『グノシエンヌ』("Gnossiennes")は、エリック・サティが1889年から1891年と1897年に作曲したピアノ曲。サティが24歳の時に作曲した第1番から第3番の3曲は「3つのグノシエンヌ」として有名。『グノシエンヌ』とは「知る」というギリシア語の動詞(Γνωρίστε:発音は "Gnoríste" グノリステ)の語幹をもとにして作ったサティの造語である。語源はまた、古代クレタ島にあった古都「グノーソス宮」とも神秘教会グノーシス派とも言われている。古代ギリシャの詩の脚韻を踏んだリズムが伴奏部に使われている。『ジムノペディ』よりも東洋的な雰囲気は、1889年のパリ万国博覧会で民族舞踊合唱団を通じて知ったルーマニア音楽の影響とされている。「思考の端末で」「うぬぼれずに」「頭を開いて」等、この曲の演奏者への助言として付された奇妙な注意書きがある。1890年作曲。拍子記号も小節線もなく、音楽と時間に対するサティの自由な思考が伺える。「思考の隅で…あなた自身を頼りに…舌にのせて」などと書き込まれている。1890年作曲。第1番と同様に小節線を持たず、バスの一定の音形の上にのびやかな旋律が歌われる。楽譜には「外出するな…驕りたかぶるな」といった注意書きがみられる。1890年作曲。増2度が多用された旋律が、東洋風の響きを醸しだしている。「先見の明をもって…窪みを生じるように…ひどくまごついて…頭を開いて」といった書き込みが暗示的。1891年作曲。「ゆっくりと」と指示されている。『ジムノペディ』に用いた和音がアルペッジョの形となって低音部にあらわれる。1889年作曲と、6曲の中で最も早期の作品。1889年のパリ万国博覧会でジャワのガムラン音楽とルーマニアやハンガリーの音楽から霊感を受けて作曲されたもので、唯一小節線を持つ。1897年と、6曲の中で最も遅い時期に作曲されたと見られる。他の5曲と同様、反復されるリズムに乗って詩情あふれる旋律がたゆたうように歌われる。元々は1891年に付随音楽『星たちの息子』の曲として作曲され、現在では「梨の形をした3つの小品」の第1曲として知られる曲は、途中で「グノシエンヌ」とタイトルを変えられた経緯があることから最近では「グノシエンヌ 第7番」として演奏会やCD等で紹介される場合がある。
出典:wikipedia
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