分散関係(ぶんさんかんけい、)は、波において、角周波数(角振動数)と波数の間の関係。特に角周波数 を波数 の関数で表した式のことを言う。フーリエ変換により、波動は特定の波数 のみを持つ、単色波 の集まりに分解することができる。このとき、波数 と角周波数 が、系の性質に応じて満たす関係を、分散関係 、または分散式 という。波数と角周波数の対応関係が複数存在する場合もあり、それぞれの関係を波のモードと呼ぶことがある。特に、波数と角周波数が比例関係で表されるときに、分散がないという。また、波数と角周波数が比例関係にない場合、系は分散的もしくは分散系であるという。分散がない波においては、となり、各単色波の成分は波数に依らず、一定速度 で進むため、波形が崩れず、そのまま伝播する。分散関係が与えられると、波動の性質を示すいくつかの重要な指標を導くことができる。波の位相部分が一定 で伝わる速度 は、これを時間で微分して、で与えられる。これを位相速度という。また、一方で様々な波数を持つ波の集まりである波束において、その群速度は、で与えられる。分散がない場合には、であるから、「分散がない」という条件は「位相速度と群速度が一致する」ことと等価である。通常の波動方程式に従う波動現象においては、 を考えると、の関係が満たされており、分散がない波となる。自然光などの白色光をプリズムに通すと、透過した光は虹のように各色ごとに分光される。この現象は光学においては分散と呼ばれる。これは、白色光が角振動数の異なる電磁場から構成されており、媒質となるプリズム中においてそれぞれの屈折率 が角振動数 によって異なることに起因する。このとき、媒質中を伝播する電磁波の位相速度は、角振動数に依存する屈折率 と真空中の光速 を用いて、と表される。このとき、対応する分散関係はとなる。分散関係という語は、光学におけるこの分散現象に由来する。深さが である水の層において、重力と表面張力を考慮した水面波の分散関係は以下を満たす。ここで、 は重力加速度、 は表面張力の強さ、 は水の密度である。固体におけるフォノンのモデルとして、2 種類の原子から構成される一次元の格子の振動を考える。このとき、この格子系の周期を とし、2つの原子の質量を 、結合の定数を とすると、分散関係はとなる。符号が の場合が音響モードに対応し、 の場合が光学モードに相当する。特に としたときの長波長極限において、音響モードでは、光学モードでは となる。相対論な場の量子論において、電子はディラック方程式で記述される。このとき、電子は以下の分散関係を満たす。ここで、 は電子質量、 は光速である。
出典:wikipedia
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