2010年イギリス労働党党首選挙()とは、イギリスの政党・労働党の党首を決定した選挙。5月6日に行われた総選挙の結果、保守党306議席、労働党258議席、自由民主党がそれぞれ議席を獲得。庶民院はハング・パーラメントと化し、労働党は与党の座から滑り落ちた。5月10日、ゴードン・ブラウン労働党党首が辞任を表明し、9月の労働党大会までに新党首が選出されるべきだと表明したことから、事実上の党首選挙がスタートした。党の公式声明では、全国執行委員会()が選挙日程を定め、その結果が9月25日の党大会で発表されるべきであるとされた。5人が出馬したが、事実上はデイヴィッド・ミリバンドとエド・ミリバンドの実の兄弟による一騎討ち状態であり、党首選挙としてだけでなく、兄弟対決としても大いに話題を呼んだ。最終的に、弟のエド・ミリバンドが新党首に選出された。労働党の内規では、「党首選に出馬するには、議会労働党全員のうち12.5%以上の推薦人を確保する必要がある」とされている。庶民院に議席を持つ労働党員は257人(選挙では258議席を獲得したが、が停職処分を受けたため)なので、出馬には33人の議員を推薦人として確保する必要があった。当初、出馬は5月24日に始まり27日に締切とされたが、ジョン・マクドネル、ダイアン・アボット、エド・ミリバンドらから「推薦人確保までの時間としては短すぎる」という意見が出たため、締切は6月9日まで延長されることになった。投票は9月1日から22日にかけて行われ、マンチェスターで行われた党大会の初日である25日に結果が発表された。投票は異なる3つのブロックごとに、かつ「」に基づいて行われた。3つのブロックとは、以下のとおりである。それぞれの票が3分の1ずつ(33.33%)に振り分けられ、合計の割合で党首を選出する。投票者は、全候補者に優先順位をつけて投票する。特定の候補者が過半数を制するまで、最下位の候補者を除外しながら数ラウンドにわたって投票を繰り返す方式で行われる。また、選挙を取り仕切るのは全国執行委員会(NEC)である。5月10日の閣議において、労働党内閣が解散するまではどの候補も出馬表明を行うべきではないとされた。保守党と自由民主党が11日に連立を組み労働党政権が解散すると、まずは大本命のデイヴィッド・ミリバンドが出馬表明を行った。最終的に、5月20日までに6人が出馬を表明した。6月9日、33人の推薦人確保が不可能であるとして、ジョン・マクドネルは撤退を宣言し、ダイアン・アボットの支持にまわった。マクドネルが撤退を決断するまでに集めた推薦人の数は16人だった。各候補者が取り付けた最終的な推薦人の数は以下のとおり。議会労働党の支持に限れば、出馬段階で約3分の1の支持を集めたデイヴィッド・ミリバンドが圧倒的に優勢であった。実弟のエドもその他の候補者を引き離す推薦人を取り付けたため、党首選挙は早いうちからミリバンド兄弟の一騎討ち状態となった。また、総選挙以前には次期党首選への出馬を匂わせていた議員もいたが、その中には総選挙で議席を失ったために実際に党首選に出馬することができなくなった議員もいた。そのような議員としては、ピーター・マンデルソンやジェームズ・パーネルらが挙げられる。総選挙でも行われたテレビ討論や各種世論調査が、今回も行われ、党首選の動向に影響を与えた。詳細は以下のとおり。どの調査でも、ミリバンド兄弟の一騎討ち状態であり、他の候補者は伸び悩んだ。発表された投票結果は以下のとおり。最下位のダイアン・アボットが脱落。最下位のアンディ・バーナムが脱落。最下位のエド・ボールズが脱落。結果、エド・ミリバンドが新党首に選出。出典:Labour Party website一般的に、労働党は議員は現実思考の右派・中道派が多く、古くからの活動家を擁する労働組合には教条的な左派が多いと言われている。 どのラウンドにおいても、エド・ミリバンドは労働組合票を一番多く集めており、左派の支持を受けていたことがわかる。また、デイヴィッド・ミリバンドは第3ラウンドまでは最多の議員票を得ていたが、同ラウンドで脱落したエド・ボールズの票が同じく左派寄りのエド・ミリバンドに流れたため、最終ラウンドにおいては議員票においても弟・エドに遅れを取った。実際に、労組の支持を多く集めたエド・ミリバンドの勝利は、左派の勝利として位置づけられ、今後労働党がブレア元首相以来の中道化路線から脱却し、左派寄りの政党に戻る可能性も指摘されている。しかし、エドの勝利は僅差で得たものであることから党内基盤は強固とは言いがたく、今後予想されるブレア路線継続派、あるいはデイヴィッド・ミリバンド支持派との党内対立を乗り越えられるのかを危ぶむ声もある。一方、選挙区労働党は、実際の選挙の際に活動を行う一般党員が多く所属するため、選挙の顔として知名度・実績で他を圧倒するデイヴィッドへの期待が高く、どのラウンドにおいてもデイヴィッド・ミリバンドへの得票が最多だった。総選挙後、労働党は下野直前の閣僚メンバーをそのまま「影の内閣」として組織しており(影の首相のみ、辞任したブラウンに代わって党首代行のハリエット・ハーマンが担当)、今回の党首選出でエド・ミリバンドが「影の首相」に就任した以外にはメンバーの変化がない。新党首に就任したエド・ミリバンドは今後新たな影の内閣を組閣するが、労働党では影の閣僚を任命する際、党首が思い通りの人選をすることはできない。まず党内選挙で入閣するメンバーが選出され、党首がそのメンバーをそれぞれのポストに配置するのである。影の閣僚選挙への出馬は、党首選開票の行われた25日の翌・26日に受付が始まっており、10月7日に開票が行われる。で誰が選ばれるかも、エド・ミリバンド体制の方向を決定付ける大きな要素となる。
出典:wikipedia
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