衛所(えいしょ)とは、十進法に基づく明朝の軍事組織の制度。及びその単位。唐の府兵制を範とする兵農一致の軍事編成で、明代軍事体制の中核をなす。規模の大小により、十戸所・百戸所・千戸所、五つの千戸所を統括する衛などから成る。衛は、の3種に分かれる。親軍衛・京衛は首都に配置、外衛が全土に配置された明朝軍隊の根幹をなす。都司は中央の五軍都督府に属し、五府は兵部の命を受けた。また明朝は、女真・チベット・苗など、民族単位での統一政権を樹立していない諸民族に対して冊封を行う際、その規模の大小に応じ、衛所の指揮官の称号を授与した。このように、近隣諸民族の諸侯に対し名目的に称号を付与することによって成立した諸衛を「羈縻衛(きびえい)」という。衛所の活動形態は、戌軍による守備活動としての守城(捕盗・辺防・海防を含む)と、衛所の経済的基礎をなす屯田行為とが基本であったが、実際には、この基本的類型の衛所だけではなく、そのほかに漕運活動・班軍活動のいずれかを、あるいはその両方を担っている衛所が多かった。衛所の軍兵は、などの方法で集め、軍戸として軍籍につけ、月糧・行糧などの軍餉を受けた。なお、外衛の軍兵には、などの種類があった。結果的に、軍戸は従軍と労役、屯田して軍需物資の提供、という三役を同時にこなさねばならず、多くが疲弊し、没落を余儀なくされた。また、戸籍からして、軍籍は民籍と分けられており、明の制度上、そこからの離脱は基本的に不可能であり、軍戸に生まれた者は殆ど例外なく永代軍戸を継ぐことが義務付けられた。次第に田畑を売りつくし、一家を挙げて逃散するものが相次ぎ、明も後期になると衛所制は衰退していった。
出典:wikipedia
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