Share(シェアしゃれ、洒落)とは、Windows2000/XP/Vista/7上で動作するファイル共有ソフトである。ネットワークの仕組みにピュアP2Pを採用し、匿名性を保ったままファイルの共有を行うソフトである。2ちゃんねるを発祥としている。事前にファイルをキャッシュと呼ばれるデータに変換を行い、それを事前に確保したキャッシュ領域に保存しておき、各ノードのキャッシュ同士を交換することで効率の良いファイル共有を実現させている。現在はキャッシュからファイルをアップロードしているいわゆる一次放流者のIPアドレスを、専門の解析ソフトウェアを通して特定することができるようになっている。類似のソフトウェアにWinnyとperfect darkがある。現在Shareには、通信にTCP/IPを使用した通常版と、UDP/IPを使用したUDP版が存在する。両者は基本的に同じであるが、ネットワーク・設定ファイルに互換性は無い。UDP版は若干古い通常版をベースにしているためプラグインの互換性に難がある。多言語に対応しており言語ファイルの交換も容易であるため、海外の有志により各国語の言語ファイルが作成されている。基本的に最新版はShareネットワーク内でのみ公開されるが、Winny等の他のP2Pネットワークにも存在し、また一部のウェブサイトでも配布されていた。Winnyと同様、ウイルス感染者によるShareネットワークへの情報漏洩が社会問題となりつつある。詳細については、Winnyの項も参照。アイコンは「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の「笑い男」を使用している。Winnyを意識して作られている為、Winnyと同様ないし酷似している部分が多い。一方Winnyに対して主に以下の改良点・変更点がある。ファイルについて需要が多ければ多いほど流通が早くなるのはWinnyと同様である。Shareは全体的に見て一次配布者側が有利な作りとなっている。Shareはネットワークにおいて、ファイル要求側は受動的に、ファイル保持側は能動的に振る舞う。これは、Winnyなどの他のファイル共有ソフトとは逆になっている。Shareは、Winnyと比較して一次配布開始からファイルが流通する速度が早い傾向に有る。これは、Winnyが完全なファイル以外はアップロードしないのに対し、Shareはファイルの一部を受け取った時点でアップロードに参加するため二次配布が早めに開始されるためである。また、Shareは一次配布の時点で複数のノードに分割してアップロードするため、多くのノードが早い段階で二次配布に参加できることも理由の一つである。その他の理由として、他のノードとファイル情報を交換する際に、Winnyは常にランダムに選んだファイル情報を交換するのに対して、Shareはランダムに選びつつも一次配布された日付が新しいファイル情報を優先的に残す性質があるため、新しいファイル情報が求めるノードに素早く行き渡る事も挙げられる。これらの性質は後述するキャッシュ即消しの影響を軽減する追加効果もある。なぜなら、キャッシュ即消しを行うノードもダウンロードが完了するまでの間は二次配布に参加するからである。一方でShareは、一次配布開始から時間が経ったファイルは次第にデータが部分的に欠落した「歯抜け」と呼ばれる状態になり、ダウンロードしにくくなる傾向に有る。素早い流通を助けた上記の性質が、このShare最大の欠点の原因となっている。Shareネットワーク上に完全なファイルを再構築するだけの部分キャッシュが存在しなくなった後も、部分キャッシュのアップロードが行われるため、いつまでも不完全なファイルが流通することになり、それらがShareネットワークに蓄積されていく。また、完全なファイルが大量の不完全なファイルに紛れることで検索しにくくなる問題もある。Winnyでは歯抜けで悩まされることはあまり無い。Winnyは不完全なファイルの配布を行わないため、不完全なファイルはWinnyネットワークから自然と消滅していくためである。Winnyユーザーに逮捕者が出た時、Winnyの作者が家宅捜索を受けたため、Winnyの開発は事実上 停止した。これを受けて、Winnyネットワークの将来に危機感を覚えたShareの作者によってShareの開発が開始され2004年1月5日に初めて公開された。当時、Winnyの匿名性は絶対の信頼を得ており、逮捕者が出たことは利用者達に非常に大きな衝撃を与えた。