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宿根木

宿根木(しゅくねぎ)は、新潟県佐渡市の最南端にある町名。郵便番号952-0612。 狭義にはその中心地区を指し、2015年現在、新潟県では唯一、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されている。江戸時代後期から明治初期にかけて全盛期を迎えた北前船の寄港地として発展した港町で、船大工によって作られた当時の面影を色濃く残す町並みが保全されている。たらい舟で知られる小木港の西に位置する小木海岸の、入り江の奥に面した小さな集落で、約28.5haが重要伝統的建造物群保存地区として選定されている。保存地区には集落のほか、周囲の台地や隆起岩礁の海岸も含まれている。保存地区内に残る伝統的建造物は106棟にのぼり、そのほとんどが板張りで作られた外壁を持つ2階建ての家屋である。一部の家屋の屋根は薄く割った板を何枚も重ね、その上に石を置いた石置木羽葺屋根と呼ばれる独自のものである。家屋の外見は質素であるが、内部は漆塗りの大黒柱や、彫刻の施された仏壇、当地小木の伝統工芸品である船箪笥と呼ばれる小判等の貴重品を隠すために使われた「からくり構造」の箪笥などが残されており、北前船で財を成した船主の往時を偲ばせる豪華な内装仕上げになっている。現在、修復された民家2軒が一般に公開されている。20以上の土蔵が残されているがいずれも鞘(さや)と呼ばれる板壁で周囲を覆っており、これは塩害から守るためと蔵の存在を隠し盗難を防止しようとした目的と見られる。この他にも、狭い路地の形状に合わせて作られた通称三角屋と呼ばれる三角形の家屋など、船大工たちが造った建造物が密集する宿根木独自の景観が残されている。江戸末期に世界地図を制作した蘭医学者の柴田収蔵の生家がある。称光寺と白山神社がある。集落の全戸が称光寺の檀家である。この地には中世から港町があり、近世には北前船の寄港地として栄えた。北前船とは、主に北陸地方以北と畿内を結ぶ廻船業の船のことで、江戸時代後期から明治初期にかけて隆盛を極めた。特に明治維新以降は松前藩の入港制限が撤廃されたことにより、蝦夷地との往来が盛んになり航海回数が増え、佐渡の南端に位置する宿根木は寄港地としての重要性が高くなり、船主や船乗り、さらに船大工や鍛冶屋、桶屋など廻船業に携わる多くの人々が居住するようになり、入り江の奥の海岸段丘に挟まれた狭い谷間に、2階建ての家屋が密集する高密度な居住空間が形成された。明治中期になり、長距離輸送の主流が鉄道輸送にシフトされると北前船は姿を消し、宿根木も寄港地としての繁栄は終わるが、宿根木の町並みは火災や災害等による損傷も無いまま維持され続け、昭和55年(1980年)、地区住民により町並み保存対策調査が実施され、平成2年(1990年)、当時の小木町の歴史的景観条例により伝統的建造物群保存地区に決定、翌平成3年(1991年)4月30日、種別「港町」で国の重要伝統的建造物群保存地区として選定された。

出典:wikipedia

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