


両院協議会(りょういんきょうぎかい)は、両院制の議会において議決の不一致が起こった際に、各院の代表が議案の取り扱いを協議するための機関である。日本の国会や、アメリカ合衆国の連邦議会および多くの州議会などに置かれる。両院協議会は、日本国憲法では衆議院と参議院の議決が一致しない時に意見調整をする機関として設けられる。国会法、衆議院規則、参議院規則、において手続の詳細が規定されている。両院協議会は、「各議院がそれぞれ独立して審議し、議決する」という衆参相互独立原則の例外である。両院協議会は常設機関でなく、法に定められた要件に則して必要となった際に設置される。名称は「何々に関する法律案両院協議会」、「内閣総理大臣の指名両院協議会」のように対象案件等の名称・内容を冠したものとなる。同時期に両院協議会での処理を要する案件が複数生じた場合、慣例では、それらが関連する法津案のように一括協議で差し支えないと判断された場合は取りまとめて一つの協議会(例:「平成何年度一般会計予算外二件両院協議会」)が設けられ、それらが全く関連性のない案件である場合は個別に協議会が設置される(つまり同時期に複数の名称の両院協議会が併存することになる)。両院協議会は各議院から選挙された各10名(計20名)の協議委員で組織される(国会法89条)。各院の10名全員がそれぞれの院の当該議決の支持派で占められることが通例である(衆議院規則第250条第1項及び参議院規則第176条第1項によれば、議院規則上は連記投票によって選ばれることとなっているが、議院がその手続を省略して議長に委任してその指名で選ばれるのが通例となっている(衆議院規則第250条第3項、参議院規則第176条第3項。例えば衆議院委員会先例集先例第295など)。両院協議会の開会に先立ち、各院の協議委員は、互選会において互選によりそれぞれの院の協議委員議長と協議委員副議長を選出する(両院協議会協議委員議長につき国会法90条。協議委員副議長につき両院協議会規程5条)。その際、年長の協議委員が互選の管理者となる(衆議院につき衆議院規則252条2項、参議院につき参議院規則177条)。両院協議会の議長は、1日ごとに衆参の協議委員議長が交代して務めるが、どちらの院の協議委員議長が初日の議長を務めるかは籤(くじ)で選ぶ(国会法90条。例:初日に衆議院議員である協議委員議長が議長となった場合、2日目は参議院議員である協議委員議長が議長、3日目は衆議院である協議委員議長が議長・・・というように交代する)。両院協議会を開き得る対象案件は「先議院・後議院の順で送付・受領して議決する案件(法律案、予算、条約の承認、憲法改正原案、国会承認・承諾案件など)」であり、また「案件」ではないがこれに「内閣総理大臣の指名の議決」が加わる。これらに該当しない案件(国会同意人事など)では(両院で同時期に同様の内容の議決は行うものの)形式上は両院で相互に送付・返付・受領等をする関係にない対等な各院終局案件であり、両院の議決が一致しない場合であっても両院協議会を開くこと(求めること)はできない。臨時会及び特別会の会期の日程に関する議決、並びに国会の会期延長に関する議決において、両院の議決が異なる場合又は参議院が議決を行わない場合は衆議院の議決によるとの規定があるが、これについても先議・後議の順がなく対等・独立の議決であるため両院協議会の対象とはならない。ただし、国会同意人事でも衆議院優越規定が存在した一部の役職の同意人事では、「衆議院が同意して参議院が同意しない場合は日本国憲法第67条第2項の場合の例により、衆議院の同意を以て両議院の同意とする」と規定されていた(1999年7月を最後に衆議院優越規定の国会同意人事は存在しない)。そのため、衆議院優越規定が存在した一部の役職の同意人事では衆議院が同意して参議院が同意しない場合は、内閣総理大臣の指名の議決が異なる場合に義務的に両院協議会が開く例により、同意人事が異なった場合は義務的に両院協議会を開くことになっていた(過去に衆議院優越規定の国会同意人事が参議院で不同意となった例は一度もなかった)。予算の議決、条約の承認の議決、首相指名の議決において衆参の議決が異なった場合は、所定の院が必ず両院協議会を請求し、開かなければならない。両院協議会を開いても意見が一致しないときは、衆院の議決が国会の議決となる(衆議院の優越)。日本国憲法第60条日本国憲法第61条日本国憲法第67条法律案において衆参の議決が異なった場合の両院協議会の請求は任意である (日本国憲法第59条、)。衆議院は、衆議院可決案を参議院で否決した場合、又は衆議院可決案に対し、参議院が修正議決したときに参議院回付案に衆議院が同意しなかった場合に、両院協議会を求めることができる (同条1項)。