『されど罪人は竜と踊る』(されどつみびとはりゅうとおどる)は、浅井ラボのライトノベル。イラストは宮城。第7回スニーカー大賞〈奨励賞〉受賞作。応募時のタイトルは『されど咎人(とがびと)は竜と踊る』。通称「され竜」。当初は角川スニーカー文庫から発行されていたが、その後小学館ガガガ文庫へ移籍した。ガガガ文庫版については『されど罪人は竜と踊る Dances with the Dragons』を参照。「咒式」(じゅしき)という科学と魔法が融合した独特の技術を基にしたファンタジー。残酷ともいえる物語と表現方法、演出の仕方により「日本で最初の暗黒ライトノベル」と称される作品。小学館ガガガ文庫からは正式に「暗黒ライトノベルの始祖にして最終作」としてセールスされている。量子世界の基本単位である、作用量子(プランク)定数hを操作し、森羅万象を生み出す力、咒力。これを操るものたちは咒式士、その力を人殺しやバケモノ退治に使う者たちは攻性咒式士と呼ばれる。掃き溜めの町エリダナ在住の二人の(ダメ)咒式士たち罪人と、頭のイカれた依頼人・友人・権力者・犯罪者・同業者たち人格破綻者と、"異貌のものども"の物語。本作は咒式と呼ばれる通常のファンタジーともSFとも異なる独特の設定に基づいて書かれている。「咒力」と呼ばれる力を扱う咒式士達が組成式を書き出し、人工的にプランク密度を作り出して基本物理定数を変異させる。それによって生み出されるのは全て実在する化学現象である。咒式は主に、化学系咒式(化学物質や金属を生む)、生体系咒式(生物に関係する物質や器官、もしくは生物自体を生む)、電磁系咒式(電気やレーザーを生む)、重力系咒式(重力場を生み出す)、数法系咒式(確率を変化させ、さまざまな現象を起こす)の5系統に分けられる。扱うには生来的な才能と物理学の素養が必要とされる。本作の世界では咒式技術が広く浸透しており、軍事以外にも医学、産業、算術と幅広い分野で応用されている。咒式は「階位」と呼ばれる単位でランク分けされており、最高階位である第七階位の咒式は特殊な高位咒弾と使用者の脳を焼くような負荷を与えて発動される。しかし極一部の高位咒式士や、竜や禍つ式のような"異貌のものども"のように、第七階位を楽々と操る者も存在する。咒式の名前は主にレメゲトンの悪魔から取られている。魔杖剣(まじょうけん)は、咒式を戦闘や破壊作業等で使用するために必要な兵器。銃器に似た構造の機関部と刀身を持つ。咒式の精密な制御を司る演算装置である法珠を備えている。咒式を発動させるために必要な重物質が詰め込まれた咒弾(じゅだん)を装填し、組成式を書き出して引き金を引くことで咒式士は咒式を発動させる。これによって咒式は近距離戦闘でも使用できる程に高速かつ正確・精密なものとなる。咒式を使用する場合、通常の咒式士が発動するには魔杖剣と咒弾の二つが必須となるが、"異貌のものども"や特殊な才能の持ち主などは、魔杖剣無しで強力な咒式を発動することも可能である。剣以外にも、槍や短剣、狙撃用の弓といった形状のものもある。咒式を扱う者を「咒式士」(じゅしきし)という。作品世界中において生活する人々の半数はなんらかの咒式士であるとされる。「龍理使い」(ろんりつかい)という蔑称で呼ばれることもある。咒式士には階級があり、この世界ではそれを階梯と呼ぶ。一 - 十三まで存在し、一般には九階梯以上が高位咒式士として扱われる。特に十三階梯でも上位の到達者は、竜や大禍つ式をも上回る力を持ち得るとされる。また、咒式士の中でも戦闘を担当する者は「攻性咒式士」(こうせいじゅしきし)と呼ばれ、直接敵と近接戦闘を行う前衛咒式士と、攻撃用咒式を使って前衛を援護する後衛咒式士の二つに分けられる。また、高位咒式士の中には遠近両方の戦いに長けた咒式士も存在する。人間以外の、人間に仇なす生物の呼称。猛獣と最も違う点は、その身に咒式を宿していることである。