天国に行けないパパ (原題:Short Time)とは、1990年に公開されたアメリカのコメディ映画。退職が間近に迫った刑事が、ある誤解から自分に死期が迫ったと思い、家族にお金を残すために殉職を試みる。ところが、なかなか思うようには死ねずに苦労する…と言うコメディ映画。また、主人公が「死の間際」に家族や自分自身を見つめ直すという、心温まる物語でもある。シアトル市警察の刑事バート・シンプソンは、一週間後に退職を控えていた。万事慎重なバートは、防弾ベストも二枚重ね。軍の特殊な銃器が強奪された事件の犯人を追尾しても、危険なことはせずに犯人を取り逃がし、満座の中で署長に嫌味をされる程だ。彼には、別れた妻との間に小学生の息子がおり、その子のことを、心から愛している。彼の夢は、息子をハーバード大学に進学させること。ところが、「こんなに早くから、あまりプレッシャーをかけないでと、元妻にいつも言われている。ある日、生命保険加入の為の事前審査のために、病院を訪れるバート。相棒のアーニーには、「今更生命保険に入ってどうする」と言われるが、自分に何かあっても息子や元妻が経済的に苦しまないように、との彼の思いからだった。ところが、そこでトラブルが発生する。会社に薬物使用を疑われ、社命により血液検査を受けに来ていたバスの運転手が、マリファナ使用歴を誤魔化すために、自分とバートの血液サンプルを摩り替えたのだ。それに気付かなかった医者は、そのまま血液検査を行う。その挙句、バートが不治の稀な病気かつ末期症状であり、死が間近であると診断してしまう。告知を受け、悄然と抜け殻のように病院を出たバート。生命保険にも入れず、将来、息子がハーバードに入るお金がなかったらどうしようかと、絶望の縁に立たされた。バートは、警察から死亡時の補償金が出ないかと思い、警務課を訪れる。窓口の担当者に尋ねると、30万ドル程度の補償金が出るとの回答を得る。但し、それには条件があった。「職務中の死亡に限り」というのだ。つまり、殉職した場合のみ、遺族に補償金が出るということ。自分の死は間もなく訪れ、息子に残してやる金もない。バートは、退職までの間に殉職することを決意する。手始めに、バートはシアトルで最も危険な地域でのパトロールを志願した。いつもは慎重なバートの鬼気迫る姿に、事情を知らない署長は、驚きつつも「退職する前は誰でも不安になる」と慰めるが、言うことを聞くバートではない。とうとう、彼は根負けして、パトロール任務を課すものの、老齢夫婦の些細な喧嘩に呼び出されるなど、まともな事件にありつけない。その時無線が入った。武装強盗が車で逃走し、パトカーが追尾していると言うのだ。「管轄外だぞ!」という相棒の制止も聞かず、翻弄される相棒を一人残すと、バートは殉職するために覆面パトカーを走らせる。高速道路での危険な追尾に割り込んだバートは、追尾中のパトカーを押しのけてまで先頭に立ち、被疑者を猛追する。ところが「不幸にも」、被疑者が発砲する弾丸は、バートには一発も当たらず、インターチェンジで覆面パトカーが転倒しても、本人は傷一つ負わない。これでは殉職にならないので、さらに猛追し、市街地で危険かつ壮絶なカーチェイスを続ける。ついには、犯人の車と衝突して両車共に大破。犯人は重傷で病院送りになったものの、バートは傷一つ負わなかった。彼は、不本意ながらも生き延びてしまい、殉職者遺族補償金ではなく、シアトル市警の勲章を貰ってしまう。その後も、数回に亘って殉職を試みるものの、肝心の補償金を貰う機会は訪れず、皮肉にも不要な勲章だけが増えて行くバート。だが、死期が迫ると思ったことで、自分自身、そして家族を見つめ直し、元妻や息子に対する態度も変わって行くのだった。その他、津田英三、梁田清之、小野健一、辻親八、相沢恵子、相沢正輝、田原アルノ、稲葉実、真殿光昭、火野カチコ、磯辺万沙子、伊井篤史、塚田正昭テレビ放送:1993年6月30日 TBSテレビ「水曜ロードショー」
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。