『ハチミツ』は、日本のロックバンド・スピッツの通算6作目のオリジナルアルバム。1995年9月20日にポリドールより発売された。現行盤はユニバーサルミュージックから発売・販売されている。1993年の『Crispy!』以降3枚目となる笹路正徳との共同プロデュース作で、前作『空の飛び方』に引き続き、宮島哲博がエンジニアを手掛けている。バンドにとって初めてのトップ10シングルとなったミリオンセラー「ロビンソン」と、それに並行する形で100万枚近くを売り上げた「涙がキラリ☆」の2枚の大ヒット曲をフィーチャーしており、シングルリリース候補に挙がっていた楽曲も複数収録されている。アルバムの制作にあたって笹路は、フロントマンの草野マサムネ以外のメンバーに対しても新作のために自作曲を用意するよう促した。 結局草野の単独作のみでアルバムは構成されているものの、当初はベーシストの田村明浩が初めて書いた楽曲も収録される予定であった。田村の作品は次回作『インディゴ地平線』で初収録となったが、彼が本作に持ち寄っていたのはそれとはまた異なる曲だったという。2007年に刊行されたバンドの回顧録『旅の途中』の中で、草野は本作のクオリティについて、制作に苦慮した次作『インディゴ地平線』と対比する形で「満足のいく」出来映えであったと述べている。 ジャケットの被写体は、当時、森永乳業の「サンキストゼリー」のコマーシャルに出演していた守屋綾子である。彼女の名は、CM出演時の役にちなんで歌詞カードにはミドルネームに“melon”とクレジットされている。守屋の顔は全ての写真において隠されているが、初回盤限定で付けられたスリップケース及び表題曲のミュージック・ビデオでは顔を確認することができる。1997年2月2日は、Spitz Analog Disc Collection Vol.2として、グリーン・クリア・ビニール仕様のアナログ盤がリリースされた。このLPはCDとは曲順が大きく異なり、やまだないとによるオリジナルコミックが新たにフィーチャーされている。本作は、バンドが2000年代以降のリリースで常に重用しているエンジニアのスティーヴン・マーカッセンによってリマスタリングが施され、1990年代に発表された他のすべてのスタジオ録音作と同時に、2002年10月16日に再発売された。このデジタル・リマスター盤はオリジナルの通常盤のデザインを踏襲しており、音楽評論家の能地祐子による寄稿文が印刷された1枚の紙がスリーブノーツに封入されている。このアルバムからは、先行シングル「ロビンソン」「涙がキラリ☆」と表題曲「ハチミツ」、ならびにシングルの候補に挙げられていた「愛のことば」のプロモーション・ビデオが撮影された。また、「あじさい通り」が背景に流れる15秒のテレビスポットも制作された。これらの映像は、バンドのメジャーデビューからおよそ20周年後の2011年にリリースされた3枚組のDVDボックスセット『ソラトビデオCOMPLETE 1991-2011』で包括的に商品化されている。また、YouTubeに開設された公式チャンネル上においては、4曲すべてのPVがフルコーラスで公開されている。商業的な成功を収めた2つのリード・シングルに引き続く形で、『ハチミツ』は発売後ただちにオリコンの週間アルバムランキングで首位を獲得した。本作はスピッツにとって初めてチャートで1位を記録した作品であり、100位以内に合計およそ1年間残り続けた。 発売時期の関係からオリコンの年間ランキングでは集計分が2年にばらけたが、1995年から96年の足掛け2年に渡ってベストセラーの上位50枚以内にエントリーしている。160万枚以上の出荷により、このアルバムは1997年4月に日本レコード協会によってクワドラプル・プラチナに認定された。実際にはチャート上でより多くの枚数を売り上げており、バンドにとっては本作が2014年時点で最も売れたオリジナル・アルバムとなっている。1995年の大晦日に発表された第37回レコード大賞では、優秀作品賞を受賞したシングル「ロビンソン」と共に、本作がアルバム部門に選出された。ブックオフオンラインの2014年、年間売上急上昇ランキングでは第10位にランクインしている。羽海野チカが2000年代初頭に発表した漫画『ハチミツとクローバー』のタイトルは、本作とスガシカオのアルバム『Clover』(1997年発表)が並んであるのを見た作者の経験に由来している。2005年にフジテレビ系列でこの漫画のアニメ版が放映された際には、このアルバムのタイトルトラックが第1期第1話、「Y」が第1期第14話の挿入歌として使用されている。作詞・作曲: 草野正宗/編曲・プロデュース:笹路正徳、スピッツ
出典:wikipedia
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