九尾の狐(きゅうびのきつね)とは、中国神話の生物。9本の尻尾をもつ妖狐。つまり、狐の妖怪である。九尾の妖狐、九尾狐(きゅうびこ)、単純に九尾、または複数の尾をもつ狐の総称として尾裂狐(オサキ)とも呼ばれる。稲荷神との習合があり、それによって同一視もされる。万単位の年月を生きた古狐が化生したものだともいわれ、妖狐の最終形態の存在であるとされる。狐を魔物、あるいは憑き物として語った伝承は日本だけでなく、古くから世界各地に残されている。九尾の狐もそうした狐にまつわる昔話のひとつであり、物語の多くでは悪しき霊的存在として登場する。中国の各王朝の史書では、九尾の狐はしばしば瑞獣としてその姿を見せる。『周書』や『太平広記』など一部の伝承では天界より遣わされた神獣であると語られ、その場合は平安な世の中を迎える吉兆であり、幸福をもたらす象徴として描かれる。また一方では、殷の帝辛(紂王)を誘惑して国を滅亡させた妲己や、南天竺耶竭陀国(古代インド西域)の王子・班足太子の妃になった華陽夫人、御伽草子『玉藻の草紙』に登場する玉藻前を例とするように九尾の狐は絶世の美女へ化身するという話も多い。紀元前2世紀から紀元3世紀頃にかけて中国で著された地理書『山海経』には実在とは思えぬ動植物の項が並んでいるが、その一書「南山経」で、青丘之山に「」とあるのが九尾の狐に関する最初の記述であるとされる。朝鮮においてはクミホ(、九尾狐)と呼ばれる。クミホは美少女の姿に化けて男性をたぶらかしてその命を奪う、悪意ある存在として描かれる。クミホは人間になりたいと願っており、男性の命を奪うのも1000人分の心臓ないし肝を食すことで人間になるためという(変身譚も参照)。近年の大衆文化作品では、映画『』(1994年)、劇場アニメ『千年狐ヨウビ』(2007年)、テレビドラマ『僕の彼女は九尾狐』(2010年)などが「クミホ」を扱っている。日本では、「玉藻前」すなわち白面金毛九尾の狐に関する伝説がことに有名である。平安時代に鳥羽上皇に仕えた玉藻前が実は妖狐であったとの記述は、14世紀に成立した『神明鏡』にすでに見られる。しかし、玉藻前が九尾の狐であるとされるようになったのは江戸時代以降のことであると考えられる。読本作家・高井蘭山が1804年に著した『絵本三国妖婦伝』では、中国の殷の妲己、周の褒姒、天竺(インド)のマガダ国の華陽夫人が実は九尾の狐であり、遣唐使の吉備真備の船に少女の姿で乗って日本に渡来、数百年を経て玉藻前となったとした。一方、曲亭馬琴は『南総里見八犬伝』において善玉である九尾の狐「政木狐」を登場させている。馬琴は玉藻前に代表される妖獣イメージが『封神演義』に影響された近年のものであるとして退け、九尾の狐は元来瑞獣であるという考証を展開している。ベトナムにおいては (九尾狐)と呼ばれる妖怪である。この九尾の狐は、ハノイのタイ湖(西湖)に棲んでいたが、玄天鎮武神()によって退治された。玄天鎮武神はチャンクオック寺(鎮国寺)(別名、鎮武観)に祀られている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。