そのため、利用者達の間では様々なテーマで多くの議論が行われ、また後継となるソフトが望まれていたこともあって、WinnyからShareに乗り換えるユーザーが多くいた。尚、当時はShareの他にFreenet+FrostやWinOZ(後に実在しないことが判明した。WinMX→Winnyの流れを汲むような名前だけが一人歩きしたものと思われる)が注目された。Shareのバージョンについて、Ver1.0 CT (Connection Test Release) #1〜#21 → Ver1.0 DT (Diffuse Test) 1〜41 → Ver1.0 A (Alpha) 1〜82 → Ver1.0 EX (Extream) 1〜? と移り変わっている。UDP版では Ver1.0 NT (Net Test) 1〜5 となっている。Shareは当初、正式名称が決まっておらず「Share(仮称)」と表記されていた。それがそのまま定着したため、Ver1.0 A75 以降は「Share」と表記するようになった。当初はWinnyの後継を目指して開発されたShareであるが、Winnyネットワークが予想に反して現在も順調に稼働していることから、今では共存関係となっている。大容量のファイルの扱い・新しいファイルの素早い配布が得意なShareと、長期間の安定した配布が得意なWinnyの住み分けが行われている。また、ShareネットワークとWinnyネットワークとperfect darkネットワークの間でファイルの移植を行っている者がいる。2005年2月23日に初めて公開されたUDP版は当初から余り普及せず、TCP版より遅れたまま更新が止まっている。しかし最近になって、プロバイダによる帯域制限を回避しやすいとの理由で一部の利用者達から見直されてきており情報交換が活発になってきている。現在、利用者が少ないことが原因である「赤スリ」(赤Sleep)に悩まされている。Share作者は、法に抵触する利用は控えるようにと言っている。だが、違法な目的による利用者が大半を占めているのが現状である。Shareは、Winnyと同様に、様々な理由で批判を集めている。マスコミではこれらのうち情報漏洩に偏って報道される傾向にあり、特に昨今はウイルスによりプライベートなファイルや業務上保管していた秘密情報(個人情報や、自衛隊内部のPCの機密データ等)の流出問題に関する報道も多い。(ただし、流出に関してはShare自体によるものではなく、Shareを利用するウイルスの所為によるものである。)マスコミ報道等では「シェア」と報道される事が多いが、ユーザー間では「シャレ」という呼称が一般化している。最初は「Share(仮称)」として公開され、同時に名前とアイコンが公募された。ほぼ同時期に有志の手により「Share(仮称)仕様村」と名づけられたWikiが立ち上げられ、不具合点や仕様等が討議された。名前についても色々な名前が候補に上がったが、公開当初より「シャレ(洒落)」と呼ぶものが多く、人気投票でも「シャレ」が一番人気であった為、シャレに落ち着いた。 Shareは開発当初からWinnyの問題を意識しつつ、一次配布ノードの匿名性確保に重点を置かれて設計されている。Winnyネットワーク解析の結果、一次配布ユーザーが著作権侵害の罪で逮捕された当時、一次配布ノードと監視ノードの直接接続が一次配布ノードの特定に繋がったと考えられていたため、Shareではそれを阻止するために拡散アップロード方式(プッシュ型)を導入している。拡散アップロードは同時に多数の中継転送を行うため、一次配布ノードと監視ノードが直接繋がることがあっても、一次配布ノード特定の決め手にはならないとされた。ファイルの一次配布には主に拡散アップロード方式のほか、通常のアップロード方式(プル型)も選択できる。ファイルのハッシュ値やID(トリップキー)はSHA-1により生成される。IDは電子署名技術を用いているため、偽装は困難となっている。Winnyの通信内容の暗号が解読されたのを受け、Shareでは通信の暗号化が強化され、1024ビットRSAとRC6が利用されている。Shareの暗号化通信は解析困難とされていたが、ネットエージェントのOnePointWall等の解析ソフトにより解析可能になったほか、2007年1月にShareプロトコルの詳細が解析・公開されたため、Shareの通信の秘匿性に疑問が生じた。それでも一次配布ノードの匿名性は、拡散アップロード方式の採用により、Winnyよりは高いとされる。