建築確認申請(けんちくかくにんしんせい)は、建築基準法 第6条、第6条の2、第6条の3に基づく申請行為である。法に定められた建築物を、あるいは地域で、建築しようとする場合、建築主は申請書により建築確認を受けて、確認済証の交付を受けなければ建築することができない。ただし、建築確認は特定行政庁等が行う許可等とは性質が異なり、これから建てようとする建築物が建築基準法令をはじめとした建築基準関係規定について適合するかどうかを機械的に確認する作業に過ぎない。したがって、適正に行われた手続きについて建築主事が何らかの裁量を行う権限はなく、法に定められた手続きを行う義務がある。建築主事の判断の余地は、(1)語句の定義、(2)数値の計測方法、(3)基準法に「その他これらに類するもの」と示されている場合に限られるとされる。ただし、これらのいずれもが建築行為および建築の適法性において重大な要素となっているため、結果として建築主事が多大な権限を有し、確認行為が許可行為として運用されている実態もある。申請(提出)をして確認を受ける先は、建築主事あるいは民間の指定確認検査機関である。また、消防法により定められた防火対象物である場合は、消防長による確認前の同意が必要であり、各地域の取決めによって担当部署に申請書が送られる。この場合、消防設備等に関する書類の添付も求められる。こうして所定の手続きが行われた場合、確認申請書には消防同意が為された旨の記載がされ、運用上、この記載がなければ確認処分が行われない。その他、運用上、建築行為に関連する各種法令手続(許可)を全て終えた後でなければ、申請の受付がされないことが一般的であるが、その範囲は特定行政庁により異なる場合がある。平成19年6月20日施行の建築基準法改正により、一定規模以上の建築物は適合性判定機関の審査が加わり、特定行政庁等の審査が行われた後に、申請書は構造適合性判定機関に送られる。判定機関では構造計算書について審査を行い、その結果を特定行政庁等に意見として通知する。特定行政庁等はその意見を「参考にして」適法性を判断することとなっているが、通常、判定機関から不適合の判断がされた申請については特定行政庁等も不適合と判断する。また、この改正により、一定の誤記の場合や簡易な追加説明で適法性が判断できる場合等、軽微な修正以外は申請書の訂正がほぼ不可能となった。なおこの点については、特定行政庁や指定確認機関側で、例えば申請の受付前に事前審査を行って修正が完了した後に申請を受付するなど、何らかの対応をしているケースもある。法規(建築基準法)を満足する内容を示した、仕様書や工法に対する認定書、設計図、付近見取図などの図面。また、各構造に対して一定の面積や階数以上の建物の場合、地震などに対する安全性の計算を記した、構造計算書が必要である。これらの設計図書の作成は、一定の小規模建築物を除いて建築士しか行なうことができない(建築士法)。または、それを業務とする場合、建築士事務所登録をした者でなければならない。これらはあくまでも「確認申請に必要な設計図書」ということであり、「設計」とは別義である。例えば申請上、構造計算書の添付の必要のない建築物であっても設計段階において構造計算が必要とされる場合もあり、また、申請の不要な建築物であっても建築基準関係規定を遵守した設計が行なわなければならない。なお、その場合も設計行為は一定の小規模建築物を除いて建築士の専業である。建築士は建築主の委任を受け、申請の代理者となって申請手続をすることができる。建築士事務所登録をした建築工事を担当する工事会社(建設会社)が行う場合(設計施工)と、設計(さらに工事監理)を専業とする設計事務所で行う場合がある(設計施工分離)。建築確認について処分がなされた場合、申請者、周辺の住民及び地権者は、建築審査会に対し審査請求することができ、建築審査会の裁決に不服がある場合は、国土交通大臣に再審査請求ができる(法94条、95条)。なお、建築確認の処分についての取消訴訟は、原則として建築審査会の裁決が出た後にしか提起できない。建築確認の取消訴訟の訴えの利益は、建築物等の工事が完了したとき失われる(最判昭和59年10月26日)。建築確認・検査の厳格化を柱とする、平成19年6月20日施行の建築基準法等の一部改正(第164回通常国会、平成18年6月21日公布)により確認申請業務に著しい遅延が生じている。建築着工統計調査(平成19年12月分)によると全建築物の着工床面積は前年同月比13.8%減、新設住宅着工戸数は前年同月比19.2%減と共に6ヶ月連続減少を続けている。木造2階建て住宅が中心となる4号建築物の確認申請は半年を経てようやく改善されつつあるものの、戸建て住宅以外の1~3号建築物は低迷を続けたままである。国土交通省が原因となる今回の混乱は建築業界を超え、産業界の設備投資の遅れ、学校や病院が予定通り建たない、新築時の耐久消費財が売れないなど経済活動全体に波及、官製不況が長期化している。福田康夫首相は12月19日の臨時閣議で、建築基準法の改正による住宅・建設投資減少などの影響で国内総生産の成長率を下方修正(19年度当初見通しの実質2.0%、名目2.2%の成長予測を、実質で1.3%、名目で0.8%に引き下げ)したことについて反省の弁を述べた。構造計算適合性判定合格件数は7月に1件、8月に52件、9月に208件、10月に873件、11月は1,430件、12月は1,686件の合格と増えてはいるが、適判対象物件は月平均5,000件(年間7万件)程度と想定されている。建築関連サイトが平成19年11月に行ったアンケートによると、国交省の円滑化対策は68%が効果がないと回答、申請業務1件当たりの手間が2倍以上になった人が半数以上、労働時間が増え、収入減少は53%、今回の改正基準法施行を契機に61%の建築実務者が「会社を辞めたいと思う」と回答している。ちなみに、改正基準法閣議決定後の平成18年4月に行ったアンケートによると、読者の53.5%が「改正案は建築物の安全性に対する国民の信頼回復につながらない」と回答していた。2007年12月26日放送のワールドビジネスサテライトにて、今年の経済10大ニュース第4位「コンプラ不況(改正建築基準法など)」と第6位「日本経済、成長にブレーキ」になる以上のような理由で以前であれば1ヶ月以内に降りていた確認申請が10月現在で3ヶ月から4ヶ月程度必要となった平成19年度から約40億円事業として「建築行政共用データベースシステム」(建築士、建築士事務所の登録閲覧システム、台帳・帳簿登録閲覧システム、指定確認検査機関からの通知・報告配信システム、建築基準法令データベース、道路情報登録閲覧システム)を順次立ち上げ予定
出典:wikipedia
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