政務次官(せいむじかん、英訳:)は、1924年(大正13年)8月12日から2001年(平成13年)1月5日まで日本政府の各府省及び大臣庁に置かれていた官職の一つ。大臣(又は長官)に次ぐ地位とみなされ、そのほとんどは国会議員から任用された。大日本帝国憲法下では勅任官に、日本国憲法下では国家公務員の特別職に分類され、その任命に当たっては併せて一級官吏に叙された。総理府本府以外の各省庁の政務次官は、例えば外務省なら「外務政務次官」のように「省」や「庁」の字を省いたものが辞令上の正式呼称となっていた。政務次官の主な職務内容は、事務次官とともに、省庁の主任の大臣(国務大臣が兼ねる)を補佐する事にある。政務次官は国会議員から、事務次官は官僚から任用された。事務次官と異なり、政務次官は内閣と進退を共にした。政務次官は一般に当選1~3回の若手与党議員が政策立案、勉強と人脈作りの目的で就任していた事例が多かった。大臣と比較して省庁内外における権限がとても小さく、国務大臣を代理して閣議に加わることができないことはもとより、後の副大臣と異なり主任の大臣を代理しての省令の発令や許認可等もできず、式典での大臣挨拶代読など法的権限に直接関与しない部分の代理しかできなかった。政務次官が国会で答弁を行うことも例外的とみなされていた。同じく「次官」の名をもつ事務次官は官僚トップとして相当程度の影響力を有したのに対し、政務次官はその狭間にあって存在意義・役割が不明確なものと認識される傾向にあり、報道・政治評論等では盲腸などと揶揄されるポストであった。「国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律」により、中央省庁再編に合わせて新設の「副大臣(副長官)」及び「大臣政務官(長官政務官)」にその役割を譲り、政務次官の職は廃止された。報道等における「次官級協議」、「大蔵次官」のような用例では、おおむねそれらの「次官」は「事務次官」を意味するものとして扱われ、略称の面でも政務次官は影の薄い存在であった。2001年1月6日の中央省庁再編に伴う副大臣・大臣政務官制度への移行に備え、政務次官の権限を強化するための法改正が行われ、1999年9月20日から適用された。これに伴い、政務次官の法的な正式呼称は従来のまま、閣議での申し合わせによる事実上の名称付与として「総括政務次官」の呼称が創設され、各府省庁の政務次官のうち筆頭者にその呼称が適用されるようになった(例:筆頭者は「外務総括政務次官」、それ以外は「外務政務次官」、ただし辞令などでの法的な正称はいずれも「外務政務次官」)。中央省庁再編の1か月前に行われた内閣改造(第2次森改造内閣)では、再編後も(副大臣へ名称は変わるが)おおむね再任されることが予定されていたため、筆頭者に限らず政務次官全員に「総括」の名称が付与された。政務次官の廃止後は、副大臣と大臣政務官が新設され、役割の明確化に伴い以前よりも適材適所の人事配置が可能となった。副大臣と大臣政務官の権限の違いとしては、副大臣がその府省庁の政策全般について大臣を助けるのに対し、大臣政務官は特定の政策について大臣を助けると規定されていることなどが挙げられる。政務次官と副大臣との違いとしては、副大臣には大臣クラスあるいは大臣経験者の政治家等が就任する可能性が高まること、また、政務次官会議とは異なり副大臣会議が法律によって定められているということが挙げられる。政務次官と大臣政務官との違いとしては、政務次官は広く(浅く)省庁の政策全般に関わることが想定されていたが、大臣政務官は特定の政策にしぼって深く関与することが想定されているということが挙げられる。副大臣・大臣政務官制度への移行が議論されていた第2次橋本内閣・小渕内閣においては、重要官庁の政務次官に閣僚経験者を充てる試み(高村正彦・外務政務次官、谷垣禎一・大蔵政務次官、町村信孝・外務政務次官など)がなされるなど、新制度の効果的な活用が期待されていた。しかしながら、閣僚人事においては若手の抜擢や民間人の起用などが注目された小泉政権下においても、副大臣・大臣政務官人事については派閥順送り・年功序列型の慣行がほぼ踏襲されるなど、大きな変化が見られないとする評価もなされた。(1年生議員である片山さつきが経済産業大臣政務官に就任したことが話題になったことはある)。続く安倍政権においては派閥の推薦をそのまま受け入れるのではなく、推薦リストをもとに総理や党幹部が決定するというスタイルがとられ、福田改造内閣では閣僚経験者の2人(高市早苗(経済産業)、鴨下一郎(厚生労働))が副大臣に就任するなど、新しい方向での模索もなされている。政治主導を唱える民主党政権に移行してからは、大臣・副大臣・政務官からなる「政務三役会議」が定例化された。府省によっては、副大臣・政務官の別なく政務が分担されている例もある。
出典:wikipedia
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