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クリフォト

クリフォト(Qliphoth、)は、ユダヤの神秘主義カバラにおける悪の勢力もしくは不均衡な諸力を表す概念である。「クリフォト」という言葉自体はヘブライ語で「皮」「殻」を意味するクリファ(qlipha, )の複数形である。邪悪の樹(Tree of evil)はクリフォトを図式化したモデルのひとつである。邪悪の樹は最下位のセフィラであるマルクトの下方に伸びており、生命の樹を逆さまにした構造を持つ。邪悪の樹の各球体には様々な悪徳と悪魔が対応する。また、球体の番号にはそれぞれ虚数単位を意味する「i」が付けられている。日本では「トワイライトゾーン」誌に掲載された魔術に関する記事でこの図式が紹介されたが、その情報源はウイリアム・G・グレイ(William G. Gray)の "The Tree of Evil" である。魔術の学院I∴O∴S∴の学習主任である秋端勉も同じモデルを採用している。各悪徳及び悪魔は以下のようになっている。(秋端勉『実践魔術講座』硯文社、第9・10章を参照)アレイスター・クロウリー晩年の秘書であったとされるイギリスのオカルティスト、ケネス・グラントは "Nightside of Eden" (1977年)において生命の樹の闇の側を探求した。セトのトンネル(Tunnels of Set)は同書の後半で解説されているもので、生命の樹の22の径に対応するクリフォトの闇のネットワークを表している。これを著すに当たりグラントが依拠した情報源は、クリフォトの22の径に対応する霊(genius)の名称とそのシジルが記されたクロウリーの霊界交信文書 "Liber CCXXXI" (『231の書』)であった。グラントの論ずるところ、クリフォトは邪悪なものではない。セフィロトの鏡像であり、通常のリアリティの裏に隠された虚のリアリティの世界である。そして「セトのトンネル」は悪霊の王国ではなく、無意識領野の先祖返り的な古層の域であるとしている。アメリカのオカルティスト、リンダ・ファロリオ(Linda Falorio)はセトのトンネルをカードに表現した「シャドウ・タロット」(The Shadow Tarot)を制作した。22のセトのトンネルの名称は以下の通りである。(参照文献 Grant, Kenneth. "Nightside of Eden". Skoob Books.)(参照文献 Savedow, Steve. "Goetic Evocation". Eschaton.)(参照文献 Godwin, David. "Godwin's Cabalistic Encyclopedia". Llewellyn Publications.)(Magical Correspondences by Bill Heidrick を参照)

出典:wikipedia

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