ソドー島(ソドーとう、)は、ウィルバート・オードリー牧師の絵本シリーズ『汽車のえほん』およびその映像化作品『きかんしゃトーマス』の舞台である架空の島。アイリッシュ海上のマン島とイギリス本土カンブリア州のバロー=イン=ファーネスの間に存在するとされ、実在するウォルニー島を含んでいる。後述の通り、ソドーの名は英国国教会に実在する「ソドー・アンド・マン教区」に由来する。ギリシャのロドス島()を逆から読んだものという説は誤り。『汽車のえほん』シリーズが巻を重ねるにつれて、作者のオードリー牧師の許には設定の矛盾について質問する愛読者からの手紙が多数届くようになった。これらに答えるための矛盾のない設定を考えるうちに、牧師は体系的な架空の舞台設定を考案し始めた。折しも教会の仕事でマン島を訪問したオードリー牧師は、その島を管轄する教区の名が「ソドー・アンド・マン教区」であることに気づいた。教区名からは、あたかもマン(島)と並んで「ソドー(島)」という土地が実在するようであるが、これに対応する特定の島や土地はない。オードリー牧師は、マン島とイギリス本土の間に位置する「ソドー」という名前を持つ架空の島こそが、物語のための完璧な舞台環境であると考えた。オードリー牧師は、トーマスの支線の設定とそれを具現化した地図を1949年に、続いて島全体の体系的な設定とそれを具現化した地図を1950年に自らの手で制作し、1952年には親友のウィッカム司祭の協力を得て、島全体の彩色された立体地図を作成した。その後も、司書を務める弟ジョージの手を借りて、歴史・地理学・言語・産業・地質学に及ぶ細かな設定が絶えず補強され続けた。1987年9月にはその集大成として "The Island of Sodor: Its People, History and Railways"(『ソドー島 その住民・歴史・鉄道』、日本未邦訳)が二人の共著として出版された。テレビシリーズ化に際しては、小さな子供にも分かりやすいよう"The Island of Sodor: Its People, History and Railways" の精密な設定は無視されており、完全な映像化はされてはいない。またエピソード上、意図的に改変された部分もある。アイリッシュ海上のマン島と英国本土カンブリア州バロー=イン=ファーネスの間にある。島の海岸線はほぼ三角形をしており、東西62マイル(99.7km)、南北51マイル(82km)で面積は1,298平方マイル(3,361.8平方km)。北西の海岸線は幅4マイル(6.4km)のサドリア海峡によってマン島と隔てられる。北東の海岸線の内、バロー=イン=ファーネスに向かい合う場所は、実在のウォルニー島北東部の海岸線が本来存在する場所であり、ソドー島がウォルニー島を含んだ形になっている。島全体の人口は約177,000人。本土側のバロー=イン=ファーネスとはトップハム・ハット卿が設計、1915年完成した跳開式可動橋(テレビ版ではヴィカーズタウン橋、Vicarstown Bridge)と、1908年に完成した実在の道路用可動橋であるウォルニー橋で結ばれている。また、ピール・ゴッドレッド近郊には水力発電所が1923年に建設され、ソドー・アルミニウム会社の工場とピール・ゴッドレッド線に電力を供給している。島の南の海岸線はアイリッシュ海に面し、複雑に入り江をつくる海岸線に港がいくつか点在する。島で最も高い山は北部のカルディー・フェル(Culdee Fell)山であり、標高2048フィート(624.2m)。この山はスノードン山がモデルとなっている。島の固有の言語として、マン島語とノルド語によく似たサドリア語(Sudric)があるが、現在は使われていない。一部の地名(例:レニアス/リーニアス(Rheneas)→幾筋にも分かれた滝)にその名残をとどめているのみである。以下、特に記載がない限りウィルバート・オードリー牧師とジョージ・オードリーが制作した原作版ソドー島地図、並びに『きかんしゃトーマス』の鉄道顧問サム・ウィルキンソンが発表したテレビシリーズ版ソドー島地図に準拠することとする。島の主な産業は、農業・漁業・鉱業・観光である。農業は、カラスムギ、大麦、カブが島で収穫される主な作物である。漁業は、ティドマス近海で獲れるニシンが特産品である。なお、鮮魚列車フライング・キッパーの「キッパー(kipper)」はニシンの燻製料理を意味する。