PC-6000シリーズは、日本電気 (NEC) が販売していたパーソナルコンピュータである。キーボードと本体が一体化したデザインの8ビットマシンで、パピコンの愛称が付けられていた。姉妹機種はPC-6600シリーズ。1999年頃より、WindowsやUNIX上で動くPC-6001のエミュレータが開発され、当時のゲームソフトなどが実行できるようになっている。1981年11月10日に発売。定価は89,800円。アイボリーとブラウンを基調とした筐体に、オレンジ色の特殊キー群をアクセントとしたデザイン。当時の家庭用としては画期的ともいえる、9色のカラー表示、ひらがな表示、三重和音のPSG音源、ジョイスティックインターフェース標準搭載などを特徴としていた。添付されるマニュアルはBASICの文法を記した薄いコマンドリファレンスのみで、その代わりに「みんなで使おうBASIC」という分厚い教則本が同社から別売されていた。本体に付随しているキーボードは、全てのキーが横長の直方体に近い形で、相互に離れて並んでいる独特の形状(いまでいうアイソレーションキーボード状)である。これは、アプリケーションごとにオーバーレイシートを載せ替えて使うことを意図したものである。また、かなキーの横に赤いランプがあり、かな入力モード時に点灯する。なお、輸出用の6001Aでは一般的なタイプライタ風キーボードを採用した。当時のNEC社内での開発コードは「PCX-05」で、VDPはモトローラのMC6847(実際は三菱電機製のM5C6847P-1)とモジュレータを採用。映像出力はコンポジット映像信号およびテレビ接続を用いたためあまり鮮明なものではなかった。しかし、『ポートピア連続殺人事件』等では2色モード時の色のにじみを逆手にとって表現力を高めるというApple II等のソフトウェアで使われたものと同様のテクニックがよく使われた。VRAMは主記憶上に配置され、最大2画面分もつことができた。うち1画面はテキスト専用である。なお、RAMを拡張すると最大4画面分もてた。当時としては珍しく、画面(ページ)を切り替えながら使えた。キーボード上にページ切り替えボタンが配置されている。画面数は、BASICの起動時にという問い合わせがなされ、ユーザーが1〜4の数字を入力することで決定された。なおPC-8000シリーズやPC-8800シリーズなどとは異なり、テキストとグラフィックの重ね合わせはできず、グラフィックモードでの文字表示はグラフィックとして描画された。音声はスピーカーを内蔵しているほか、外部出力端子を持つ。カートリッジスロットを1個持ち、RAMを32KiBまで拡張可能であるほか、カートリッジを3個まで接続可能とし背面にフロッピーディスクインターフェースを持つ「拡張ユニット」、PC-6001R、ディスク関係のBASIC命令の強化や、CIRCLE/GET/PUTなどの拡張がなされた「拡張BASICカートリッジ」、5.25インチ、片面倍密度、143KiBの「フロッピーディスクユニット」、音声合成ができる「ボイスシンセサイザー」等の接続が可能。ジョイスティックインターフェースはD-sub9ピンのアタリ規格準拠。ピン配列上は2トリガ分の入力端子があるが、BASICの命令からI/Oポート経由で読み出せるのは1トリガだけである。テレビCMでは「NECのパピコン」の名を前面に出し、家族で「ジャンケンポン、カセットポン♪」と順番に楽しむ使い方を提案、(従来からの磁気テープやキーボード入力と比較して)挿入するだけで使えるカセット(ROMカートリッジ)で供給されるソフトウェアによる、後のファミリーコンピュータやMSXで広まったような「気軽に使える家庭向けコンピュータ」をアピールした。CMでの家族の父親役には川津祐介を起用した。すがやみつるによる子供向けパソコン入門漫画「こんにちはマイコン」でもターゲット機種となった。日本国外では北米でNEC TREKの愛称でPC-6001Aを発売、またイラクの国営メーカー、「Al Warkaa」がアラビア語版のPC-6001を発売。1983年7月1日に発売された、PC-6001の上位互換の後継機。定価は84,800円。PC-6001に対し、キーボードが通常タイプのものに変更され、デザインも一転して硬質になった。グラフィック機能も大幅に強化され、RGBディスプレイの接続により鮮明な表示が可能となった。専用ディスプレイ使用時は最大15色、PC-8000シリーズ用やPC-8800シリーズ用などの一般的なものでは最大8色。これによって色のにじみが解消された為、にじみを逆用して擬似的に着色していたソフトは本来の正常な白黒表示となってしまい、“色が出ない”という問い合わせがユーザーから寄せられることになった。ページ切り替えのシステムも継承され、最大4画面、うち1画面はテキスト専用。また、通常の英数字・カタカナ・ひらがなのキャラクタセットとは別に、絵文字のキャラクタセットが追加された。さらに、漢字ROM搭載により、教育漢字を含む1,024種の漢字をグラフィックで表示できた。また本機最大の特徴として、内蔵の音声合成により日本語を発声でき、しかもBASICからコマンドで簡単に発声内容を作ることが可能である。なおサウンド機能は初代PC-6001と同じPSG音源である。PC-6001のさまざまなハードウェア構成(拡張BASICの有無、拡張RAMの有無)と互換性を持たせるため、起動時にBASICのモード(1〜5)を選択する以下のようなメニューが表示された。モード決定後はページ数(前述)の入力があり、FDD使用時はさらに最大ファイル数 () と3回も入力してようやくBASICのプロンプトに至ることができた。実用用途のメインストリームはすでに同社のPC-8801mkIIや富士通のFM-7に移ってしまっていたため、市場には主にホビー用途として迎えられた。160×200ドット15色という画面モードは、程良い解像度の低さで処理速度を稼ぐことができ、独特な味のあるゲームソフトが多数制作された。テレビや雑誌の広告、パンフレットなどで、タレントの武田鉄矢をイメージキャラクターとして起用した。1984年11月15日に発売された、PC-6001mkIIの上位互換の後継機。定価は89,800円。FDDがないこととキーボード一体型であることを除けば、同時発売されたPC-6601SR (Mr.PC) とほぼ同仕様。外見は色と、角が取れて若干丸みを帯びている事を除いてPC-6001mkIIとほとんど変わっていない。グラフィック機能はさらに強化され、PC-8800シリーズと同等の640×200ドットを表示することが可能。テキスト表示も上位機種と同等の最大80桁×25行となった。ページ切り替えもあるが、グラフィックモード時にVRAMとして消費する容量が32KiBに増えたため、2画面(うち1画面はテキスト専用)となった。同世代の機種同様、サウンドチップにはFM音源を搭載し、表現力が大幅に向上した。また、音声合成機能は、PC-6601などと同様、「喋る」だけでなく2オクターブの音階で「歌う」ことも可能となった。ただ、店頭では同時にラインナップされたMr.PCが目立つように置かれており、本機は引き立て役的に陰に隠れていた。起動時のモード選択メニューは、N-BASICとビデオテロッパの追加により7項目にふくれあがった。付属ソフトは、ビデオテロッパと、ピンボールゲーム"である。いずれもカセットテープ供給。MSX - NECが仕様策定に関わり、カートリッジスロットや、ジョイスティックポートの信号配置、I/Oマップ、文字コードに共通項をもつ規格。共通項は多いものの、ジョイスティックなどを除けば互換性は無い。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。