参議院は、この請求に応じなければならない。一方、参議院は、参議院可決案を衆議院が修正議決し、かつ参議院が衆議院回付案に同意しない場合にのみ、衆議院に優先して両院協議会を求めることが可能である (同条2項)。しかし、参議院が求めた場合でも、衆議院は拒否することができる。また、衆議院は、参議院が請求しない場合に、両院協議会を請求でき、参議院は拒否できない。したがって、法案の議決が異なる場合の両院協議会の設置は、衆議院に実質的な決定権がある。憲法改正原案において衆参の議決が異なった場合は、原則として先議院が優先的に両院協議会請求ができるなど、先議院・後議院の間の差異自体はあるが、衆・参どちらかに特定した優先措置はなく、その意味では相互に平等な規定となっている。上述の事例以外の「国会の議決を要する案件」において後議院が先議院の議決に同意しない場合は、先議院のみ両院協議会を請求することができる(衆・参の扱いに優劣はない)。両院協議会は、各議院の協議委員のどちらも3分の2以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない(国会法第91条)。首相指名の議決における両院協議会では、各議院で指名された人物以外の第三者を議題とすることができない。なお、両院協議会は国会議事堂中央の両院協議室(通常は、会期決定や延長の際に開かれる常任委員長会議がひらかれる委員長室をその日だけ名称変更する)で開催される。協議会の議事の進行については、まず各院がそれぞれの議決の趣旨を説明する。その後、必要に応じて質疑、懇談などを通じ協議会案の作成のための協議が行われる。そして、最後に討論を経て採決となる。独自の協議会案が作成された場合は、その案の採決が行われ出席協議委員の3分の2以上の多数で可決されたとき成案となる(国会法第92条第1項)。両院協議会案の作成に至らなかった場合は、衆参双方の主張する案を順に採決して成案に至らないことを確定させるか、または両院協議会の議長が「意見の一致がないため成案が得られなかった旨両院に報告したい」と宣言し協議委員の同意を得て採決をしないまま議事を終了する形をとる。成案を得なかったときは各議院の協議委員議長は、各々その旨を議院に報告しなければならない(国会法第94条)。両院協議会は傍聴することが禁止されている(国会法第97条)ため、協議委員(及び速記者等の必要最低限の国会職員)以外は退席しなければならない。ただし、秘密会ということではないため、その内容は(いわゆるオフレコ扱いで速記が止められる「懇談」部分を除き)後に国会会議録を作成し、公開する会議録公開となっている。両院協議会の成案は、その内容が衆議院可決案を採用したもの、参議院可決案を採用したもの、あるいは協議により修正して成立した協議会案のいずれであるかにかかわらず、両院の本会議で採決に付される(両院協議会を求めた側の議院で先議し、可決後に他の議院に送付して採決する。各院でさらなる修正を加えること及び委員会への付託は認められない)。たとえば、成案が衆議院可決案を事実上「丸呑み」したものだとしても、衆議院でも成案の採決を省略することなく行うことが必要となる。この場合、外見上・内容的には「当初の衆議院可決案が結局成立した」と判断し得るが、手続上は成立したのは直近の採決を経た「両院協議会の成案」であって「(当初の)衆議院可決案」ではない。両院協議会で成案を得た例には1994年第128回国会のいわゆる政治改革四法案がある。これは参議院が衆議院同様に政党に主導されるようになって以来唯一の例である。"再議決の事例は衆議院の再議決に記載"両院協議会は開かれなかったが衆議院で再議決が行われた事例は衆議院の再議決に記載"予算の自然成立の例は自然成立に記載"一般会計・特別会計・政府関係機関の3予算をまとめて1例と数えた場合、過去に19例ある(両院協議会の数としては20例)。いずれも、予算の議決に関する両院協議会で成案を得るに至らず、両院の議決が一致しなかったため、衆院の議決が国会の議決とされた。"条約の自然承認の例は自然成立に記載"過去に2例ある。過去に5例ある。いずれも、「内閣総理大臣の指名両院協議会」で成案を得るに至らず、両院の議決が一致しなかったため、衆院の議決が国会の議決とされた。なお、自然指名(衆議院の議決から10日以内に参議院が指名をせず、衆議院の議決が国会の議決となること)の事例はない。実例がない。実例がない。実例がない。
出典:wikipedia
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