Qi(チー)とは、ワイヤレスパワーコンソーシアム(Wireless Power Consortium; WPC)が策定したワイヤレス給電の国際標準規格である。現在、携帯電話やスマートフォンを対象とした15W以下の低電力向け規格のみ策定されている。名称の由来は中国語の「氣」。NTTドコモでは、Qi規格に準拠したワイヤレス充電機能をおくだけ充電と称しており、登録商標を保有している。Qiは、古くから実用化されていた「電磁誘導方式」を元にしている。これは、2つの隣接するコイルの片方に電流を流すと発生する磁束を媒介して、隣接したもう片方に起電力が発生する電磁誘導の原理を用いたものである。この方式によるワイヤレス給電システムは過去に幾つか実用化されていたが、独自開発のものが多く、企業間での機器の相互利用が出来ない状態が続いていた。そのような欠点を解消するため、2008年にWPCが立ち上げられ、企業間での相互利用を可能とする国際標準規格を策定する事となり、2010年7月に『最大5Wの低電力向け』Qi規格(Volume I Low Power)の策定を完了した。使用する周波数帯は100kHzから200kHzまでの間と定められている。WPCでは、現在提供している低電力向けQi規格に加えて中電力向けQi規格(Volume II Middle Power)を策定する事を目指している。この中電力向けQi規格ではQ値の低い磁界共振を一部取り入れて広義の電磁誘導であり、同時に広義の磁界共振ともいえる構成となっている。まず15Wでの充電に対応し、将来的に120Wまで供給する事が可能となる。そして2015年6月23日に15W規格書が策定された。充電台(送電側)と携帯機器(受電側)との間では受電側から送電側への単方向通信が行われる。パッシブRFIDタグと同様の後方散乱変調を利用しており、受電側での負荷を変動させることによる2値ASKとなっている。通信速度は2kbpsで、1オクテットにつきスタートビット(1)、パリティビット(ODD)、ストップビット(0)それぞれ1ビットを伴う。受電側は電力を受け取っている限り定期的にパケットを送り返すことになっており、これにより送電側は充電面上にあるものがQi対応機器なのかそれ以外の異物なのかを判断できる。通信の内容は受電量の必要量に対する差分、送電停止要求、受電中の電力、携帯機器の充電率が主であるが、充電開始時には受電側の識別情報が送られ、機器固有の情報が送られる場合もある。ワイヤレスパワーコンソーシアムは2008年12月17日設立で、事務局はアメリカ合衆国ニュージャージー州のIEEE-ISTOに置かれている。2014年11月18日時点で213社が会員となっている。
出典:wikipedia
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