ヘルシオ(Healsio)は、2004年(平成16年)にシャープが大阪府立大学と共同開発した家庭向けウォーターオーブンの名称。同社の登録商標(日本第4880212号ほか)である。2005年(平成17年)、産学官連携分野では規模と栄誉が極めて大きい表彰である産学官連携功労者表彰を受賞。2012年(平成24年)に「ヘルシオ炊飯器」を発売したことでキッチン家電(調理家電)のブランド名称に発展している。「ヘルシー」と「減る塩」からネーミング。電子レンジのようにマイクロ波で調理するのではなく、300度以上に加熱した過熱水蒸気で調理するのを特徴とする。水で焼くため、ぱさつかず、しっとり仕上がると同時に脂が落ちて減塩ができるというのが売りである。ヘルシオが発売される前までは、過熱水蒸気オーブン(ウォーターオーブン)は、ホテルなどの業務用でしか使用されていなかった。しかし、ヘルシオでは、100V電源(商用電源)での使用に成功。発売と同時に家電業界に大きな反響を呼んだ。発売直後の売れ行きは好調で、後に各社からスチーム機能搭載のオーブンレンジが発売されるようになり、スチームオーブン市場を広げるきっかけとなった。初代ヘルシオには電子レンジ機能がついていなかったため温める機能が弱く、冷めたご飯を温めるのにも15分以上が必要だった。ユーザーからの電子レンジ機能に対する要望は強く、また調理時間についても、もっと短縮してほしいという声が強かった。そのため、第2世代のヘルシオからは電子レンジ機能が搭載され、水蒸気を加熱するヘルシオエンジンも改良されて調理時間が短縮された。ただ、2代目、3代目では過熱水蒸気調理用の皿を電子レンジ機能で使うと、本体が壊れるので注意が必要である。なお、第5世代以降は過熱水蒸気調理用の皿が付属していないため、このようなリスクはない。「暮しの手帖」誌の商品テストでは、焼き物ではガス器具での調理より風味の点で劣り、蒸し物はおいしく出来るが、健康面での効果は余り期待できないなど、「調理器具としては完成度は低い」という結果が掲載されたこともある。しかし、使い手の感想はおおむね蒸し物や肉料理、魚料理に対して良好である。ただ、魚を調理した場合、匂いが庫内に残ることが気になる点として挙げられているが、脱臭スプレーを使った拭き掃除により除去は可能である。なお、「ヘルシオ」による脱油・減塩・ビタミンC保存・栄養素保持・細胞破壊抑制・酸化抑制効果は第三者機関によって証明されている。また、清潔面も強化しており、油の付着やニオイを防ぐ「脱臭クリーンコート」を採用。また、蒸気の力で汚れを溶かし、サッとふき取るだけの「庫内クリーン機能」を搭載している。第5世代ではフラッグシップモデルのAX-X1に3.5型のカラー液晶を搭載すると共に、従来別売りだった蒸気排気ダクトを本体に内蔵したことで上部10cm以上のスペースがあれば設置が可能に。また、大量の蒸気を生かし、食器類やキッチン類を手軽に除菌できる「除菌機能」が追加された。また、この代より名称を再び「ヘルシオ」に統一すると共に、スタンダードモデルのAX-S1と普及モデルのAX-L1の3機種をラインナップする。第6世代では前世代同様の3機種のラインナップだがAX-X1の後継モデルのAX-X2では業界最多の288の自動メニューをもち、健康状態から5つの項目から料理を選べる「健康サポートメニュー」を追加。豊富なメニューから素早く選べるように検索機能も加わった。また、前世代では上級モデルのみであった内蔵型蒸気排気ダクトを全機種に拡大。また、ホワイトバックライト液晶と118の自動メニューを搭載するスタンダードモデルのAX-G1と容量26Lのコンパクト設計と厳選した42種類の自動メニュー、野菜をイメージした3色のボディカラーを設定したシンプルモデルのAX-M1をそろえた。第7世代ではラインナップを刷新。上級モデルのAX-PX1ではさらに大きくなった4.3型ASVカラー液晶をタッチパネル式とし、直感操作ができる「ヘルシオタッチ」を可能にした上、基本的な操作方法や入門メニューの調理方法などを画面で解説する「ヘルシオ教室」も搭載した。また、家庭では調理が難しかった70度~95度の温度帯で蒸気を自動コントロールする「ソフト蒸し」調理機能を搭載し、自家製ハムや温泉卵も簡単に調理できるようになった。さらに、調理時間の短縮を図るため、庫内上面と左右側面から蒸気を噴射するトリプル噴射方式を採用した。普及モデルのAX-GX1は庫内奥面と右側面から蒸気を噴射するダブル噴射方式にすると共に、液晶サイズを3.0型に大型化。シンプルモデルのAX-MX1も液晶サイズを3.0型に大型化すると共にホワイトバックライト液晶になった。なお、AX-PX1とAX-MX1には最近のキッチンのトレンドに合わせた新色「ステラホワイト」をラインナップした(AX-GX1にもホワイト系を設定)。さらに、2011年1月には追加モデルとして、小型冷蔵庫のトップテーブルにも設置できる奥行40cmのコンパクトモデルAX-CX1を発売。