鉱業はかつて島の主な産業で、鉛、亜鉛、銀、アルミニウム、石炭などが豊富に採掘されていたが、現在は鉱山資源が枯渇し、石材、天然スレート、陶土の採取等が残るのみという設定で、テレビ版ではこの辺りの枯れた描写が出てくるエピソードも存在する。現在のソドー島における最大の収入源は、観光面での退職者向けの別荘分譲とそれに付帯する別荘族へのサービス業である。のんびりと蒸気機関車の牽引する列車で移動するのも別荘族へのサービスの一環とも言えよう。ハット卿自身も、新しい観光スポットの開発やイベントの開催などでサービス向上をめざしている。全体的にはマン島に似た島だが、王室保護領のマン島ほどの独立性はなく本土の直接支配の島、長期滞在型観光に依存した島、と言える。原作では舞台である鉄道の名称を特定する記述は特になく、テレビ版では主に「ソドー鉄道(Sodor Railway)」という名称が劇中及び関連書籍などで使用されている。ノース・ウェスタン鉄道(North Western Railway, 北西部鉄道)の正式名称は、書籍『The Island of Sodor: Its People, History and Railways』(日本未邦訳)の本文中にのみ登場する。局長(シリーズ開始時は重役)のトップハム・ハット卿が運行を受け持っている。モットーは「Nil Unquam Simile」(ラテン語で『他の何処とも違う』)。島の三大私鉄であったソドー・アンド・メインランド鉄道(S&M)とティドマス・ナップフォード・アンド・エルズブリッジ軽便鉄道(TK&E)、ウェルズワース・アンド・サドリー鉄道(W&S)を前身とし、1914年に開業。1925年にロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道の了承を得て本土まで路線を延長し、1926年に本線の機関庫がヴィカーズタウンからティドマスに移され現在に至る。本土の鉄道が国有化された後は急行がティドマスまで乗り入れてくるようになった。本土の鉄道が乗り入れることから分かるように軌間は1,435mm。ピール・ゴッドレッド線を除き非電化。保安装置の導入状況は作中言及されていないが、信号による閉塞は実施されている。以下、原作とテレビ版の双方に登場する路線上においてテレビ版にのみ登場する駅や原作の既存駅と駅名が異なるものがある場合は〈〉内に記す。ティドマス(Tidmouth)→〈ロアー・ティドマス(Lower Tidmouth)〉→ナップフォード(Knapford)→クロスビー(Crosby)→ウェルズワース(Wellsworth)→〈停車駅(The Halt)〉→マロン(Maron)→クロンク(Cronk)→キルデイン(Killdane)→〈バラッドライン(Balladrine)〉→〈ケラビー(Kellaby)〉→〈ささやきの森の停車駅(Whispering Woods Halt)〉→ケルスソープ・ロード(Kellsthorpe Road)〈ケルスソープ(Kellsthorpe)〉→クロバンズ・ゲート(Crovan's Gate)→ヴィカーズタウン(Vicarstown)→バロー=イン=ファーネス(Barrow-in-Furness)ナップフォード(Knapford)→ドライオー(Dryaw)→トリレック(Toryreck)→〈運動場駅(Sports Field Halt)〉→エルスブリッジ(Elsbridge)→〈メイスウェート(Maithwaite)〉→ハッケンベック(Hackenbeck)→ファーカー(Ffarquhar)ウェルズワース(Wellsworth)→サドリー(Suddery)→〈ロアー・サドリー(Lower Suddry)〉→〈アニマル・パーク(Animal Park)〉→〈ディングリー・ホール(Dingley Hall)〉→〈アッパー・ブレンダム(Upper Brendam)〉→ブレンダム(Brendam)ティドマス(Tidmouth)→〈タウンホール(Town Hall)〉→〈ティドマス・ホルト(Tidmouth Hault)〉→ホールトラフ(Haultraugh)→〈ブラッフズ・コーブ(Bluff's Cove)〉→アールズバーグ・ウェスト(Arlesburgh West)
出典:wikipedia
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