比較広告(ひかくこうこく)は、自社や競合する他社の商品と比較して優位性をアピールする広告の手法で、価格や性能などの数値を引き合いに出して商品をアピールするもの。コンパリゾン・アドとも言う。欧米型の代表的なものとして、相手の商品と比較する広告が多い。日本では新商品と自社の旧商品を比較する広告(当社前身商品の型番比、当社比などと表現される)が多く用いられる。欧米や欧米型として記述しているが、欧州では比較広告は法的規制や公的な議論となることが多くアメリカのような自由は少ない。ドイツなどは大変厳しい、イギリスでも大きな議論となる。そのため欧米や欧米型という記述で米国と欧州をあわせて全体を同質では見ることはできない。ペプシチャレンジの一環で行われたアメリカの広告キャンペーンは歴史に残るものとなった。1980年代にペプシコーラは全国各地でブラインド・テストによる公開試飲調査を行い、ここでコカ・コーラよりも美味しいと回答した人が半数を超えたことを宣伝した。これは大きな話題を呼び、シェアを拡大することに成功した。ペプシ社は結果の知れないチャレンジに挑んだのではなく、事前調査により得られた「一口目はコカ・コーラよりも甘いペプシを選ぶ傾向がある」ことを利用したものとされるが、具体的な調査についてペプシ社は明らかにしていない。(後に、このブラインド・テストは日本でも再現されることになる。)公的なデータが示されたモノとしては、三菱・ギャランの衝突回避性能アピールがある。これは「併走するギャランとトヨタ・カムリの目の前に様々な障害物を投下し、衝突回避性能を試す」というもの。CMの流れとしては「前を走るトラックから投下される障害物を避けるにつれ両者の挙動は対照的(ギャランは終始安定しているが、カムリはだんだん不安定になっていく)になり、最後にクルマが投下されるとギャランは避けきって走り続けるがカムリは避けきれず止まってしまった。そしてその後『新型ギャラン、衝突回避性能でカムリを破る』と言うテロップが出る」というモノである。また、ライバルの名は出さないがあからさまにわかってしまう、というケースもある。1990年に放送されたヒュンダイのCMでは2台の白いクルマが映し出されており、一方には「ヒュンダイ・ソナタ」と、もう一方には「対抗車種」と出ている。しかしながら、その「対抗車種」にはボカシなどがいっさい入っておらず、すぐに比較対象はトヨタ・カムリだとわかってしまう。内容としては各メディアのソナタに対する賞賛の声が次々と紹介(ここでも対抗車種の名前は出てこない)され、それにつれて「対抗車種」が緑になっていく(日本語で言うところの「青ざめた」状態)というものである。またこの型のソナタのCMには、「ホンダ・アコードはいいクルマだ・・・」と始めておきながら、次第にアコードが無数のソナタに取り囲まれてしまう(でもみんなアコードよりソナタを選んでいるぞ、と言う意味と思われる)・・・と言った内容のモノもある。またアメリカ合衆国大統領選挙で多く用いられ、相手陣営の急所を突く批判広告とそれに対応する自陣営の対案の宣伝がテレビで頻繁に放送される。1971年の日産“サニー1200”のCMで「隣りのクルマが小さく見えまーす」というキャッチコピーが使われ、トヨタカローラに対する優位性を主張したように、他社との比較は昔から行われてはいた。しかし日本に於いては誹謗のおそれがあることから、具体的な相手名を名指しするような行為は忌避されていた。1980年代に入り、外資系企業から自由な広告営業への圧力が強まると、1986年に公正取引委員会から俗に言う「比較広告ガイドライン」が発表された。このガイドラインで景品表示法において比較広告は禁じられていないことが確認され、内容が客観的に実証されていることとその事実を正確かつ適正に示すことが求められるようになり、これを受けて一部の業種で比較広告が行われるようになった。ペプシコ・ジャパンが、「ペプシチャレンジ」と称した比較広告を展開した後、コカ・コーラとの比較広告でラップ歌手のM.C.ハマーなどを起用して、極めて欧米型の比較広告を展開した。さらにクレームが寄せられた後も、コカ・コーラのロゴに大袈裟なモザイクをかけて放送し続けるなど、視聴者に更なるインパクトを残すことに成功している。