バロー()は、アメリカ合衆国アラスカ州最北部に位置する都市。またアメリカ合衆国最北端の都市である。同市は北緯71度23分に位置し、北極海に面している。人口は4,373人(2013年推計)。住民の大部分がイヌイットであり、アラスカ州最大のイヌイット集落として知られている。かつては北極海の捕鯨基地や毛皮交易地であった。現在は夏の白夜や冬のオーロラで知られ、エスキモーの文化を知ることのできる観光地となっている。市名はアメリカ合衆国最北端の岬であるバロー岬(Point Barrow)にちなんでいる。岬の名前は、イギリスの政治家、ジョン・バロー(John Barrow)から名付けられた。ジョン・バローは、1825年にバロー岬を発見したイギリスの探検家、フレデリック・ウィリアム・ビーチー(Frederick William Beechey)を資金面で支えた。バローの町は空港と北極海の間に挟まれた狭い地域にあり、Isathoak・ラグーンをはさんで南北に二分されている。ラグーンは全長5kmほどの短い川の河口をせき止めて出来たもの。北側は新興住宅地のブロワーヴィル(Browerville)という街で、碁盤の目状の道路が東西2km、南北1kmほどにわたって規則的に広がる。南側はバローで、こちらも東西2km、南北1kmの街となっている。店やホテルのほとんどはこちらに位置する。バローの南端にはそのまま空港のターミナル、さらに南には東西に伸びる滑走路 (2km) がある。滑走路の南側には原野が広がり、小さな廃棄物処理場がある。バローと名付けられる前は、この地はユトクィアグヴィック(Utqiagvik)と呼ばれていた。この地名はエスキモーの言語で「フクロウ狩りの地」という意味である。500年頃には、この地には既に人が住み着いており、クジラやアザラシ、トナカイなどを狩りながら生活していた。近隣には800年頃の住居跡も残っている。現在のバローという市名は1825年にフレデリック・ウィリアム・ビーチーに発見され、ビーチーの探検の出資者であったジョン・バロー卿にちなんで名付けられた岬、バロー岬からとっている。その頃、イギリス海軍は北アメリカの北極海沿岸を測量していた。1881年にはアメリカ合衆国陸軍がバローに気象、および磁極調査の拠点を設けた。1888年には長老派が教会を建立した。1893年にはバローに捕鯨基地や毛皮取引所が置かれた。1901年にはバローに郵便局が設置された。1935年8月15日、当時アメリカ合衆国を代表するコメディアンであったウィル・ロジャースと操縦をしていたパイロットのウィリー・ポストを乗せた飛行機が川に墜落する事故を起こし、両名の命が奪われた。その墜落現場には、現在は記念碑が建っている。1972年、バローを中心とするノース・スロープ郡が創設された。財政に余裕ができた分を活かして、郡はバローに道路を建設し、衛生・水道・電力などの公共サービスや保健・教育サービスを充実させるなど、インフラストラクチャー整備に力を入れた。1986年には、郡は地域初の高等教育機関となるノース・スロープ高等教育センター(North Slope Higher Education Center)を開校した。2003年には同センターは2年制大学として認可を受け、名称もイリサグヴィック大学(Ilisagvik College)と改められた。同大学は、エスキモーの伝統文化に基づいた教育を行っている。バローは、に位置している。アメリカ合衆国統計局によると、バロー市は総面積56km²(21mi²)である。このうち48km²(18 mi²)が陸地で8km²(3mi²)が水域である。総面積の14%が水域になっている。アラスカ北部、バローを含む東西400km、南北150kmの領域には、楕円形の湖が無数に分布する。いずれも南の山脈から下ってきた過去の氷河が形成した地形である。湖の規模は長軸の長さが1kmから10km程度と変化に富むが、いずれも長軸の方向が北北西から南南東方向にそろっている。バローから北東に15km進むと、アラスカ最北端となっている砂嘴に到達する。アラスカ最北端は西のチュクチ海と東のビューフォート海を分ける岬となっている。バローから南東方向へは500kmにわたる砂浜海岸が延びる。海流の影響によりそのうち200kmでは連続した砂州が形成されている。東のビューフォート海に面する海岸は地形が複雑であり、海流が及ばないため、砂州はもちろん、砂浜海岸も目立たない。北緯70度よりも北、北極圏内に位置するバローは1年を通して寒く、最も暖かい7月・8月でも平均気温が摂氏3度ほどにしかならない。冬の寒さは極めて厳しく、氷点下30度近くまで下がる。平均気温が摂氏0度を上回るのは6-8月の3ヶ月だけで、あとは氷点下である。また寒いため空気中の水分はほとんどなく、1年を通して降水量が少ない。ケッペンの気候区分では"ET"(ツンドラ気候)に属する。また北極圏内に位置することから、毎年5月10日から8月2日の85日間は太陽が沈まず、白夜となる。反対に冬は、11月18日から1月24日までの68日間にわたって太陽の昇らない日が続く。バローの市街地から北東約15kmに位置するバロー岬はに位置する、アメリカ合衆国最北端の岬である。北極海に突き出るこの岬の周囲の海水は、1年のうち夏の2-3ヶ月を除き、ほとんど氷に閉ざされている。バロー岬には北極探検の基地がよく置かれた。また、行方不明になってしまった探検家たちを探す捜索隊もバロー岬に捜索基地を置くことが多かった。1965年から1972年にかけては、バロー岬でナイキ・ケイジャン、ナイキ・アパッチという科学観測用ロケットが打ち上げられた。また、バロー岬には、世界環境監視局(Global Atmosphere Watch)が観測拠点を置いている。ちなみにタンタンの冒険旅行でハドック船長の名ぜりふにも登場する。バローは市外へ通ずる道路も鉄道もない、いわゆる「陸の孤島」である。バローと他地域を結ぶ唯一の交通手段はダウンタウンに隣接するウィリー・ポスト・ウィル・ロジャース記念空港(Wiley Post-Will Rogers Memorial Airport)に発着する航空機である。アラスカ州内をカバーするアラスカ航空が就航しており、州の中心都市アンカレッジからフェアバンクスやプルドーベイを経由する便が1日2便ある。生活物資の全てを空輸に頼っているため、バローの物価は極めて高い。また供給量が天候に左右されやすく不安定である。一方で、イヌイットの伝統的な自給自足の生活も根強く残っている。このようにアラスカ州北部にあり、交通も不便なバローだが、上下水道や電気は整備されており、市民はバローの南12マイル地点で産出される天然ガスによって暖かい生活を送っている。バローに住むエスキモーの人々は日常的にイヌピアット語を用い、アザラシの皮でつくられたウミアックという狩猟舟を操っている。そのため、街中を歩くとクジラやトナカイの骨が並んでいたり、ホッキョクグマの毛皮が干されている。以下は2004年の人口統計データである。基礎データ人種別人口構成年齢別人口構成世帯と家族(対世帯数)収入と家計
出典:wikipedia
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