AX-CX1にもレッド系のほかに、ホワイト系の「ステラホワイト」が設定される。この世代以降、電子レンジ機能では出力1000Wに設定した場合、加熱時間の上限が3分に制限され、また庫内灯は点灯しない。第8世代は第7世代と同じラインナップ(PX・GX・MX・CX)としているが、フラッグシップモデルのAX-PX2では携帯電話やスマートフォンで撮影した写真を赤外線通信を利用して「ヘルシオ」本体へ送信した後、手書きのメニュータイトルや加熱条件と共に最大25件までオリジナルメニューを登録できる「マイヘルシオ」を搭載し、魚を骨まで柔らかく調理し、丸ごとカルシウムを摂取できる「骨まで柔らか」機能を追加。さらに、トリプル噴射エンジンはエンジンそのものを薄型化し、過熱水蒸気の発生効率を高めたことで過熱水蒸気の熱量をPX1比10%アップし、調理時間の短縮を実現。普及モデルのAX-GX2にはPX系に搭載されていた「ソフト蒸し」機能を新搭載し、ダブル噴射エンジンはダブルヒーターエンジンと新型ファンの搭載により調理時間の短縮を実現。1段調理タイプのAX-MX2には新たに除菌機能を搭載。一人暮らしに最適な18LコンパクトモデルのAX-CX2は液晶部をホワイトバックライト液晶に変更し、本体色にはピンク系の「スウィートピンク」を追加した。第9世代は第7・8世代と同じラインナップ(PX・GX・MX・CX)としているが、全機種共通で、食材を角皿にのせ、ボタンを押すだけで手早く同時調理できる「カンタン焼き/カンタン蒸し」を搭載。フラッグシップモデルのAX-PX3はタニタ食堂の「500kcal定食」10メニューと美容に効果があるとされる栄養素を多く含む「美容サポートメニュー」51メニューを追加。「500kcal定食」は1食分のメニューを簡単に同時調理ができ、さらに、過熱水蒸気を用いるためメニューによっては通常調理よりも更なるカロリーダウンが可能となっている。また、スマートフォン専用に開設した「ヘルシオサイト」から、本体には搭載されていない旬の食材を使ったメニューや歳時メニューをダウンロードし、赤外線通信を利用して送信することで最大25メニューを追加で登録でき、一度登録すれば、次回からはメニューから選んで調理をスタートすることができる。さらに、エンジン部分に「スイングダンパー方式」を採用した「ターボ直噴エンジン」を搭載。上段だけの一段調理時にダンパーを閉めることで上段の空間に過熱水蒸気を集中噴射することが可能になったことで調理時間の短縮が可能となった。普及モデルのAX-GX3は断熱構造エンジンの採用により過熱水蒸気の発生効率をアップし、庫内温度の上昇を早めたことで調理時間を短縮。自動メニューに「美容サポートメニュー」17メニューを追加した(「美容サポートメニュー」17メニューは1段調理タイプのAX-MX3、コンパクトタイプのAX-CX3にも搭載)。コンパクトモデルのAX-CX3はディスプレイを2.6インチに大型化した。第10世代はラインナップを刷新。PX3後継のプレミアム・ファミリータイプであるSP1は大量の水蒸気を発生させる「パワーアップ1,350Wエンジン」とPX3との体積比で約28%小さくすることで過熱水蒸気の発生効率を高めた「薄型過熱水蒸気ダクト」からなる「エコ技ターボ噴射エンジン」の採用により、過熱水蒸気をすばやく集中噴射させることで調理時間をPX3に比べて最大約40%短縮。例えば、鶏の照り焼き(4人分)の場合、第1世代のHC1で約29分かかっていたのが、第10世代のSP1では半分以下の約12分で調理ができるようになった。さらに、「ココロエンジン」も搭載され、癒しの言葉を話したり、タイミングよく操作のアシストを行ううえ、自動メニューの対象メニューに「聞いて」ボタンも配置し、料理にあわせた役立つ提案を音声で知らせてくれる。この他、GX3後継のスタンダードタイプGA1は「カンタンお菓子メニュー」を新たに搭載し、ディスプレイを3.5インチに大型化。プレミアム・アクティブシニアタイプの位置づけとなったMX3後継のSA1はディスプレイを4.3インチに大型化してタッチパネルを搭載。さらに、トップ画面はボタンや文字を大きめにして操作しやすくし、SP1同様、癒しの言葉を発したり調理終了を知らせる「ココロエンジン」も搭載。魚を骨まで柔らかく調理し、丸ごとカルシウムを摂取できる「骨まで柔らか煮」機能も追加し、ボディカラーも新たにブラウン系を追加した。CX3後継のコンパクトタイプCA1はメニュー数(クックブック・自動)を増やしたマイナーチェンジ程度である。第11世代はSP1後継のプレミアムモデルXP100において、大量の水蒸気を発生させる「パワースチームジェネレーター」、天板と背面にある3つのヒーターで過熱水蒸気を発生させる「トリプルウォーターヒートシステム」、回転数や回転方向をきめ細かく制御できる「回転ファン」、上下段の気流を仕切る「スウィングダンパー」で構成された「3ドライブハイパワーエンジン」を搭載。