小田 晋(おだ すすむ、1933年7月28日 - 2013年5月11日)は大阪府生まれの日本の医学者、精神科医。専門は精神病理学。筑波大学名誉教授。国際医療福祉大学名誉教授。元帝塚山学院大学教授。医学博士。島崎敏樹の著した『感情の世界』を読み、東京医科歯科大学島崎教室に入局することを決意した。島崎は人間をあれこれの方法で分解し細分化するのではなく、人間学的現象学の立場に立って全体をすくいあげ、その生きがいを浮かび上がらせることに長けており、彼の直接の指導を受ける機会に恵まれたことは一生の宝であると述べている。小田は精神病理学を軸に、社会精神医学、犯罪精神医学に関する論文の発表を多数行っている。またロールシャッハテスト、HTPテスト、風景構成法などの心理テストの達人としても知られていた。精神科医として刑事事件で容疑者の精神鑑定を行い、1982年の日航機墜落事故や、2000年新潟少女監禁事件において被告の精神鑑定を行った。またオウム真理教元幹部の心理鑑定を行っている。1984年に起きたグリコ森永事件、1988年東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件、1995年地下鉄サリン事件、1997年神戸連続児童殺傷事件など、重大事件では背景を分析し、犯罪心理についてメディアで積極的にコメントを行っていた。同性愛を始め、人間の性愛について造詣が深く、性や犯罪が人間の心理にどんな影響を及ばすかについて『性と犯罪の心理』(芸文社)などにおいて、様々な見地から考察している。同著では、「欧米には以前からユダヤキリスト教の一部の思想とか、19世紀ドイツの衛生思想といったものがあり、同性愛は悪、とする考え方が特に教育者や医者に浸透していました。現在同性愛者の解放運動が盛んなのも、こうした強い抑圧が背景にあってのことなんです。けれど、明治維新以前の日本は同性愛に寛容だったんです。明治時代の学者や教育者が、旧ドイツのプロイセンを手本として学んで以来、異常なものとしてみるようになっただけなんです。もともと、同性愛を悪だ、と考えていた欧米が容認に向かう中、昔から寛容だった日本人が今までも、同性愛を罪悪のように考えているとしたら、これは一種の東西のすれ違いの現象で、まことに皮肉なことだといわねばなりません」、「同性愛者が罪悪感を持ったり、同性愛者を異端だと決め付けるのは大して意味のないことだと思います」と述べている。自ら「反人権派」を公言し、犯人に対して痛烈な批判を行うため、その評価は賛否両論である。人権派を批判する時には、「暴走族友の会」「社会解体促進同盟」などの痛烈な造語を用いて批判していた。これは人権が強調され過ぎる余り、警察、学校、家族などが犯罪の芽を摘むことができなくなり、社会秩序が崩壊してしまうという持論によるものである。刑罰を厳しくすれば犯罪を防止できるとし、犯罪の原因を社会矛盾よりも犯人の人格に求める持論を展開した。(映画監督の山際永三が、その人権感覚を批判している)。とはいえ、こうした考え方は犯罪精神医学に根強いものであるため、小田だけに限ったことではない。1979年に起きたロボトミー殺人事件の被告人の精神鑑定を担当し、検察側証人として「責任能力あり」「脳波検査での異常なし」と証言した。しかし、控訴審では検察が提出した別の鑑定医のカルテにおいて「脳波検査での異常あり」と検察自身により覆された。
出典:wikipedia
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