『天は赤い河のほとり』(そらはあかいかわのほとり)は、篠原千絵による日本の漫画作品。小学館『少女コミック』誌上にて1995年3号から2002年3・4号、7号、11〜13号まで連載。単行本全28巻、文庫版全16巻。第46回小学館漫画賞少女部門受賞。主人公である現代日本(1995年)の女子中学生・鈴木夕梨(すずき ゆうり)は、古代オリエントの強国ヒッタイトの皇位継承権争いから呪術によりタイムスリップ。政治抗争や他国との戦争に巻き込まれる中で、やがて戦いの女神(イシュタル)として崇拝されるようになり、ユーリ・イシュタルとしてヒッタイトの皇妃(タワナアンナ)となるまでを描いた古代史ロマン。実在の人物・国家も数多く登場し、モデルとして作中の創作エピソードにも影響を与えている。最終巻の後に出されたムック『天は赤い河のほとりファンブック』にて、若干のエピローグが追加されている。また、2007年 - 2010年にはルルル文庫から、作者の執筆による外伝小説も刊行された。第一志望の高校に合格したばかりの中学生・鈴木夕梨(ユーリ)は、ボーイフレンドの氷室聡との仲もいい雰囲気となり、暖かい家族に囲まれて幸せな毎日を送っていた。そんな矢先、楽しいデートの最中に突然現れた両手によって、水溜りの中に引き込まれる。両手から逃れて水中から顔を出したユーリが目にしたのは、紀元前14世紀のヒッタイト帝国の首都ハットゥサだった。ユーリを召喚したのは、国内で絶大な権力を持つ皇妃ナキアだった。訳も分からぬままナキアの私兵から逃げ惑うユーリを自分の側室と偽って助けたのは、その血筋・有能さから皇位継承の最有力候補として、ナキアに最も邪険にされていた第3皇子カイルだった。自身の息子である第6皇子ジュダに皇位を継がせたいナキアが、邪魔な兄皇子達を呪い殺す生贄としてユーリを呼び寄せたことを知ったカイルは、そのままユーリを自らの宮に匿うようになる。ユーリが日本へ戻るには、3つの条件"高位の神官の魔力"、"暁の明星(イシュタル)の登る「水の季節」に、国内7つの泉が満ちる時"、"ユーリが着て来た服"を揃えなくてはいけない。一刻も早く日本に戻りたい一心から罠と知りつつもカイルの使用人ティトを伴ってナキアの宮に忍び込んだユーリは服は取り戻すが、ティトを犠牲にしてしまう。結局、漸く日本に還る儀式に臨んだユーリだったが、ティトの仇討ちを誓って翌年の泉の満ちる"水の季節"まで帰還を見送ってしまう。身の安全のため、片時も離れずカイルにつき従えるようにと行動するうちにユーリはその才覚で大きな戦功を挙げる戦いの女神"イシュタル"としてヒッタイト国民に広く認知されるようになってゆく。それと共にカイルとユーリも互いに強く惹かれ合ってゆくが、ユーリがやがて帰還することを思うと気持ちを交わすことを躊躇い、ユーリはカイルの即位をイシュタルとして支えるようになる。数々の困難を乗り越え、やがてヒッタイト皇帝(タバルナ)ムルシリ2世として即位したカイルだったが、ナキアが"元老院(バンクス)"と共に皇帝から独立した権限を持つ"皇妃(タワナアンナ)"であるため、度重なる妨害を受けても容易に反撃が出来ない。ナキアは腹心の神官ウルヒを使ってさまざまな謀略でユーリ達を狙い、カイルの異母弟である第4皇子ザナンザやユーリの忠臣となった女官ウルスラを毒牙に掛け、国を脅かし続けた。その上、エジプトの名将ラムセスもユーリを妻にと狙うようになる。そんな中、"ユーリが現れた泉"を埋めてしまうというナキアの策略で帰路を絶たれそうになったユーリは、それを阻止せんと自ら命の危機に立ったカイルの救出と日本の家族との間で決断を迫られ、ヒッタイトで生きていくことを決意。漸く2人は結ばれる。そんなユーリを遂にカイルは正妃にすると表明。しかし、ナキアの手回しによりユーリは立后の条件として帝国最高位の軍人"近衛長官(ガル・メシェディ)"の任務を与えられ、エジプトとの最前線に駆り出される。その最中、懐妊したユーリだったがウルヒの陰謀で海に投げ出されてしまい、追って来た三隊長の一人であるルサファの機転でエジプトのラムセスを頼るが流産し、生死の境を彷徨う。なんとか健康を回復したユーリだったが、ナキアとエジプト王太后―ネフェルティティの共謀を知り、ラムセスとの偽装結婚やエジプトの内乱誘発を経て前線に復帰。見事エジプトとヒッタイトの講和を成立させ、ナキアの外患誘致の証拠を手に帰国する。ナキアの廃位は決定し、ユーリのタワナアンナ立后を待つばかりと思われたが、軟禁先からナキアが逃亡。ウルヒが捨て身で残した"ユーリが着て来た服"を使い、ナキアはユーリを古代世界から排除しようと暗躍を始めていた。ユーリとカイルに、最後の試練が訪れようとしていた。実在の人物や地名。国名には内部リンクしているので、史実に基づく詳細は該当項を参照されたし。但し、本作中のエピソードの多くは創作であるため、作中における設定と、実際の史実とは相違点も多い。主神テシュプを始め、太陽女神(ヘパト)や風の神エンリルを祀る大神殿と“7つの泉”が散らばるハットゥサを首都とする新興国。シュッピルリウマ1世の功績により、オリエント内で急速に勢力を伸ばしつつある。太陽神ラーの化身である王(ファラオ)を頂点に、ナイル河畔のテーベを首都としたオリエントの古豪。しかし繁栄を極めた都は、絶大な権力を誇るネフェルティティの介入を蔑ろに出来ない無力な王や、王族女性と神官達が民人を無視した権力争いに明け暮れているなど、衰退の兆しを見せている。フルリ人によりその礎を築かれ、ワスガンニに首都を置く新興国。かつてはシュッピルリウマ1世の好敵手であったトゥシュラッタ王によって急速に力を付け、オリエント内でヒッタイトやエジプトと勢力を分ける強国となった。戦車部隊は、オリエント一との呼び声が高い。キッズワトナへ掛けた夜襲を期に、カイルが指揮するヒッタイトと争うようになる。原作者の篠原千絵自身が執筆する外伝小説、2007年から2010年までルルル文庫で刊行した。(全3作、既刊5巻)
出典:wikipedia
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