露出計(ろしゅつけい、"Exposure Meter" )は、写真や映画の撮影において光の強度を測定し、設定すべき露出値を割り出すための機械である。露出計で光の強弱を測ることを「測光」と言う。世界で最初の露出計はハーターとドリフィールドが発明し1892年にマリオンから発売された計算尺式露出計であった。その後色々な方式の露出計が発明され使用されてきたが、精度や信頼性や速写性など圧倒的に優れる電気露出計が発明されてからはほぼ露出計=電気露出計となっている。当初は単体露出計として普及したが、その後より速写性を上げるためにカメラに内蔵されるようになり、さらには絞りやシャッター速度と連動するようになった。今日では一般撮影用のカメラに露出計が搭載されているのは当然のこととなっているが、一方で露出計としてより高度な機能を持つ単体露出計も継続的に販売・使用されている。もっとも、保有機が中古で信用できないというユーザーは、すでに入手している露出計算尺を用いたりしている。日時、天候、被写体の種類、フィルム感度、フィルターなど色々な要素を機械的な計算尺に入力することで適正なシャッター速度と絞り値を求めるもの。感光性を持つ紙を光に晒し、変色する時間で明るさを測定するもの。ワトキンス("Watkins" )のビーメーター("Bee Meter" )などが知られている。例えば透過率が違う数字が印刷された透明板が並べてあり目視で読み取れなくなる限界から露出を求める、数字や被写体を見ながらフィルターを濃くしていき見える限界で明るさを求め、適正なシャッター速度と絞り値を求めるもの。目が慣れると暗い物まで見えるようになるため正確な測定ができない。イカのダイヤフォトが有名である。光学式露出計と似ているが、露出計本体に基準となる光源を内蔵し、それとの比較で測光する。理論的な精度は得られるはずだが、当時の書籍には「値段が高いわりには、何回測っても同じ値にならなくて不満だ」と書いてある。究極的な製品としてサルフォード・エレクトリック・インスツルメンツが1947年に比較露出計式のスポットメーター、S.E.I.望遠露出計を発売し、アンセル・アダムスも1950年代に多用した。感光素子の出力により明るさを測定し、適正なシャッター速度と絞り値を求めるもの。最も基本的な電気露出計は、電源と受光部と電磁検流計を直列につないだもので、表示部には露出計算スケールがある。最初の電気露出計はウェストンのユニバーサル617型であり、日本製品最初の電気露出計は1939年に発売されたマツダ露出計である。セレンを塗布した金属板を受光部に用い、セレン板と接続された検流計で光量を計測する露出計。もっとも原始的な電気露出計である。通常は格子と複眼レンズをセレン板に重ねてあり、計測角度を制限・集光している。セレン板の面積が広ければ広いほど、計測精度・暗所での応答性が向上する。利点としては、分光感度特性が他の受光素子よりもフィルムに近い。目の感度に近い。安価。また素子自体が発電するため、電源を必要としない。耐久性が高い。欠点としては、一般的に計測精度がCdS式より劣る。また受光量に対し起電力の増加量が完全には比例しないため、明所と暗所で感度切り替えを必要とするものが多い。暗い場所では測光できない。破棄されたセレンが環境汚染につながることから、現在はセレン光電池を採用する製品はほとんど見かけない。測光素子に硫化カドミウムを使用したCdSセルを用いる方式。セレン光電池が光によって起電力を変化させるのに対して、CdSセルは電気抵抗値を変化させる。利点としては、セレン光電池式と比較し暗い場所でも測光できるようになった。また、受光角を狭くできるためスポットメーターも製造できる。抵抗変化の直線性も優れている。欠点としては、電源を必要とする。電源に電池を用いる場合、電池残容量が少なくなってくると起電力が低下して測光精度が低下するため起電力が安定している電池を用いる必要があり、ブリッジ回路などを用いて起電力変化の影響を受けないようにしているものもある。反応は遅く、特に低輝度域で顕著であるため、針が安定し正しい数値を示すまでに時間がかかる。寿命が短い。光履歴特性があり、暗い場所に放置した後はさらに反応が遅くなる。受光量に比例して導電性が上がる光半導体素子、フォトダイオードを使用する。使用される測光素子はシリコンフォトダイオード(SPD)またはガリウムヒ素フォトダイオード(GPD)がある。精度が高く、また反応速度が速いのでフラッシュの光量も測定できるようになった。CdS式同様、電源が必要である。