『窓ぎわのトットちゃん』(まどぎわのトットちゃん)は、女優・タレントの黒柳徹子による自伝的物語である。1981年に講談社から出版された。第5回路傍の石文学賞受賞作。東京都目黒区自由が丘にかつて存在し、著者の黒柳が通学したトモエ学園を舞台に、黒柳自身の小学生時代についてはもちろん、トモエ学園に於けるユニークな教育方法(リトミック、電車を利用した教室など)や、校長である小林宗作の人柄が描かれ、また黒柳の級友も全員実名で、その中でも初恋の相手に物理学者の山内泰二も登場する、完全なノンフィクション作品である。作中で黒柳自身は、「トットちゃん」と三人称で語られている。これは、当時の本人が舌足らずで名前の「徹子(てつこ)」を「トット」と発音していたことにちなむ。また「窓ぎわ」とは、出版当時、リストラ予備軍のサラリーマンのことを「窓際族」と呼び出した時期であったためと、著者自身、トモエ学園に移る前に登校していた区立小学校で、チンドン屋さんを呼び込むために授業中窓のところに立っていたことなどから付けられたものである。日本国内では単行本・文庫本を合わせて累計800万部を発行し、日本国内において「戦後最大のベストセラー」と称される。芸能人やスポーツ選手、政治家等の著書は「ゴーストライターがまとめたもの」が多いとされるが、本作は全て黒柳による自筆で執筆している。また、講談社も最初はヒットを全く予想しておらず、初版部数は8000部だったという。オリジナルの日本語版としては、講談社よりハードカバーおよび文庫(講談社文庫)、新書(青い鳥文庫)が刊行されているが、表紙絵および挿絵は、一貫していわさきちひろの作品である。本作品の児童文学的な面を持つ世界観と、いわさきちひろの画風が調和していたことも、本作品のヒットの一要素であるとも言える。世界35ヶ国で翻訳され、1985年(昭和60年)に、ポーランドの文学賞「ヤヌシュ・コルチャック賞」を受賞。中華人民共和国では、約640万部を発行した。この本の印税全額を黒柳の寄付により、「社会福祉法人トット基金」を設立。テレビドラマ・映画などの映像化は一切されていない。黒柳によれば「校長先生を演じられる人はいない」という理由で、映像化の話は全て断っている。しかし、1982年(昭和57年)には、黒柳の朗読とオーケストラによる音楽物語『窓ぎわのトットちゃん』が初演された(作・構成:黒柳徹子・飯沢匡、作曲:小森昭宏演奏:小林研一郎指揮新星日本交響楽団)日本コロムビアから1982年(昭和57年)4月21日にレコード発売、後にオンデマンドCD(受注生産型CD)として販売。本作の大ヒットにより、黒柳の人気もさらに上昇した(「トットちゃんブーム」)。作品の一編が小学校の教科書や試験問題などにも採用された一方で、1980年代に管理教育を標榜していた愛知県では、教職員やPTA関係者らが「タレントが執筆した本を学校図書館に置くとは言語道断だ」と、学校図書館から同書を締め出したことがあった。1980年、『第31回NHK紅白歌合戦』で、1958年の『第9回NHK紅白歌合戦』以来22年ぶりに紅組司会を務めた黒柳は、本作の大ヒットにより翌1981年の『第32回NHK紅白歌合戦』でも紅組司会を続投した。以後、1983年の『第34回NHK紅白歌合戦』まで連続して紅組司会を務めた。黒柳が最後に紅組司会を務めた1983年・第34回では、黒柳の紅組司会に対し、白組司会は『気くばりのすすめ』の著者・鈴木健二(当時NHKアナウンサー)であり、ベストセラー作家同士の両軍司会として話題になった。
出典:wikipedia
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