『エネミー・ライン』("Behind Enemy Lines")は、2001年のアメリカ合衆国の映画。ボスニアヘルツェゴビナのセルビア人武装勢力により撃墜されたF/A-18Fから脱出したWSO(兵器管制士官)の逃走劇をメインとした戦争映画である。監督はジョン・ムーア。セルビア人戦闘員役の多くは言語的にセルビア人に近い同じスラブ人のクロアチア人だが、サシャ役のウラジミール・マシコフはロシア人である。兵器のメカニズムが精巧に描写されている。例えば、公開当時まだ就役間もなかったF/A-18Fスーパーホーネット戦闘攻撃機の発着艦、被撃墜・コックピットイジェクトプロセス、地雷の仕掛けられたトラップの起爆ギミックなどである。また、セルビア人武装勢力が装備するT-72(セルビア仕様T-84として出演)戦車、BMP-1歩兵戦闘車なども全て実車を用いて撮影されている。ただ、F/A-18Fの最新操縦システムを構成するグラスコックピットやHMDは画面上に登場せず、旧世代の計器板やヘルメットで代用撮影されている。物語冒頭において、海中に落下するアメフトのボールに対し主人公が「ウィルソーン」と叫ぶのは、映画『キャスト・アウェイ』のオマージュ、パロディ。DVDの日本語字幕ではオマリー特務曹長とバーネット大尉の立場が逆の部分がある。続編があるが、物語のつながりはない。物語の基盤は、1995年7月22日撃墜された米空軍F-16Cパイロットスコット・F・オグレディ大尉が友軍に救出されるまでの6日間の逃亡劇とする説があり、当人自身も退役の翌2002年に主人公のモデルに無許可での映画化であると主張して製作会社に対し提訴した。1994年に撃墜され脱出した英国海軍FRS Mk.1シー・ハリアーパイロットニック・リチャードソン大尉や、湾岸戦争帰りの元英国空軍ナビゲーターで作家のジョン・ニコールの作品とも類似するといわれる。舞台は、1992年に起きた旧ユーゴスラビアの民族紛争が一応解決し、和平が結ばれているボスニア。米海軍大尉クリス・バーネットは、平和を維持するための軍務に意味を見出せず、レイガート司令官と衝突する。そして、本来は休暇であるクリスマスに、レイガート司令官はボスニア上空からの撮影任務を命じる。相棒のスタックハウスと共に空母カール・ビンソンから発艦したF/A-18Fは、ボスニア上空を飛行中、飛行ルートを外れた地帯にレーダー反応を探知。そちらへ向かうと地上に兵器が映り、カメラでの録画に成功する。しかし突然、地対空ミサイル(SAM)による攻撃をうけて撃ち落とされる。クリス・バーネットとスタックハウスは、敵地上空で大破した乗機から辛うじてパラシュートで脱出する。クリスは脱出の際に負傷したスタックハウスを残して、無線連絡を取るために山に登るが、その最中にセルビア人武装勢力がやって来る。スタックハウスはいったん捕らわれるが、その場で無抵抗なまま射殺される。その光景を目にしたクリスは思わず絶叫し、セルビア人勢力に察知されてしまう。クリスはセルビア人勢力から追われ、森を逃走中に彼らによる残虐行為の証拠を見つける。護身用のピストル(M92F)が1丁だけ、味方も支援も無い中、クリスは凶悪な戦争犯罪を白日のもとにさらすため、危険な地雷原の強行突破に挑む。そのクリスを、残虐行為の隠蔽を目論むセルビア人勢力が執拗に追って来る。一方、レイガード提督はクリスの救出隊を向かわせようとするが、和平締結に波風を立てたくないNATO軍司令官ピケ提督がそれを阻む。
出典:wikipedia
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