カップ麺(カップめん)とは、乾燥麺や生タイプ麺等の即席麺類のうち、食器として使用できる容器(コップ状の耐熱耐水容器等)に入れ、かやく(具材)を添付したものである。日本で生まれ、世界各地にも消費が広がっている。規約上の正式名は「即席カップめん」である。内容物がインスタントラーメンのものをカップラーメン、蕎麦、うどんのものをカップそば、カップうどん、焼きそば風のものをカップ焼きそば(インスタント焼きそば)とも言う。調理は熱湯を注ぐだけで完了する(生麺を使用する製品については湯切りが必要とされるものもある)。この製品のカップは調理器具であると同時に食器(陳列時にはパッケージとしての役割も果たしている)でもある。また、電子レンジで加熱調理を行うタイプも多い。日清食品が1971年9月18日に発売した「カップヌードル」が最初の製品(事前に行われた試験販売を除く)である。今では主食としても食べられているが、当初は間食としての普及を視野に入れて開発されており、欧米に即席ラーメンのセールスに行った際、ラーメン用のどんぶりが無かったため、紙コップにチキンラーメンを割り入れて湯を注ぎフォークで試食する姿からの発想だったとされている。カップヌードルが、通常の袋麺(約90〜100g)よりも麺の容量が少ない(麺重量60〜70g)のはその名残りである。1980年代後半までは他のメーカーもこれに追随していたが、1988年にエースコックが麺の容量を袋麺と同等の90gとして「大盛サイズ」を謳った「スーパーカップ」シリーズの販売を開始し、これが大ヒットとなってからは、各社もこれに追随し主食としての普及を目的とした大容量サイズ(概ね麺重量80g以上)の商品もカップ麺の主流の一角を担うこととなっていく。後にカップヌードルに関しても「大盛サイズ」を製造する事になった。あさま山荘事件の際、機動隊員が寒さの中、これを食べている姿がテレビでたびたび放映されたため、カップ麺が日本全国に知られて普及したきっかけだったとされている。容器は通常、発泡スチロールか紙が使われる。発泡スチロールを使うのは、保温性が良く、持ったときに熱くないという理由からである。紙製の容器の場合、容器外側を段ボール状にして、この点を克服している。代表的なものが「サッポロ一番 カップスター」である。最近のものはカップを二重構造にするだけで段の無い容器になっている。近年では紙製でも発泡スチロールのように紙に空間を持たせたものも存在する(日清カップヌードル系列に存在する)。紙の容器に比べ発泡スチロールの方が多彩な形状のものを作ることが可能であり初期のものはすべて発泡スチロールだが、日清食品が特許を申請した為に、後発メーカーは主に紙容器のものを作った。乾燥麺タイプは直接容器に麺が入っているケースがほとんどであるが、生タイプ麺はすべてその麺を真空パック包装した上で容器に入れた状態となっている。製品の多くは熱湯を注いで3〜5分(約1〜5分の幅で各種ある)程度で調理が完了する。1980年代前半の一時期、各会社より乾燥麺タイプで調理時間が1分の製品が発売されたが、食べ終わる前に麺が伸びてしまうなどの問題があったため消費者からは不評で、多くは短命に終わり、一部の焼きそばタイプで存続するに留まっている。汁を用いない焼きソバの場合は湯切の作業が必要となる。また生タイプ麺などの製品でも湯切りをし再度お湯を注ぐものもある。しかし生タイプ麺を使用したものは調理時間がやや短めの傾向である。添え付けのスープや具材はフリーズドライ製法を用い乾燥させたものが主流だが、袋入りのインスタントラーメンと同様、高価格の製品にはスープ・具が別添のものも存在する。それらの製品では袋を取り出し、麺の上に置いてから湯を注ぐなど、製品ごとにさまざまな違いも見られるため、湯を注ぐ前にパッケージに記載された説明書きなどを読んでおく事が勧められる。中にはレトルト食品の具材が付属していて、その具材を湯煎する事を勧める製品も存在する。なお、カップ麺は2009年6月30日以前に発売された商品はJAS規格によって「標準」と「上級」に分類されていた。麺の重量に対して具材(かやく)が6%以上のものが標準、15%以上のものが上級、カップ焼きそばやスパゲティの場合、4%以上が標準、10%以上が上級となっていたが、2009年7月1日以降より発売されるカップ麺についてはこれらの分類は撤廃(廃止)された。