二次配布ノードについては、通常のアップロード方式が利用される。拡散アップロードによる中継転送をしないため、二次配布ノードの匿名性はWinnyよりも低い。現在では、SharebotやRetinaによって二次配布ノードの特定は可能であり、Shareの匿名性に疑問が生じた。2007年3月に、Shareネットワークにおけるファイルの所有者を特定するツールSharebotが住商情報システムにより一般向けに公開された。社会問題と化している情報流出対策を目的としている。Sharebotを利用する場合の注意点として、Sharebotは Share ver1.0 EX2 本体を要求するがそれを書き換えてしまうため、Share.exeはコピーしておく必要がある。SharebotがCompleteキャッシュのみを収集する性質から、当初は一次配布ノードの絞り込み・あるいは特定の可能性が探られた。なぜなら、ネットワーク上で最初にCompleteキャッシュを持っているのは一次配布ノードなので、最初に観測されたノードが一次配布ノードである可能性が高いと考えられたからである。しかし、幾つかの理由で、一次配布ノードより先に二次配布ノードが観測される可能性が高いため、特定に至らないと今の所は考えられている。また、同様の理由で、観測された二次配布ノードが自分の意思でダウンロードしたとは限らないとも考えられている。上記のShareの性質を利用してSharebotによる観測を回避する方法が考案されている。また以下の回避方法も考案されている。ファイル名Bは流通の成否に直結するため慎重に決める必要がある。Winnyにおけるウイルスは社会現象にまで発展したが、Shareにおいても情報流出に結びつく恐れのあるウイルスが確認されている。多くの感染方法が初歩的な手口であるのに関らず多くの感染者が居る点は注目に値する。感染は自分のみならず他の多くの人にも迷惑がかかる場合が多いので、「自分は大丈夫」と思わないことが重要である。どうしても利用するのであれば、ウイルス対策を必ず行うこと。個人情報の流出が後を絶たないため以下に傾向と対策を示す。WinnyやShareで流通している主なウイルスには以下の特徴や感染手口がある。以下に考えられる対策を挙げる。この場合、Shareが管理する暗号化されたファイルを指す。利用者は原則としてキャッシュの中身を意識せず、また知ることもできない。なお,手動で管理したければ密告を利用する。Shareのキャッシュには、Localキャッシュ・Completeキャッシュ・Linkキャッシュ・Diffuseキャッシュがある。Linkキャッシュを除いて、同じハッシュを持つ(≒全く同内容の)キャッシュは同時に二つ以上を保持することは出来ない。但し、一つのキャッシュに二つ以上のファイル情報を結びつけることは可能である。キャッシュ自身もファイル情報を一つ持つ。アップロードフォルダにファイルを入れてクイックチェックを行うと、同内容のファイルがキャッシュから自動的に削除される。そのため、ダウンロードしたファイルをアップロードフォルダに移動させるとキャッシュ領域の節約になる。その際、特定の条件を満たせばダウンロードした時のIDを維持したままアップロードすることができる(データベースによる地引を行っていない限り、大抵はその条件を満たす)。尚、強制変換によって生成したファイルをアップロードフォルダに入れるべきではない。キャッシュ領域によってHDD容量を消費することを嫌い、目的の物のダウンロードを完了次第、全てのキャッシュを削除する行為を指す。Shareの衰退につながる望ましくない行為とされる。しかし、空き容量がないと、ファイルを変換することが出来ないため、キャッシュを削除することで適当なサイズの空き容量は常に確保する必要がある。また、数十GB程度の空きキャッシュ領域を確保しておくことで、ダウンロードが高速化されやすいため、更新日時の古くなったキャッシュから、随時削除していくことが望ましい。Shareの仕組み上、ダウンロードしたファイルが不特定あてに送信可能な状態になる為、(送信する権利を持っていない)ファイルをダウンロードした場合、送信可能化権の侵害に抵触するため、たとえダウンロードするだけであっても、完全に合法に使うのがきわめて難しい。
出典:wikipedia
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