『鋼の錬金術師』(はがねのれんきんじゅつし)は、荒川弘による日本の漫画作品。また、それを原作とした派生作品。『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)にて、2001年8月号から2010年7月号まで連載された。全108話。同年10月号には番外編が掲載された。略称は、『ハガレン』等。単行本は全27巻が発売されており、累計発行部数は6,100万部を記録し、スクウェア・エニックス発行のコミックスの最高記録となる。錬金術が存在する架空の世界を舞台としたファンタジー漫画(作品の帯などでは「ダーク・ファンタジー」であるとされる)。物語の世界は、19世紀の産業革命期のヨーロッパをモチーフにしている。ダーク・ファンタジーがテーマとなる漫画作品であるにも関わらず、世界観などの雰囲気が暗くなりすぎないイベントシーンなどに評価が高く、月刊漫画としては、コミックスが6000万部以上を売り上げるという圧倒的且つ驚異的な数字を記録するなど、エニックスお家騒動による主要作品を次々と失って低迷をしていた月刊少年ガンガンの売上・発行部数にも貢献した。連載終了後も、月刊少年ガンガンの発行部数が大幅に急落するなど、反響が大きかった作品ともいえる。また、連載終了時点で『月刊少年ガンガン』の連載中作品の中では最長連載された作品である(後に「ながされて藍蘭島」が更新する)。最終回が掲載された2010年7月号は、通常の2割増しの発行部数であったにもかかわらず完売(スクウェア・エニックス発表)したため、最終回が同年9月号にも再び掲載されるという異例の事態となった。公式でもよく用いられる略称は「ハガレン」。また、英語版タイトルの「Fullmetal Alchemist」(2009年アニメシリーズの副題にもなっている)の頭文字を取って「FA」、「FMA」と呼ばれることもある。「Fullmetal」という語は和製英語であり、本来は「Full Metal」と分けて表記する。アメストリス国の片田舎リゼンブールに生まれ育ち、高名な錬金術師ヴァン・ホーエンハイムを父親に持つ兄のエドワード(エド)と弟のアルフォンス(アル)のエルリック兄弟は長じるに従い錬金術師としての才能を開花させていく。だが、父の失踪後は女手一つで兄弟を育ててきた最愛の母親トリシャは病に倒れて帰らぬ人となった。兄弟は旅行でリゼンブールを訪れていたイズミ・カーティスが錬金術で水害から人々を救う姿に惹かれ、彼女に弟子入りを懇願する。厳しい試験と合格後の過酷な訓練で実力を磨き上げる。だが、それには重大な目的が隠されていた。母親の死を受け入れられない兄弟は、錬金術における最大の禁忌人体錬成でトリシャを蘇らせようと考えていたのだ。だが、錬成は失敗。エドは左脚を、アルは自らの身体全てを失ってしまう。エドはアルまでも失うことを恐れ、自身の右腕を代価として父のコレクションの甲冑にアルの魂を定着させることに成功する。だが、生きる目的を失ったエドは廃人同然となり、アルは眠れぬ体に苦悩する。二人は父の親友で機械鎧(オートメイル)技師のピナコ・ロックベルに保護され、幼馴染みのウィンリィ・ロックベルと共に暮らすことになった。そんなとき、国家錬金術師で焔の錬金術師の二つ名を持つロイ・マスタング大佐が副官のリザ・ホークアイ中尉を伴って兄弟を訪ねて来る。天才錬金術師として噂のエルリック兄弟をスカウトしに来たのだった。だが、聡明なマスタングは死んだ目をしたエド、鎧姿のアル、そして彼らの自宅の惨状を目の当たりにしてなにがあったかを理解。エドの愚行を責めつつ、その気があるなら自分を訪ねてこいと言い残して去って行く。「元の体を取り戻すため軍の狗として生きる」覚悟を決めたエドは過酷な手術の末、失った右腕と左脚に機械鎧を装着。ウィンリィは専属技師となってエドを支える決意をする。12歳になったエドはリハビリの後、国家錬金術師の資格取得に赴く。人体錬成の際に真理の扉を目の当たりにしたエドは師イズミと同様に錬成陣無しでの錬成術(手合わせ錬成)を身につけていた。大総統キング・ブラッドレイの眼前でその技を披露したエドは合格し、ブラッドレイから二つ名鋼を授かる。国家錬金術師の証である銀時計を手に帰省したエドはアルと共に自宅を焼き払い。その事実を時計に刻み、絶大な力を持つという賢者の石に肉体を取り戻す可能性を求め、ウィンリィとピナコに別れを告げる。こうして鋼の錬金術師となったエドとアルの旅が始まるのだった。やがて二人の壮絶なる旅は様々な事実を明らかにしていく。