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準衛星

準衛星(じゅんえいせい)あるいは擬似衛星(ぎじえいせい quasi-satellite)とは、ある惑星から観察するとその惑星を周回しているように見える小天体である(理論上は彗星も考えられるが発見されているのは小惑星のみである)。準衛星は地球などのある惑星と全く同一の公転周期で恒星を周回する。そのため、惑星から見れば公転周期でもとの場所に戻るため、惑星の周りを公転しているように見える。しかし、力学的には惑星ではなく太陽の周りを回っており、惑星のヒル圏には属しておらず、衛星ではない。通常は離心率が大きい楕円軌道を取る。近日点付近では惑星を追い越し、惑星の前方で惑星軌道の外側に出、遠日点付近では惑星に追い抜かれ、惑星の後方で惑星軌道の内側に入る。これを惑星の公転と共に回転する座標系から見れば、惑星を周る細長い楕円軌道を通っているように見えるが、絶対座標から見れば惑星からほぼ同じ方向にあり、少しずれて太陽の周りを回っているだけである。トロヤ群も、惑星と同じ公転周期であり、似た軌道の特徴を持つ。しかし、惑星から見て同じ方向にあり、惑星から距離があることもあり、準衛星ではない。2011年現在、地球は (3753) クルースン、(10563) イジュドゥバル、(54509) YORP 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、の馬蹄型軌道を持つ準衛星もしくはその候補を持っている。これらは、数十年から数百年間、一時的に準衛星として振舞う軌道を持つ。なお は衛星 S/2001 (66063) 1 を持つ。金星には が発見されている。 は、過去7000年間は金星と1:1の軌道共鳴をしており、今後500年間はこの軌道を維持すると考えられている。また、 と は準衛星の可能性がある。天然の天体ではないが、1989年1月29日に軌道に投入されたフォボス2号は、現在も火星の準衛星として公転していると考えられている。海王星には が発見されている。元々は海王星のLトロヤ群小惑星であったが、1万2500年前から海王星の準衛星になっていると推定されている。 の直径は約247kmと推定されており、発見されている準衛星としては最大である。冥王星には が発見されている。準衛星の元となる天体の重力の影響によって現在の軌道にある他の準衛星と異なり、 は海王星という他の天体の重力によってこの軌道を安定して維持している考えられている。約10万年前からこの軌道にあると考えられており、あと約25万年間この軌道を維持すると考えられている。天王星と海王星は太陽系の生れてからの約45億年間、準衛星を保持する事が出来るが、木星では1000万年、土星では10万年程度である事が知られている。

出典:wikipedia

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