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なんとなく、クリスタル

『なんとなく、クリスタル』は、田中康夫が1980年に発表した小説である。略称は「なんクリ」。1980年の第17回文藝賞受賞作品。1981年に第84回芥川賞の候補になった。発表当時一橋大学法学部4年生であった田中のデビュー作である。売り上げは100万部を超え、田中の著書の中でも最大発行部数となっている。東京に暮らす女子大生兼ファッションモデルの主人公・由利の生活を中心に、1980年当時の流行や風俗を独自の視点と文体で描いた。東京で生まれ育った比較的裕福な若者しか理解できないブランドやレストラン、学校や地名などの固有名詞がちりばめられており、それぞれに田中の視点を基にした丁寧な442個もの註・分析が入っており、註の多さとその分析が話題になった。作品の最後には人口問題審議会の「出生力動向に関する特別委員会報告」と「昭和54年度厚生行政年次報告書(昭和55年度版厚生白書)」から抜粋の、少子高齢化を示唆するデータも記されていた。注釈に関しては田中は新潮文庫版のあとがきにてあくまで理解を手助けするために付けたものであると語っている。注釈は第2作『ブリリアントな午後』を含め、田中の後の小説(後述の続編を除く)には引き継がれず、本作(およびその続編)のみのものとなっている。ただし初期の作品集『ぼくたちの時代』には注釈が付された随筆や手記も収められている。当時は「ブランド小説」と呼ばれ、本作にちなんで女子大生は一時期「クリスタル族」とも呼ばれた。その独特の文体から当時のいわゆる文壇関係者の間では賛否両論が渦巻いた。江藤淳が激賞し、その後のバブル景気におけるブランドブームを先取りした小説として評されることが多い一方で、田中は後の著書において「頭の空っぽな女子大生がブランド物をたくさんぶら下げて歩いている小説」「みずみずしい心が描けていない」との評価が下されることが多かったとたびたび記している。また『新・文芸時評 読まずに語る』にて「注釈ばかり取り上げられ、小説のラストと最後に記された出生率のデータを結び付けて論じた評論家は皆無だった」と述べている。田中は後述の続編刊行時のインタビューで、このデータ(高齢化率も含む)を掲載した意図について「出生率が低下し、高齢化が進行するデータを見て、大学生の僕は思ったんです。日本は、右肩上がりという言葉で捉えられる社会ではなくなるかもしれない、と」とコメントした。題名の『なんとなく、クリスタル』は流行語となり、勢いに乗って翌1981年に松竹制作、かとうかずこ(現かとうかず子) 主演で映画化された。サントラに既存の著名な洋楽を使い、その使用料に映画制作費の多くを割き、鳴り物入りで製作・公開されたものの興行的には成功とは言い難かった。田中はこの映画の製作に一切関わっておらず、パンフレットにコメントを寄せるのみだった。2009年3月現在、映像ソフト化もされていない。ヒロインの恋人の淳一役に、カシオペアの野呂一生、当時YMOの坂本龍一も候補に上がっていた。映画化と同時期に柴田恭兵が、田中が作詞を担当したシングル曲『なんとなく、クリスタル』を発表している。同曲は、前述の映画の主題歌であると誤解されることがあるが、全く関連はない。映画の音楽担当がCBSソニーであるのに対し、本楽曲は東芝EMIからの発売。本作の刊行から32年後の2013年10月、田中は河出書房新社の雑誌『文藝』2013年冬季号より、続編となる『33年後のなんとなく、クリスタル』の連載を開始した。5回の連載で2014年冬季号で完結し、2014年11月に単行本が刊行された。内容は田中自身を連想させる男性「僕」と由利が再会して、二人の会話によって進行する。前作同様、全編で438個に及ぶ注釈が付されているほか、巻末には前作収録のデータに加えて2013年時点での合計特殊出生率・高齢化率の実績推移と今後の予測数値が掲載されている。これ以外にNECデジタルブック向けに電子書籍化されたものが1994年頃に発売された。新注も付けられていることが当時の『ペログリ日記』に記されている。

出典:wikipedia

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