後述する竜、禍つ式、“古き巨人”を筆頭に、人狼や人虎などがこれに分類される。太古より地上の覇者と称される、最凶の能力と誇り高き魂を持つ種族。人間をはるかに超える知性を持ち、人語を解することの出来る知性を持つ竜と、飛竜などに代表される高位竜に使役される獣の二種類に大きく分けられる。現在はギ・ナランハの統べる賢龍派(ヴァイゼン)と人間の間でティエンルン条約が結ばれ、不可侵の緩衝区の線引きをし、世界に共存している。汎ドラッケン測定法により、その体長によって年齢をおおよそ特定することが出来る。竜は星霜を重ねるごとにその咒力と肉体を強化していき、1000年を生きた竜は長命竜(アルター)と呼ばれる。人間に対しては絶大な恐怖の象徴として描かれるが、人間の汚泥のような悪意に対して敗北することもある。人間の姿へ化身することも出来るが、竜族はこの能力をあまりよしとはしていない。強力な咒式干渉結界、恒常発動している超再生咒式、高位咒式に、種族によって様々な死の息吹と呼ばれる凶悪な能力を保有している。また、万年を超えた竜は龍と称され、この世の始まりから世界を見てきた、神に等しい力を持つと伝えられている。しかし現時点では龍は五頭しか存在していないと言われ、現時点で名前が判明しているのは、ツェベルン龍皇国の皇都ギネクンコンの皇宮にてツェベルの神剣イシカに封じられている黄金龍ガ・フーイ、竜の大部分を占める賢龍派の長白銀龍ギ・ナランハ、この世すべての天候を統べると言われる空の覇者天龍グ・ルケシュの三頭。太古より悪魔や邪神と呼ばれたものの総称。熱的崩壊に瀕する何処かの世界より奇跡的な確率で干渉してくる。人間界を滅ぼし新たな地にせんとする混沌派(ケイオス)、人間界を高度な能力により完全統治せんとする秩序派(オルドネン)、そのどちらにも属さない無派に分けられる。膨大な情報量を持つ高次元の生命体であり、三次元である人間の世界に顕現するには特定の物体を媒介にし、身体の情報を作り変えて降臨せねばならない。その性質から、彼ら自体が咒式であるのではという説も出され、彼らを禍々しい咒式、略して禍つ式と称するようになった。下級の禍つ式ですら異貌のものどもの中で上位の力を有するが、形式番号を持つ大禍つ式(アイオーン)と呼ばれる上位禍つ式は、長命竜にすら匹敵する咒力を持つと言われている。人間により、形式番号ごとに爵位で区別されている。大禍つ式は極めて高度な知性を持つが同時に情報体のため、規則に反する行動は取ることが出来ない。ツェベルン龍皇国三十五州の一つ、エリウス自治郡の郡都。国土の東端で、ラペトデス七都市同盟との国境にあり、四十年程前から両国家の交流のため共同で委任統治されている。観光と貿易と外交の都市。ルルガナ内海に面し、七つの運河と七十七の橋がある。街の中央を流れるオリエラル大河の西岸が皇国系住民、東岸を七都市同盟系住人と住み分けている。異なる土地から咒式士が多く集う街であり、街を知り尽くした情報屋「ヴィネル」など、咒式士相手に商売する者もいる。しかし、咒式士の道の過酷さや職を得る困難さから挫折する者も多い。現市長はヒルベリオ氏。ゴーゼス経済特別区では「ファルモア剣友会」「ノイエ党」「ロワール」「三旗会」などの犯罪組織が幅を利かせており、多くの咒式士が彼らの下僕となっている。その組織力と残虐性は到達者であるガユス達もおいそれと手を出せないほどである。また、治安も良くなく、作中では猟奇殺人事件も何度か発生している。ガユスは「行き場のない奴らが最後に辿り着く街」と評している。併記されている声優はドラマCD版のもの。二巻に登場。前身は「曙光の戦線」四、五巻に登場。クエロに「やっかいな連中」といわれるほどの癖者揃い。「ビーンズエース」にて灰原薬作画で掲載され、カドカワコミックスAエースに全一巻で発売された。
出典:wikipedia
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