これにより、「2段均一加熱」、第9世代以降で可能となった「上段集中加熱」に加え、下段はスチームを満たして蒸し調理、上段は過熱水蒸気を噴射した焼き調理の「上下2段別加熱」が可能となった。さらに、庫内幅をSP1に比べて5cm長くしてワイド庫内にする一方、SP1に比べて設置面積を約22%縮小してコンパクト化した。さらに、液晶ディスプレイは「でかボタン」への切り替えが可能なほか、「でかボタン」設定時のみ、背景色を黒に変更できるうえ、ボタンの並び替えも可能となった。また、ファンデリーの管理栄養士との共同開発による「ヘルシー食メニュー」を新たに搭載した。この「ヘルシー食メニュー」はXP100のみならず、GA100・SA100・CA100にも搭載される(機種によりメニュー数が異なり、XP100は30メニュー、SA100は15メニュー、GA100は10メニュー、CA100は6メニューを搭載する)。これにより、全機種で自動メニュー数・クックブック掲載メニュー数ともに増加した。2015年2月には、プレミアムモデルのXP100をベースに、本体のドアを開ける又はスマートフォンアプリ「ココロボ〜ド」からメニューを提案し、選択したメニューの食材リストから必要な食材を選択して自動作成する「買い物リスト」、「ヘルシオレシピ」に掲載の新着メニューや特集メニューをスマートフォンから本体へダウンロードし、トップ画面に「新着メニュー」を表示してすぐに調理を開始できるクラウド機能「ともだち家電」に対応したXP1WFを追加発売した(本機種は受注生産で、「ともだち家電」を利用するには、プッシュボタン方式を採用した無線LANルーターなどの無線LANアクセスポイントとスマートフォン又はタブレット端末(Android/iOSどちらでも可能)を用意し、常時接続のブロードバンド回線(光回線を推奨、インターネットに接続する度にID認証が行われる方式では不可)が必要。また、スマートフォンアプリ「ココロボ〜ド」のダウンロードと「SHARP i CLUB」の会員登録も必要である。必要な準備が整ったらヘルシオとスマートフォン又はタブレット端末を宅内無線LANに接続し、ダウンロードした「ココロボ〜ド」を起動して「SHARP i CLUB」のシャープIDとパスワードでログイン、ヘルシオをともだち家電として登録し、「ココロボ〜ド」のボードに招待することで利用可能となる)。第12世代は最上位モデルのXP200において、「ウォーターヒート技術」・「温度センサー」に加えて、庫内天面に配置した「赤外線ムーブセンサー」を組み合わせた自動調理機能「まかせて調理」を日本国内の家庭用100Vオーブンレンジで初めて搭載。この機能は温度が低い食材により多くの熱を与える加熱水蒸気の特性、「赤外線ムーブセンサー」による食材の温度検知(右・中央・左のエリア別検知)、「温度センサー」による食材の量検知により、好みの食材や分量を角皿に並べて、4つの調理方法(網焼き・揚げる、焼く、炒める、蒸す・ゆでる)から選択するだけで、温度(冷凍・冷蔵・常温)が異なる食材が混在しても、分量の多少があっても関係なく自動調理ができるようになった。また、予熱温度まで一気に素早く加熱することによってウォーターオーブンと熱風コンベクションオーブンの2種類の手動オーブン機能で300℃のハイパワー設定が可能となり、上段集中加熱により8〜10分で調理できる「スピードメニュー」は100種類に増やし、上段を過熱水蒸気加熱、下段をパワースチーム加熱で調理する「焼き・蒸し同時メニュー」には「カンタンスイーツ」やファンデリーの管理栄養士との共同開発メニューを追加。GA100後継のSP200は噴射方式が庫内天面と奥面2箇所のトリプル噴射方式となり、「焼き・蒸し同時メニュー」、「スピード100メニュー」、最高300℃まで設定できる2種類の手動オーブン(熱風コンベクションオーブン/ウォーターオーブン)機能を搭載。さらに、「せいろ蒸し」・「骨までやわらか煮」・「サックリ解凍/全解凍」も追加され、「蒸し物セットメニュー」と「自動モーニングセット」が2段調理に対応した。SA100後継のMP200はディスプレイをタッチパネル式カラー液晶から大型ドット文字を採用したホワイトバックライト液晶に変更し、「サックリ解凍/全解凍」を搭載した。なお、XP200/SP200/MP200の3機種は横幅49cm・奥行43cm(MP200は43.5cm)のコンパクト設計ながら庫内幅41cmのワイド庫内を実現した。高さ34.5cmのコンパクトモデルCA200には全解凍機能を搭載した。2015年10月には、XP1WF後継の「ともだち家電」対応モデルXP2WFを追加発売した(XP1WF同様に受注生産となっており、「ともだち家電」を利用するための必要環境もXP1WFと同じである)。
出典:wikipedia
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