CdSより微弱な電流で動作するため、トランジスタなどの増幅回路と組み合わせて使用され、回路が複雑になる。また起電力の変化による影響がきわめて大きく、電源の安定化回路が必須となる。SPDは感光特性がフィルムより赤外域で高いため、フィルターを掛ける必要がある。GPDは毒性の高いヒ素が使用されているためあまり使用されなくなった。デジタルカメラにのみ用いられる方式で、撮像用のCCD素子やCMOS素子を測光用にも使用する方式。測光のために別部品を必要としないので安価に作ることができ、コンパクトデジタルカメラに広く採用されている。被写体に当たる光量を測定する形式。被写体の反射率や、被写体に近い方向の強い光源に左右されることなく適正な露出が得られる。極僅かの例外を除いて単体露出計である。現在は太陽光等の定常光だけではなく、フラッシュ光も測定できるフラッシュメーターが主流となっている。被写体に当たっている光量を測定するので、光に透けた紅葉、夕焼け、テレビ画面・夜景を撮影する場合など、被写体自体から光を発している場合の測光には向かない。また昼夜を問わず遠景撮影等で被写体の近辺に行けない場合には当然使えなくなる。よって人物や静物の撮影において活用される。被写体に当たって反射した光量を測定する形式。カメラに内蔵されている露出計は数少ない例外を除き反射光式である。単体の反射光式露出計の場合は中心のごく小さな測定点で露出を測定するスポットメーターが主流である。電気式スポットメーターの初期製品としてはミノルタ(現コニカミノルタ)が1964年に発売したミノルタビューメーター9が知られている。入射光式に対して、被写体に向けるだけでどのような場所でも測光が可能である。通常反射光式露出計は測定対象物の反射率が18%(=標準反射率)であると仮定して測光する仕組みになっているため、反射率が18%から外れた測定対象を測定した場合、低反射率のものは実際より暗いと判断し高反射率のものは実際より明るいと判断してしまうため、指示通りの露光値で写すと暗く写ってしまう。また逆光などでは入射光によって被写体が実際より「明るい」と判断され、指示通りの露光値で写すと暗く写ってしまう。露出計が単独の製品となっているもの。入射光式露出計はこのタイプが多いが、反射光式、さらにどちらにも対応可能なものもある。基本的な機種で、カメラに露出計が内蔵されるのが当たり前になった現在でも精度の高さや内蔵露出計にはない機能も持つことから需要が多い。代表的な製品はウェストンのウェストンマスター、ゴッセンのルナシックス、セコニックのスタジオデラックスがある。反射光式の代表的製品はペンタックススポットメーターなど、両用の代表的製品はミノルタオートメーターなどが有名である。クリップオンメーターとも呼ばれる、カメラに着脱できる露出計である。単体露出計と同様の一切連動機構がないものもあるが、多くはカメラに装着するとシャッター速度ダイヤルなどと機械的に連結し、あらかじめ設定しておいたフィルム感度と測光結果から現在のシャッター速度で適正露出になる絞り値を表示する。基本的に着脱式露出計はカメラの機種ごとに専用のものが用意されている。代表的なものに・用のライカMCメーター、キヤノンVIT・VIL・用キヤノンメーター、ニコンF用ニコンメーター1・2などがある。 特にニコンメーター1は、レンズ絞りとシャッターダイヤルの両者を世界で初めて露出計に連動させた指針システムを確立させた画期的な着脱式露出計である。カメラの内蔵露出計が一般化すると廃れていったが、現在でも旧式カメラ向けの着脱式露出計がわずかながら販売されている。カメラに内蔵されている露出計。カメラ側のシャッター速度や絞りと完全に連動させることが可能で、特にAEカメラには必須となる。レンズ付きフィルムをのぞく現代の一般撮影用カメラにはほとんど必ず露出計が内蔵されている。最初に露出計を内蔵したカメラはツァイス・イコンが1935年に発売したコンタフレックスである。受光部の位置、測定結果の表示方式などでさらに細かく分類できる。カメラに受光窓を設け、撮影レンズに関係なく決まった測定角度で測光する方式。撮影レンズを実際に透過した光を測光する露出計。画角を考える必要がなく、フィルターの補正が不要であるなど多くの利点がある。最初にTTL露出計を装備したカメラは東京光学(現トプコン)が1963年に発売したトプコンREスーパーである。
出典:wikipedia
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