アルビレオ (Albireo) は、はくちょう座の恒星で3等星で二重星のはくちょう座β星の通称、またはそれを構成する星の1つであるはくちょう座β星の固有名である。はくちょう座β星は、北十字を構成する星の1つ。全天で最も有名な二重星の1つである。当記事では、はくちょう座β星について記載する。肉眼で見ると、はくちょう座β星は単一の星のように見える。しかし、望遠鏡で見ると、二重星であることがすぐに分かる。3等星のβ星(β星A)は金色に見え、5等星のβ星(β星B)は青色に見える。地球から見ると、2つの星は34.46秒離れて色がはっきり異なり、天球上で最もコントラストの鮮やかな二重星の1つである(その美しさのため「北天の宝石」とも呼ばれ、宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」でこの2つの星を、輪になって回るサファイアとトパーズになぞらえている)。この二重星は、見かけ上の二重星なのか、真の連星系なのかわかっていない。ヒッパルコス衛星の観測によれば、2つの星の固有運動の方向は一致しているものの、それぞれの固有運動の値は3倍ほど異なっている。これは誤差の範囲を超えている。もし、はくちょう座β星が連星系であれば、約10万年の周期で公転しており、約6千億km(太陽系の大きさの約55倍に相当)以上離れている。主星は、それ自身が連星である。その伴星は、本来の慣習に従うと、はくちょう座β星Cと呼ばれるが、B星(β星)が真の連星であるか不明なので、「はくちょう座β星Ac」と呼ばれる事が多い。別名称のWDS J19307+2758Acでも「Ac」が使用されている。それに対して、A星の主星は「Aa」と呼ばれる事もある。1923年にヘンリー・ドレイパーカタログに登録され、AaとAcにはそれぞれHD 183912とHD 183913という名称が付与された。1979年、C.E.ウォーレイはアメリカ海軍天文台の66cm望遠鏡を使い、主星から0.40秒角離れた位置に主星より1.5等級暗い星を確認している 。なお、今日では補償光学により主星と伴星の分離が可能となっている。はくちょう座において、はくちょう座β星は白鳥の頭部に位置しているため、英語では beak star つまり「くちばしの星」と呼ばれることがある。この星は中世のアラビア語話者の天文学者には "minqār al-dajāja" (雌鳥のくちばし)と呼ばれていた。現在のアルビレオという名称は、誤解と誤訳の結果である。はくちょう座はギリシア語で "ornis" であったが、これがアラビア語では "urnis" に変化した。ラテン語に翻訳された際、この名称は植物の "Erysimum officinale" を指すものであると解され、そのラテン語名 "ireo" に訳された。後に "ab ireo" という記述がアラビア語の術語の誤写だと考えられ "al-bireo" と書き直された。2016年7月20日、国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、"Albireo" をβ星の固有名として正式に承認した。
出典:wikipedia
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