もつ鍋(もつなべ)あるいはホルモン鍋(ほるもんなべ)は、牛または豚のもつ(小腸や大腸などの内臓肉、別名「ホルモン」)を主材料とする鍋料理。本項では福岡県福岡市近辺の郷土料理として始まり、かつて全国に流行したものを中心に、「もつ(ホルモン)を使った鍋料理」全般を扱う。なお、牛豚の内臓肉の別称が「ホルモン」である理由についてはホルモン焼き#語源の項を参照のこと。福岡・博多においては、第二次世界大戦後にもつ肉とニラをアルミ鍋で醤油味に炊いたものがルーツとなっており、1960年代にはごま油で唐辛子を炒めてもつを入れてから味付け用調味料とネギ類を入れ、すき焼き風に食べられていた。「ホルモン鍋」とも呼ばれる(但し、もつ鍋は炭鉱地区・と殺場近辺の郷土料理であり、福岡市・博多では知られていなかったものの、東京での流行(下記参照)をうけて、福岡市・博多地区でもモツ鍋が一般的に受け入れられるようになった)。また、福岡の和菓子店だった「万十屋」の松隈ハツコが戦後和菓子の材料である砂糖などが手に入りにくくなり和菓子の製作が難しくなったため、当時唐津から福岡に売りに来ていたモツを使い鍋物として売り出したのが福岡のモツ鍋のルーツとも言われ、現在万十屋は福岡のモツ鍋発祥の店とされている。近年のスタイルは、鰹や昆布などでとったダシに醤油や味噌で味つけし、その中に下処理したもつと大量のニラ・キャベツともつの臭みを消すためのニンニク(ニンニクはスープにあらかじめ風味付けしておく場合もある)のほか、好みで唐辛子(鷹の爪)を入れ、これを火にかけて煮込んで食べる。もつと野菜を食べた後には、残った汁にちゃんぽんの麺を入れて「締め」とする場合も多く、牛のもつにこだわる店や水炊き風に酢醤油を付けて食べる方法を推奨する店などもある。また、店内で提供される際には一般的な鍋料理に用いられる土鍋はあまり使われず、両側に取っ手の付いた浅いステンレス鍋を使うことが多く見られるのも、特徴の1つである。1992年、東京に博多風もつ鍋店がオープンすると、安くボリュームがあって酒によく合うなどもあり、バブル景気崩壊後の風潮とも融和して東京を中心に広く知れ渡るようになり、「もつ鍋」が同年の新語・流行語大賞銅賞を受賞するほどのブームとなった。しかし、その後はBSE問題が起こったことや、一過性の流行であったこともあり、以前からもつ煮が存在している東京など大都市圏の一般家庭では、絶対的な定着を見せるには至らなかった。福岡では郷土料理ともされており、BSE問題の余波は受けつつも根強い人気があることから老舗が多く、一般の居酒屋でも博多ラーメンに次ぐ人気メニューとなっている。また、タキイ種苗がまとめた調査結果の「好きな鍋料理アンケート」では8位であったが、通信販売の口コミポータルサイト「おとりよせネット」で最も人気が高かったのがもつ鍋であり、依然として全国区では一定の認知度があることをうかがわせている。山口県下関市では、『とんちゃん鍋』と呼ばれる、博多の「もつ鍋」とは全く異なった種類のホルモン鍋が存在する。平たいステンレス製の鍋に、甘辛い味噌ベースのたれにつけ込んだ牛のホルモンを、キャベツ、モヤシ、ネギと一緒に山のように盛りつけ、そのまま火にかけて蒸し煮にしたもので、ダシは一切使わず、野菜の水分のみで煮るのが特徴。「とんちゃん」は元々韓国語で「豚の小腸」のことだが、現在は牛の腸が多く用いられるという。福岡県田川地方(田川市・田川郡)には、『田川ホルモン鍋』と呼ばれるホルモン鍋が存在する。炭鉱で栄えた田川では、その昔、一人の炭坑夫が鍋の代わりに紙製のセメント袋を七輪に乗せ、ホルモンを焼いて食べてみたところ、セメント袋の紙が余分な水分を吸うことで、肉を柔らかくまろやかな味わいとなって美味であったことからこれが広まり、田川ではホルモンが多く食べられるようになったという。中央部がくぼんだ鉄板(鍋)に、ニンニクだれの下味を付けたホルモンとキャベツなどの野菜を入れて煮込んだもので、田川市・田川郡の複数の韓国料理店で提供されている。
出典:wikipedia
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