電磁気の単位(でんじきのたんい)を単位系に組み込もうとするとき、電磁気に関係する物理量は、長さ・質量・時間だけでは表すことができないため、もうひとつ別の物理量を単位系に加える必要があるように思える。現在、単位系の国際標準となっている国際単位系 (SI) では、事実そうしている。しかし実際には、他にも方法がある。電磁気学の方程式は、単位系によってさまざまに異なる形に書かれる。そこで係数を含む形で単位系によらずに成立する量方程式を示し、各単位系でそれがどのように変化するかを示す。まず、電磁気的な力を与えるローレンツ力はとなる。次にマクスウェルの方程式はとなる。後で磁荷について論ずるため、磁荷密度 を含む形で書いている。最後に と 、 と を関係付ける構成方程式はとなる。マクスウェルの方程式から連続の方程式が導かれる。また、真空における光速度がと表される。静電場、静磁場においてはクーロンの法則が導かれる。定常電流に対してはビオ・サバールの法則が導かれる。マクスウェルの方程式は2つの係数 を含んでいる。係数 は有理化の係数で、単位系が有理系のときには であり、非有理系においては である。係数 は対称化定数、連結因子と呼ばれる係数で、 と選べば電気的な場と磁気的な場が同じ次元となる。構成方程式に含まれる はそれぞれ電気定数、磁気定数と呼ばれる。これらは光速度と関係付けられており独立ではない。これらの一方に新たな単位を与えることで、電磁気学の単位系は4元系となる。なお、これらの係数の置き方は必然ではなく、置き方が違っても同様に話を進めることができる。ここでは岡部洋一に倣った(外部リンク参照)。力学的な量の基本単位をMKS単位系とするかCGS単位系とするかの違いである。単位の大きさにしか影響せず、式の形などは変化しない。有理化の係数 は、有理系()においては をとり、非有理系()では をとる。いずれも無次元量であり、電磁気的な量の次元には影響しない。歴史的には、クーロンの法則やビオ・サバールの法則がマクスウェル方程式より先に知られていたため、初期の単位系ではこれらの法則の係数 が消える非有理系だった。後により基本的な関係式であるマクスウェル方程式が確立されたことにより、マクスウェル方程式に現れる係数 を消去する有理化()が提唱された。無理数である を消すことが「有理化」と呼ばれた由来である。有理系では が完全に消えるわけではなく、非有理系では現れなかったクーロンの法則やビオ・サバールの法則の係数に が現れる。物理的には、点電荷のもつ電気量が、有理系では周囲に出す全ての電束に等しいと考え、非有理系では1ステラジアンあたりに出す電束に等しいと考える。電磁気学の法則は電気と磁気について式の形は対称的であるが、電気的な量と磁気的な量で次元が一致するとは限らない。対称化の係数 に速度の次元を与えることで、電気的な量と磁気的な量の次元が一致する。電磁気学における速度の次元をもつ定数は、真空における電磁波の伝播速度、即ち光速度 である。電気的な量と磁気的な量の次元を一致させる対称な単位系では とする。特殊相対性理論において、電気的な量と磁気的な量が対応付けられるため、理論的な見通しが良くなる。(ただし、特殊相対性理論を扱う場合にしばしば とする単位系が選ばれる。)基本単位が3つか4つかの違いである。3元系の場合、力学の単位系に新たな基本単位を加えることなく、電磁気の単位を生み出す。たとえばCGS静電単位系では、"ε" = 1(無次元)と置くことで、クーロンの法則から "ε" が消去され "F" = "Qq"/"r" となり("α" = 4"π" も代入した)、これに "F" = 1 dyn、"r" = 1 cm、"Q" = "q" = 1 esu を代入すれば電荷の単位 esu = dyncm が導き出される。dyn と cm から組み立てられていることからもわかるとおり、これは基本単位ではなく組立単位である。どの定数をどのような値に置くかにより、さまざまな単位系ができ、単位の大きさだけでなく次元も異なる。CGS系電磁単位系・静電単位系・ガウス単位系では "α
出典:wikipedia
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