常の時間は止まる。その際、「シルシ」のある者や仮面を付けている綺羅星十字団員は強制転送され、その中で戦闘に直接関係の無い者は「球体桟敷」と呼ばれる特殊空間で観戦することになる。この球体桟敷は「シルシ」がある者や、仮面を付けている綺羅星十字団員であればその中で自由に動け、時間が止まることはない。球体桟敷自体は脆く、戦闘の衝撃で簡単に破壊されてしまう。サイバディには戦士タイプと巫女タイプが存在する。通常は悪用されないよう4人の巫女「四方の巫女(よものみこ)」と巫女タイプのサイバディが戦士タイプのサイバディを封印している。封印には5つの段階(フェーズ)があり、完全に封印された「第1フェーズ」ではサイバディとアプリボワゼしても動かすことさえできないが、スタードライバー自身は特殊能力を得る。「第2フェーズ」では巫女とタクト以外はたとえ「シルシ」を持つ者でもサイバディを直接操縦できない。このため、綺羅星十字団のスタードライバー達は後述する電気柩を利用してサイバディを遠隔操縦する。「第3フェーズ」に進むと体に「シルシ」を持つ者のみ直接サイバディに乗り込んで操縦できるようになる。「第4フェーズ」ではより強くサイバディと一体化できるが、ゼロ時間内に閉じ込められる危険性を伴う(オーバーフェーズシステムを使用した場合は第3.5フェーズの状態となり、サイバディとスタードライバーが一体化する)。そして、最終段階の「第5フェーズ」でサイバディをゼロ時間外でも動かせるようになると言われているため、綺羅星十字団はこれを最終目標としている。ただし、第4フェーズの説明は勝手に封印を破られないようヘッドがついた嘘であり、真の第4フェーズはキング・ザメクを復活させることである。さらに第5フェーズになると、キング・ザメクの時間操作の能力も解放される。綺羅星十字団はサイバディに直接乗り込めない「第2フェーズ」の段階でも操縦を可能にする遠隔操縦装置「電気柩(でんきひつぎ)」を使って操縦しており、自らの仮面をセットすることによって、仮面に刻まれた「シルシ」に対応するサイバディとアプリボワゼする。それと同時に「シルシ」は機械で自動的に付けられるが、その際には痛みが伴う。遠隔操縦のため、サイバディが爆発しても操縦者の生死に影響は無いが、直接乗り込んで操縦する方法に比べると劣る面があった。第3フェーズ移行後、「本物の『シルシ』を持つ者以外はサイバディを動かすことが出来ないため、必要ない」との理由で電気柩は破壊されてしまった。スタードライバーにはドライバー自身のリビドーをエネルギーにした「スターソード」と呼ばれる光の剣を武器に持つ者が存在し、綺羅星十字団では12本のスターソードの存在が確認されている。また、12本のスターソードの名前は誕生石をフランス語読みしたものになっている。サイバディの名前とそのスタードライバーが持つ「シルシ」はフェニキア文字に由来する。挿入歌にはオリジナルバージョンと劇中歌バージョンの2種類が存在し、本編で使用されているのは主に後者の方であるが「秋色のアリア」は18話で、「木漏れ日のコンタクト」は19話でそれぞれオリジナルバージョンが使用された。劇中歌バージョンは巫女のアカペラで始まり、オーケストラによる演奏が入ったもので主に『ゼロ時間』の発動時に流れる。一方でオリジナルバージョンは劇中歌バージョンとは全く違ったアレンジがなされており、ジャンルとしてはJ-POPに位置する。これは、「神秘的な曲にしないでほしい」という五十嵐卓哉監督の要望によるものである。テレビ放送のほか、インターネット配信も行われており、最新話のみ1週間限定で無料配信される。このほか、当初はニコニコチャンネルでのインターネット配信も予定されていたが、直前になって急遽中止となった。中止の理由は「諸事情」によるとされ明かされていない。しかし、その後映画の公開に合わせて全話一挙放送が行われた。2011年3月13日放送予定だった第23話は東日本大震災による特別編成の為、放送が1週間延期され翌週3月20日に放送された。。これに伴い残る放送は1週間順延の形となった。シリーズが中盤に差しかかるのを受け、そこまでの総集編と解説を兼ねた『特別番組 スタドラ夜会』が一部地域で放送された。出演は有野晋哉(よゐこ)、川島明(麒麟)、小沢一敬(スピードワゴン)、稲垣早希。BDは完全生産限定版のみ。DVDは完全生産限定版と通常版がある。2013年1月23日には本編とイベント「銀河美少年フェスタ 2011春」が収録されたBD-BOXが発売された。また完全生産限定版のみの特典だったヴォーカル曲や劇中BGMが劇場版使用曲も含み収録された「STAR DRIVER輝きのタクト Songs & Soundtracks」も同時に発売された。スクウェア・エニックスの『ヤングガンガン』にて、2010年18号から2011年24号まで連載された。作画はKEY by Youn Story labが担当している。アニメと比較してストーリーが短縮されており、登場するキャラクター、サイバディも減らされている。HiBiKi Radio Stationと音泉で、「スタードライバーラジオ 銀河美少年アワー」が2010年9月27日から2011年4月4日まで隔週月曜日配信された。パーソナリティは、アニメのキャストが交代で務めた。音泉で、「スタードライバーラジオ THE MOVIE 帰ってきた銀河美少年アワー」が2012年9月10日から2013年3月18日まで第2月曜日(2012年12月10日の第4回から隔週)に配信された。パーソナリティは宮野真守、早見沙織、福山潤の3人とゲストが交代で務める。音泉で、「スタードライバー THE MOVIE また!?帰ってきた銀河美少年アワー」が(2013年7月24日から2013年9月4日)まで隔週水曜日配信、全4回を配信予定。パーソナリティは宮野真守『スタードライバー THE MOVIE』(スタードライバー ザ・ムービー)のタイトルで、2013年2月9日公開。キャッチコピーは「銀河美少年、ここに輝く。」、「人生という冒険は続く。」冒頭と最後に新作パートを設け、それに挟まれる形でテレビシリーズの総集編を配置する構成をとっている。新作パートはテレビシリーズ後の話で、現実の新宿を舞台に、冒頭ではタクト/タウバーンと複数のサイバディの戦闘を描き(このシーンの具体的な説明は劇中では一切ない。映画パンフレットでの解説によれば、第2隊 バニシングエージがテレビシリーズ後も暗躍しているらしく、タウバーンと戦っているのはバニシングエージ所属のサイバディ達である)最後では戦いの後にタクトやスガタと四方の巫女達が再会するシーンが描かれる。総集編部はテレビシリーズの再編集版だが、一部新作カットやテレビシリーズと細部が異なる展開も含まれる。同年8月21日に本作のBlu-ray DiscおよびDVDが発売された。
出典:wikipedia
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