黒い雪事件(くろいゆきじけん)とは、武智鉄二監督の映画『黒い雪』のわいせつ性が、刑事裁判において問題となった事件である。映画『黒い雪』の公開上映について、この映画を監督した映画監督の武智鉄二と、映画を配給した日活株式会社の配給部長が、刑法第175条(わいせつ図画公然陳列罪)で起訴された。一般映画館で上映される映画で、なおかつ、映倫管理委員会(映倫)の審査を通過していた映画が、初めてわいせつであるとしてわいせつ図画公然陳列罪で起訴された事例であり、社会的関心を集めた。検察官の公訴事実によれば、『黒い雪』の映像中、などが、問題となるわいせつなシーンとして挙げられた。一審の東京地裁は、『黒い雪』がわいせつ図画とはいえないとして被告人2名を無罪とした。そのため、検察官が控訴。二審の東京高裁は、『黒い雪』自体がわいせつ図画であるとはしつつも、被告人2名がわいせつ図画公然陳列罪の犯意(犯罪の故意)を欠くとの理由から、やはり無罪とした。無罪とした理由の要旨は、というものであった。検察官の上告はなく、二審の東京高裁判決が確定した。刑法学上、犯罪の故意があるといえるには、違法性の意識ないしその可能性が必要かという議論がある。最高裁は、違法性の意識は不要とし、これが確定判例となっていた。しかし、黒い雪事件の東京高裁判決は、法律上許されたと信じるにつき「相当の理由」があったとして、違法性の意識の可能性必要説を採用したと見られる。下級審において違法性の意識の可能性必要説を採用した裁判が相次いだが、この判決はそのような裁判例の最初の例とされている。
出典:wikipedia
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