『名もなき毒』(なもなきどく)は、2006年に幻冬舎から刊行された宮部みゆきの長編推理小説。杉村三郎シリーズの2作目で、前作『誰か Somebody』以来3年ぶりの現代ミステリーである。『北海道新聞』『中日新聞』『東京新聞』『西日本新聞』で2005年3月1日から同年12月31日まで、『河北新報』で2005年4月1日から2006年1月30日まで、『中国新聞』で2005年8月5日から2006年8月10日まで連載し、最終章を書き下ろして、2006年8月25日に幻冬舎から単行本が刊行された。2009年5月21日に光文社からカッパ・ノベルス版が、2011年12月10日に文春文庫版が発売された。2007年には第41回吉川英治文学賞を受賞した。時系列としては『誰か Somebody』の約1年後となっていて、登場する原田いずみの悪意からくるトラブルと連続無差別毒殺事件を並行して描き、宅地土壌汚染やシックハウス症候群などの問題も取り入れられたストーリーを展開、また1931年(昭和6年)に発表された藤山一郎の歌謡曲『丘を越えて』の歌詞が終盤の要素として用いられている。2013年の杉村三郎シリーズのドラマ化作品『名もなき毒』で、第6話から11話までの第2部として映像化された。今多コンツェルン会長の娘婿の杉村三郎が所属する同コンツェルングループ広報室は、満足な仕事をこなせず、度重なるトラブルと軋轢を生みだすアルバイトの原田いずみを解雇した。しかし、いずみが「広報室の社員達から嫌がらせやセクハラをされた」と嘘八百を並べ立て、訴訟を起こすという手紙を会長の嘉親宛てに送ってきたことから、三郎は嘉親の命を受け、いずみの窓口として問題対処にあたることになる。いずみの詐称だらけの経歴の裏付けを取り始めた三郎は、その最中に過去にいずみを調べていたという私立探偵の北見一郎、北見の元を訪ねてきた女子高生・古屋美智香とその母・暁子と出会う。暁子と美智香はさいたま市、横浜市、東京都で発生した連続無差別毒殺事件の第4の被害者の娘と孫だったが、事件全体の繋がりが不透明なところもあり、暁子は警察から犯人として疑いを持たれていた。この事により、古屋親子の関係がぎくしゃくしていることを知った三郎は、暁子達に親身になり、自らも事件の真相に近付いていく。やがて、いずみの悪意が広報室全体を襲い、やがては三郎個人に照準を定めていく。
出典:wikipedia
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