『闘神伝』(とうしんでん)は、タムソフトが開発し、タカラ(後のタカラトミー)より発売された対戦型格闘ゲームシリーズの名称。1995年1月1日に1作目『闘神伝』(副題含めてのタイトルは『バトルアリーナ闘神伝』)がプレイステーション用に発売され、同ハードを中心にシリーズ展開された。1996年にはOVA化され、全2巻が発売された。本作品はプレイステーションのハード発売直後に発売された作品であり、プレイステーションのライバル機であったセガサターンにおけるキラーソフト『バーチャファイター』と同じくポリゴンを利用する3D対戦型格闘ゲームとして注目を集めた。ただし、システムは「格闘シミュレータ」を標榜した『バーチャファイター』とは異なり、どちらかといえば『ストリートファイターII』に代表される2D格闘ゲームを踏襲、いわゆるコマンド入力による必殺技の発動などのフィーチャーが盛り込まれていた。また、一部の必殺技についてはボタンを一つ押すだけで技が発動するシステムが搭載されており、本体標準のパッドでプレイすることが多い家庭用ゲーム機においては一つの壁となるコマンド入力の煩雑さを意識させることなく、初心者でも楽しめる環境を提供した。2D格闘ゲームに近い派手な画面エフェクトの存在も相まって、本作品は『バーチャファイター』とは異なったユーザー層への開拓に成功した。イラストはことぶきつかさが担当(第1作目に関してはことぶきはキャラクターデザインそのものにはタッチしておらず、ゲーム中のポリゴンモデルをベースとしたイメージビジュアルの製作にとどまる)。なお、こうした状況はスーパーファミコン版『サムライスピリッツ』が契機であるという。当時タカラは移植にあたって大張正己にパッケージイラスト依頼をしたものの、大張は劇場版『餓狼伝説』の監督業が忙しいとの理由でそれを断っており、代役としてその頃に知り合ったばかりのことぶきを推薦した。ところが当の『サムライスピリッツ』のファミコンへの移植自体が立ち消えてしまう。ではその代わりに、とことぶきへ依頼されたのが本作品のイラストであったという。シリーズとしての本作が広く人気を集めたのは『闘神伝2』の辺りまでで、プレイステーションでも『鉄拳』シリーズや『ソウルエッジ』などの本格的な3D格闘ゲームが現れるようになると徐々に存在感を失っていった。それ以降はシリーズのキャラクターだけを使った落ち物パズルなど格闘ゲーム以外での展開も模索し始めるようになっていった。だが、1999年に発売された『闘神伝 昴』を最後にシリーズの製作は途絶えている。各キャラクターの技はコマンド式で既存の2D格闘ゲームに近いが、前後だけでなく側転などで横方向への移動が比較的簡単にでき、さらにキャラクターによっては飛行もできるなど3Dフィールドを自由に駈け回ることができるのが特徴である。その一方、前方向に移動距離の長い必殺技を使った際、相手と向いている方向の軸がずれていてそのまま相手の横目がけて進んでしまったり、あるいは側転などで避けられて、リング端から転落し負けてしまうこともある(『2』『2プラス』『昴』に顕著に見られる)。ストーリーは第1作目と『2』を繋ぐオリジナルストーリー。Vol.1ではウラヌスに操られてエイジと戦うソフィアや、結社の作り出したショウと瓜二つの闘神兵との戦いが描かれ、Vol.2では結社の罠にかかったエリスを救うためにエイジ達ゲームのメインキャラクターが結社の本部へ乗り込むという展開となっている。キャストは監督である大張の意向でガイア、デューク、モンド以外はゲーム版とは異なるキャスティングとなっているが、セガサターン版『URA』ではソフィアの声がアニメ版と同じく冬馬由美となっている(プレイステーション版では、エリス役の鉄炮塚葉子がソフィアも演じていた)。本作のためにことぶきは新たに一部設定をラフデザインとして描き起こしており、それらを元にアニメ用デザインが起こされた。描き起こされた主なものとしては、エイジの普段着やソフィア、トレーシーのコスチューム(ゲーム開発時の没案がベースとなっている)など。なお本作に先駆けてドラマCDも発売元のBMGビクターから発売された。こちらはゲーム第1作で語られなかった各キャラクターのエピソードと、OVAまでの間に起きた戦いが描かれる。キャストは基本的にOVAと同じだがラングーを大塚明夫が演じている他、ドラマCDオリジナルの敵キャラクター(声:松本保典)も登場する。アンソロジーがホビージャパン他数社から発売された他、松本久志による第1作以前の物語として記憶喪失となったエイジがカイン、エリスやホー、ショウらと出会うというオリジナルストーリーのコミックがソフトバンク(後のソフトバンククリエイティブ)より、こずみ椎太(良原くろひこ)によるエリスを主人公とした第1作のコミカライズがエニックス(後のスクウェア・エニックス)より刊行された。また、武林武士によるコミカライズ版が『月刊少年エース』に連載され、全5巻の単行本化がされた。『1』と『2』を折衷したような内容となっており、『1』と『2』の全キャラクターおよび『3』のキャラクターの一部が登場する。講談社の少女漫画雑誌『るんるん』には、エリスを主人公とした『闘神伝 エリスまけないもんっ!』が連載されていた(未単行本化)。作者は浩峰尚。
出典:wikipedia
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