「賢者の石の材料が大量の生きた人間である」こと、「アメストリス国軍が賢者の石錬成のため数々の流血事件を引き起こし、その最たるものがイシュヴァール殲滅戦」だということ、「目的達成のため最初の人造人間(ホムンクルス)が自ら棄てた7つの感情(欲求)の名を持つ子供たちを暗躍させている」こと、「キング・ブラッドレイの正体が憤怒(ラース)の名を持つ年を取るホムンクルスで軍事国家の支配者となるべく産み出された」ということ、「かつて一夜にして滅んだクセルクセス王国の滅亡は“最初の人造人間”が肉体を得るために引き起こした惨劇であり、唯一人の生き残りとなったのが兄弟の父ヴァン・ホーエンハイムである」こと、「人の形をした賢者の石たるヴァン・ホーエンハイムこそが東方に錬金術を広めた伝説の人物で長き人生を同胞たちの復讐に捧げ、最初の人造人間(ホムンクルス)打倒のため入念な準備を重ねてきた」こと。「人体錬成の域まで錬金術を極め、真理の扉に到達した者たちを人柱としてアメストリス国そのものを錬成陣とする賢者の石錬成が準備されている」こと・・・。エルリック兄弟はイズミ夫妻、ホーエンハイム、ロイ・マスタングと彼の部下たち、マスタングの元上官グラマン中将率いる東方軍、豪腕の錬金術師・アレックス・ルイ・アームストロング少佐とその姉でブリッグスの北壁ことオリヴィエ・ミラ・アームストロング少将率いる北方軍、シン国の皇子リン・ヤオと二人の従者。リンが宿すことになった強欲(グリード)、シンの皇女で錬丹術の使い手メイ・チャン、軍の実験でキメラにされた4人の元兵士、そしてウィンリィの両親の仇であり、兄弟の宿敵で復讐に生きるイシュヴァールの武僧傷の男(スカー)と彼が集めたイシュヴァール難民・・・といった協力者たちと共にホムンクルスの野望を挫く決戦の日へと向かうのだった・・・。登場する暦は、特別な記載が無い限りアメストリス国で使われている大陸暦である。この物語の舞台となる国。人口5000万人。1558年頃に建国され、戦争によって徐々に領土を拡大した。現在はほぼ円形に近い形をしており、中央と東西南北の5つのエリアが存在する。主要な機関はセントラルに一極集中している。また、文字表記は英語となっている。大陸の内陸部に位置し、東西南北それぞれにシン、クレタ、アエルゴ、ドラクマという国と隣接する。ただ、シンとの間には東の大砂漠があるため、厳密に隣接しているとは言い難い。「アメストリス」と言う国名の由来は実在した人物で、紀元前ペルシアの王クセルクセス1世の后アメストリスから取られている。また作中に出てくる「クセルクセス」は、この王の名前が由来である。「お父様」が「星の真理」を得るために建国した国であり、頻発する内外での紛争や領土拡大は全て国土錬成陣の完成のためのものである。ヨーロッパをモデルにしており、イメージは産業革命期頃のイギリス。ガンガンコミックス(スクウェア・エニックス)より発刊(一部除く)。巻末とカバーを外したコミックス本体には描き下ろしのおまけ漫画が収録されている。またカバーを外したコミックス本体の背表紙には、その巻に収録された話において死亡した人物や生物が昇天する様子が描かれている(ごく一部に例外あり)。2011年6月から、1冊に6話収録された完全版コミックスが発売されている。テレビアニメシリーズが2作、アニメ映画が2作ある。いずれもボンズが制作、毎日放送とアニプレックスが製作している。2017年に、山田涼介(Hey! Say! JUMP)の主演で実写映画化予定。時期によって設定が異なるため、分けて説明する。傾向としては原作よりもアニメ(2003年)のストーリー展開や設定に沿っている(「赤きエリクシルの悪魔」や、もう1つの劇場版と宣伝された「神を継ぐ少女」など)。しかしながら、当初2003年アニメ版のハイドウ村(マウロのいた村)からセントラルシティへ向かう途中の話とされた初作「翔べない天使」が、後に「鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女」予約特典ブックレット「PS2鋼の錬金術師大全」で原作の第9話と第10話の間(同じハイドウ村からセントラルシティへ向かう途中である)と説明されたように、時期によって説明が異なる場合もある。また、「鋼の錬金術師2 赤きエリクシルの悪魔」ではリゼンブールを通り、ゴーレム事件を解決後、終盤のシーンで「翔べない天使」のガンツ・ブレスローが登場している。ゲームオリジナルキャラクターに関しては、上記のように傾向として2003年のアニメ版に沿うため「鋼の錬金術師の登場人物一覧 (アニメ)」を参照のこと。全年齢対象が多いが、『鋼の錬金術師3 神を継ぐ少女』のみCERO12(12歳以上対象)指定となっている。内容としては原作(もしくは2009年のアニメ版)に沿っている。「暁の王子」「黄昏の少女」は前・後編。エルリック兄弟が北部へ向かう(原作16巻)直前のストーリー。ゲームオリジナルキャラクターに関しては、鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMISTを参照のこと。全年齢対象の多かった前作に比べて、以上のものが多くなった。また、「約束の日へ」は。
出典:wikipedia
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