シアナミド(Cyanamide)とは、分子式 CNH で表されるアミド化合物である。化成品原料や肥料として利用される物質であり、医薬品としても使用される。1910年には年間約2万トンを生産する工場が、ドイツ・イタリア・カナダ・フランス・および日本で操業されていた。1913年には生産量が10倍に増大し、1918年には戦時下の肥料と軍需向け窒素需要のために、年産は60万トンまで上昇した。1939年からメラミン樹脂の材料として生産量が増大した。1962年、世界総生産量は900万トンを超えた。このときの主要生産国はドイツ・日本・アメリカであった。カルシウムシアナミドを水と反応させ、二酸化炭素を溶液に通じるとシアナミド水溶液が得られる。硫酸で中和して炭酸カルシウムを沈殿させ、濃縮すると無色針状結晶として得られる。シアナミドはカルボジイミドと互変異性をもっている。アルカリ性溶液中で加熱すると、シアナミドとカルボジイミドとが反応したジシアンジアミドが生成する。ジシアンジアミドは土壌中の水分で徐々に分解して、尿素と炭酸アンモニウムになる。ジシアンジアミド自身は植物に有害なので基肥として利用される。シアナミドはアミンと反応してグアニジンとなるので、化成品原料として重要である。シアナミド自身は刺激性を持ち、皮膚に触れると炎症を引き起こす。日本では毒物及び劇物取締法で劇物に指定されている。シアナミドは日本薬局方一部収載品で、慢性アルコール中毒、過飲酒者に対して断酒、節酒目的で用いられる。商品名は、シアナマイド。本剤はアルデヒドデヒドロゲナーゼを阻害するので肝臓におけるエタノール代謝を抑制し、悪酔いの原因となるアセトアルデヒドを体内に蓄積させる。このため少量の酒でも苦しい目に遭い、断酒、節酒の効果がもたらされる。本剤を服用時は、嗜好品である酒を飲まなくても、奈良漬のようなエタノールを含む食品や少量の薬用酒を摂取した程度でも悪酔いすることがある。「飲酒」とまで言わない程度のアルコール摂取にも注意が必要である。
出典:wikipedia
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