日本では少数であるが、電子レンジ調理専用商品(日清食品「U.F.O.」・どん兵衛「NEXT GENERATION」シリーズ等)や熱湯調理/電子レンジ調理のいずれか選択可能な商品(「カップヌードル マイ・レンジタイム〈旧・カップヌードル レンジスタイル〉」シリーズ)のように電子レンジで調理可能な商品も2000年代以降存在する。それ以外のものは電子レンジ調理不可とパッケージに記載されている。米国など日本国外で販売されているものは"microwavable"(電子レンジ調理可能)と明記されたものが多く存在する。航空便の機内食用に作られたもの(日本航空の「うどんですかい」や全日本空輸の「とびっきりおうどん」など)では、気圧の低い飛行機内で沸かされた低温のお湯でも麺が戻るような特別の製法で作られている。日本全国で発売されている一部の商品では、東日本と西日本など地域別毎でそれぞれ味付けを変えているケースもある(「どん兵衛」や「赤いきつねと緑のたぬき」等)。また、地域限定発売の商品もある。2000年前後からカップラーメンにおいてコンビニエンスストアを中心に地方色を強く出した「ご当地ラーメン」や「青葉」など有名店の味を再現・類似した「ご当店ラーメン」を取り入れるなどバリエーションが拡大し、当時180円以上と区分された高品質・高価格帯の商品群が活性化した。市場占有率は長いこと各社の主力ブランドである「カップヌードル」や「赤いきつね」など初期に登場したナショナルブランド(NB)商品が上位を占めてきたが、2008年に原材料費などの高騰で大手メーカー製品の売価が上がったことで、カップヌードルは値上げ前比-52%と半減した。その影響で、安価で展開している大手スーパーチェーン自社プライベートブランド(PB)商品やメーカー各社のオープンプライス(OP)商品の種類が急増し、売上を大きく伸ばした。2009年はNB商品にて品質改良や積極的な販促活動が行われたことなどから、PB商品やOP商品への需要の流れが全体に落ち着き、後半にはNB商品への回帰傾向が出てきた。2010年は前半もNB商品への回帰傾向は続き、各社の主力ブランドは価値訴求を行っていることにより、堅調な需要を満たしている。製品化は、スパゲッティ、焼きそば、ラーメン、うどん、そば、そうめん、きしめん等、麺類全般。カップラーメンは日本国外での生産・販売も行われている。主な生産および消費地は東アジア地域であるが、北米大陸(特にメキシコ)でもヒスパニック系住民を中心に人気がある。日本のメーカーの現地生産も行われている。2008年10月に、日清食品製の「カップヌードル」「CO・OPヌードル」、 グループの明星食品製の「CO・OPカップラーメン」から防虫剤成分のパラジクロロベンゼンが検出され、「カップヌードル」を食べた消費者が健康被害を起こす騒ぎが発生した。日清食品や警察、保健所などで調査の結果、工場などにパラジクロロベンゼンはなく、防虫剤の近くで保管され、成分がカップ麺に移行したものと結論された。それ以降、防虫剤などと一緒に保管しないよう注意書きがなされている。電気・ガス・水道などライフラインが影響を受ける非常事ではお湯の入手が困難な場合が多く、その場合はカップ麺は役に立たない。また、災害直後の火気使用はガス漏れによる火災事故を起こす危険も高く、集団避難生活では火気が使えない事が多いために調理が難しいケースもある。1989年に日清食品より、発熱体により水を注ぐだけで調理できるカップ麺スーパーボイルがテスト販売された。中期以降でも、少なくともインスタントラーメンよりは調理は簡便ではあるが、これの調理に必要な水や燃料・簡易焜炉(カセットガスコンロなど)といった他の備えが必要となる。日清食品は、非常災害用として自社工場や物流倉庫にランニングストックとして常時100万食分のカップめんを在庫しており、過去の大災害時にも随時提供されているカップ麺の多くは炭水化物が主成分で塩分や脂肪分などを多く含み(特にスープは高塩分、高油分である)、ビタミンや繊維質、ミネラルなどが少量しか含まれていないので、栄養が偏った食品であるとされる。
出典:wikipedia
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