なお同社は、CM放送終了後に視聴者アンケートを実施し、感想の回答者全員に無修正版のCMとアメリカ本国で放送している別の比較CM2本を収録したVHSビデオテープをプレゼントするという企画を実施した。相手への攻撃と取られないように、客観的なデータの提示を行うものも多い。代表的な例が、後発電話会社(いわゆる新電電)の広告で、ある地域にかける電話料金について、NTTグループの料金と比較した優位性をアピールするものである。2009年にはトヨタ・プリウス ZVW30 vs ホンダ・インサイト ZE2との間では、販売・広告両面において血で血を洗う争いが展開された。インサイトがデビューした際のTVCMは200万円を切る「低価格」を売りにしたものであった。しかしその直後デビューしたプリウスのカタログで、他社ハイブリッド車(比較対象となる当時市販されているハイブリッド車は、ホンダのインサイトとシビックハイブリッドしか無かったのですぐにわかる)に対する優位性を強調したものがあったが、あまりにも露骨かつ蔑ました内容(自車の優位性を自転車に例えてトヨタはアスリート2人、“他社”の方は普通のお父さんと子どもが漕いでいるというもの)のため、ホンダ側の申し入れにより刷り直し分からは、特に通知もなく削除された。そして2009年冬頃になると、今度はホンダが「お手頃なハイブリッドは?」「インサイトです!(※189万円からであることを字幕で強調)」「新年はハイブリッドで…」「それも、インサイトです!(※なお、プリウスは即納どころかエコカー補助金締め切りにも間に合わない状況だった)」というCMで反撃した。エコカーの広告に関しては、その後も後述のSKYACTIVやダイハツ・ミライースなど、いわゆる「第3のエコカー」が、純粋な内燃機関車であることのメリットを打ち出したり、ハイブリッドに関しても、ホンダの「ハイブリッドは、エコで終わるな(CR-Z)」「もっと選ばれる理由が必要だ。(フィットシャトル)」、日産・エクストレイル「X-TRAILがヤワなハイブリッドの時代を終わらせる。」、フォルクスワーゲン・ゴルフGTEの「燃費だけのハイブリッドは、もう古い。」「退屈なハイブリッドに、終わりを告げる。」など、攻撃的ともとれるキャッチコピーを採用することが間々ある。政治においては、2009年の第45回衆議院議員総選挙で、自由民主党による「保守色」を前面に押し出したウェブサイト、アニメCM他での民主党への比較広告作戦が展開されたが、選挙戦では敗北した。西友のCMの中には、時にダブルミーニングや比較広告的な構成をとるものがある。サムスン電子・Galaxy S5(アップル・iPhone 5sに対抗):ALSに対する支援のパフォーマンスとしてアイス・バケツ・チャレンジが世界中に広がりを見せていた中、サムスン電子のイギリス法人は、自社の防水スマートフォンGalaxy S5に氷水を浴びせ、iPhone 5sなど他社製の防水でない端末を次のチャレンジ者として指名したが、チャリティ活動を単に自社の広告のために利用したと批判されている。マツダ・SKYACTIV TECHNOLOGY:いずれもハイブリッドカーや電気自動車を標的にした内容。SKYACTIV-Dでは「ディーゼルの本気を、日本は知らない。」というキャッチコピーを使用。 CX-5ディーゼル(FF車)は、HVを含めた全SUVの中で一番低燃費だとしている。また、尿素SCRシステムのような後処理システムが不要(=安価で楽)という点も言われている。更に日本は、ガソリン車への依存度が高く、原油を輸入しておきながら軽油を輸出していると言う現状に触れ、「ディーゼル車の普及により(中略)貴重な輸入資源を無駄なく使う」とも主張している。またSKYACTIV-Gに関しても「HVは重い、高価、メンテが困難、だから世界展開は難しい」という指摘をパンフレットで展開していた。サントリーのザ・モルツ(アサヒビール・スーパードライに対抗)はCMに EXILE TRIBEを起用。HIROが「これ飲みやすいんだよね」と話しかけると、松本利夫が「ドライに生きてて楽しい?」と返す。その後、「ドライに生きて、楽しいか」の文字が大きく現れる。
出典:wikipedia
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