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OYQ-3

情報処理装置 OYQ-3()は、海上自衛隊のC4Iシステム(戦術情報処理装置)の一つ。海上自衛隊においては、第3次防衛力整備計画(3次防)時代のたちかぜ型ミサイル護衛艦(46DDG)より、脅威評価・武器管制(TEWA)機能を備えた戦術情報処理装置の装備化に着手した。当初搭載されたOYQ-1 WESはアメリカ海軍の海軍戦術情報システム(NTDS)に準拠しており、チャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦の一部が後日装備したJPTDS(Junior Participating Tactical Data System)をベースとしたものであった。ただしアメリカ合衆国政府の輸出制限のため、この時点ではリンク 11は実装されておらず、対空戦情報処理を主眼としたシステムであった。一方、海上自衛隊は、第4次防衛力整備計画(4次防)において、従来の4,700トン型DDHの実績を踏まえて、対潜・対空捜索能力や近接対空能力、部隊指揮機能等を向上させた5,200トン型DDHの建造を計画した。そして同型において、部隊対潜戦指揮支援機能の向上を目的として搭載された戦術情報処理装置が本機である。当初、主な構成機器は下記の通りであり、ミサイル護衛艦用のWESと類似するが、武器管制機能をもたない一方で、大型のOJ-197コンソールを導入するなど状況判断機能を強化している。また、アメリカ政府の輸出制限が解除されたことにより、海上自衛隊では初めて、戦術データ・リンクとしてリンク11の運用に対応した。開発には、WESの開発元である米UNIVAC社が協力しているとされている。ただし武器管制機能とは連接されておらず、砲システムと短SAMシステムは国産のTDS-2目標指示装置()による武器管制を受けていた。TDPSにおいてセンサー情報の入力・脅威評価を行って高脅威目標を選定したのち、その目標情報をTDSに送出し、武器管制を行うこととされていた。なお、TDS-2や、SFCS-6水中攻撃指揮装置やOQA-201ソノブイ信号処理装置(SDPS)等のサブシステムには、新型のデジタル・コンピュータであるAN/UYK-20が導入されており、艦全体で計9基が搭載されていた。なお、5,200トン型DDHでは、新たに強力な広域対潜センサーとして曳航式パッシブ・ソナー(TACTASS)、またその捜索能力に対応するためのOYQ-101 対潜情報処理装置を後日装備化している。これにより、艦のソナー(艦首装備ソナーと曳航ソナー)、ヘリ装備のソナー(ディッピングソナーとソノブイ)の目標探知状況・識別結果、攻撃状況、探知を失った場合の目標推定位置などを統合処理・管制できるようになり、8艦6機体制による本格的な艦隊航空対潜戦時代の到来に対応した指揮・統制能力が具備されていた。ただし当初、OYQ-3とOYQ-101は連接されていなかった。その後、1990年代後半に入って、機器の老朽化と性能の陳腐化を受けて近代化改修が計画された。これは、電子計算機を新世代のAN/UYK-44に更新するとともに、TDSの機能をTDPSに統合、ASWDSとTDPSを連接するものであり、これに伴い名称もOYQ-3 TDPSからOYQ-3B CDS()に変更された。「しらね」は1997年12月から1998年4月にかけて、また「くらま」は1999年3月から8月にかけて改修を受けた。ただし「しらね」のOYQ-3Bは2007年12月の火災事故で全損したため、退役予定であった「はるな」のOYQ-6-2を移植して搭載している。

出典:wikipedia

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